第七九話 7日目・ドリオンの塔 朝
今晩は。
投稿です。
「あれぇ?どこ行った?帰ったか?」
パタパタ。
スリッパをパタパタ鳴らし、チキンキャロット家当の離れを歩き回るロック。
最早離れは兵器工場である。
「これ見られるとマズいんだけどなぁ……ま、明日はお披露目だし、いいかな?」
ナゼか身を隠すレイン。
「激しい女だったなぁ」
魔動騎機グリガンゲナン・レッドを見上げながら、一人呟くロック。
(おい、私の評価はその辺にしておけ、恥ずかしいぞ!)
「レッド、不審者は見なかったか?」
(は?なんだロック?ゴーレムに話し掛けているぞ?)
【見掛ケテイマセン】
(!!!!!!!!!!!!!)
驚き固まるレイン。
(な!?ゴーレムと意思疎通?会話ができるのか!?)
「明日はドリオンの塔攻略だ、よろしくな」
【イエス、マスター】
「帰ったか……んじゃ寝るか、もう少し話したかったかな……」
【マスター、質問ガアリマス】
「お?なんだ?珍しい」
レッドを見上げるロック。
【先程ノ女性ハ、マスターノ妻デスカ】
(!!!!!!!!!!!!)
それはまさに石化の呪文だ。
レインは動かなくなった!
(つ、つつま、つまだとっ!?)
「は?いやいやいや、違うぞ!?」
【子孫繁栄ニ、オ励ミノヨウデシタガ?】
絶句するロック。と、グリーンの後に隠れているレイン。
(ななななななんだっ!?このゴーレムは!?見ていたのか!?聞いていたのか!?)
「覗いたのか?」
【イエ、キコエテキマシタ】
「んな時はセンサーを切れ!」
【ノー、ソレハデキマセン、マスターノ安全確保ガ第一デス】
「困ったプログラムだなぁ、そうだなぁ、恋人だ……優しい女で、嫁に来ないかなぁと思っている女性だ」
(え?)
【了解シマシタ、大切ナ女性ナノデスネ?】
「ああ、大事な女性だ」
(は?はああああああああああ!?何を言っているのだ!ロックのヤツは!?それにッこのゴーレムッ!なに覗いているんだ!)
【マスターノ身内トシテ、登録イタシマス】
「明日は見学に来るそうだ、危ないようだったらガードしてくれ」
【イエス、マスター】
「んじゃ俺は寝るぞ、おやすみ」
【ヨイ夢ヲ】
一連の会話を聞いて愕然とするレイン。
(何を作ったんだ?ロック?バンブは何を考えているんだ?これも国王絡みか?)
離れの照明が落ち、周囲に闇が訪れる。
「!」
頭上高く光っている魔動騎機グリガンゲナンの目。
その目がレインを捉える。
「なぜ黙っていた?私がいることを」
【後学ノタメデス】
「?」
(後学?なんだそりゃ?)
【少シオ話シヲ、イイデショウカ?】
レインはこのゴーレムに興味を覚える。
「いいぞ?」
【オ名前ヲ教エテ下サイ】
「ナンパか?」
そんな会話が隣の部屋で行なわれているとは知らず、ロックはレインの残り香に浸っていた。
「……あいつにとっては、遊びか?酒呑んでの間違いか?」
少し悲しくなるロック。
酒は呑んでも、遊びで女を抱くことはないロック。
「……次に逢うときは……どうするロック、どうするレイン……」
そして月が沈み、陽が昇る。
攻略の日だ。
隣の部屋が騒がしい?
ロックは目覚める。
「なんだ?」
ボリボリと頭を掻きながら、ドアを開けると、フル装備のバンブ、ユトラン、ルンルン、ロボウが待っていた。
「ロックさん、朝ご飯は?」
バンブが尋ねる。
「わりい、今起きた」
「……」
その様子をジッ、見ているユトラン。
「ユトラン、どうしたの?」
「バンお兄ちゃん、ロックさん虫にいっぱい刺されているよ!」
「え?」
「ほら!首のところ!痛くない?痒くない?」
心配する優しい女の子、ユトラン。
ギクッ!←ロック(え?まさか……!?)。
「えっ!」←ルンルン(おいおい、誰と過ごしたんだ?この香り?レインか!?)。
「えっ!」←ロボウ(は、破廉恥ですぞっ!)。
「えっ!」←バンブ(今から出撃準備なのに、まさか相手はレイン団長じゃないでしょうね!?)。
ロックの手、足、首、無数の痣があった。
それはレインが残した痣だ。
虫刺されではなく、キスマークというヤツだ。
今回はここまでです。
次回サブタイトル、投稿、未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




