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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第七三話 6日目・ドリオンの塔 夜     

今晩は。

投稿です。


 深夜、声が聞こえてきた。

 微かな声だが、レインは聞き逃さない。


 パチッ。


 切れ長の眼が動く。


(ん?ここどこだ?)


 横を見ると、男が寝ていた。


(……誰だコイツ?)


 肩の隆起が凄いな、剣を持たせれば相当速く振りそうだ、などと考えて男を起さないように静かに起き上がるレイン。


 酒臭い。


 自分で分かる程酒臭い、これは相当呑んだな、などと考えている。


(あ、ロック?)


 じんわりと記憶が鮮明になっていく。

 男はロックである。


(オニギリ食って、酒呑んで、ロックの倉庫で陛下と謁見して……それから……)


 頭を抱え込むレイン。


(塔の話をして、パーティーの話し、隣国、騎士団今後、王都に対する不満、ああ、そしてロックと陛下の関係を聞いたのだ……まさか話してくれるとは……)


 そこで更に酒は進み、ロックを押し倒すレイン。


(……呑みすぎてまた男と寝てしまったか、まぁ仕方あるまい、それより!)


 音も無く立ち上がると、レインは声の主を探し始めた。

 足音はなく、影のように動くレイン。

 素裸なので衣擦れの音もせず、まるで足の裏には肉球でも付いているかのように、無音で歩く。

 その姿は獰猛なネコ科の獣だ。


 倉庫を出ると、二人の人物がいた。

 空には星もなく夜の闇が深い。そんな中、二人の人物が話し込んでいた。


 ……明日……


(ルンルンだな、もう一人は誰だ?)


 男のようだが、周囲が歪みよく見えない。


(防御魔法?結界か?)


「明日、ドリオンの塔の攻略です」

「明日?勝算は」

「あります」


(ルンルン、別人だな、こっちが本性か?)


 顔付きが全然違う。

 優しさの欠片も宿していない冷たい目。

 レインの評価通り、別人である。

 屋敷内で出会っても分からないのでは?

 そう思えるほどルンルンは違って見えた。


「バンに死んでもらっては困る、死なせるな。本家はバンの死を望まぬ」

「……はい」

「ユトランなる人物は、バンに相応しいか?」

「はい、高速詠唱の使い手、弓の腕も確かです」

「ほう、明日は影ながらフォローする、騎士団や警備隊も動くようだな」

「はい、国王陛下のご命令とか」

「危険と判断したら、本家が介入する、以上だ」


 ゆっくりと歩いてくるルンルン。


「盗み聞きか?感心しないな」

「聞かれて困る内容でもあるまい、バンブ殿は愛されているのだな」

「どうかな?お前もだいぶ愛されたのではないのか?」

「……私のはお互いの貪り合い、傷の舐め合いだ、愛にはほど遠い」

「人の屋敷で貪り合いなど、ホント騎士団か?ロックもロックだ!」

「ロック殿を責めるな、私が押し倒したのだ……手を貸そうか?腕は確かだぜ」

「ふふっ、ブンドル騎士団の団長さまだ、腕は一流だろう、だがバン様は見ておけと言った、手出しは無用だ。さっさと服を着て帰れ、目障りだ」

「そうさせてもらう、ここは相当危険な所だしな」

「……」


 殺気が漲り始めるルンルン。


「おいおい、獣人とヤルつもりはないぜ、盗み聞きは悪かったよ、先程の人物は結界で誰だか分からなかった、いや私はそもそも何も聞いていない、見ていない、これでいいか」

「今回はそれでいい、次回はないぞ」

「ああ、注意するよ」


 そう言ってロックの元へ戻るルンルン。

 部屋に戻るとロックはいなかった。


(どこだ?取敢えず……パンツはどこだ?剣はここか?)


 隣室から灯りが漏れてくる。


(お?ロックそこか?)


 ドアの開けようとして止まるレイン。


(なんだ?イヤな予感がする。このドアは開けない方がいいのか?)


 そう、開けたら後戻りできない、そんな気がしたのだ。


「さて……どうしたものか」 


 装備一式を身につけ静かにドアを開けるレイン。

 好奇心がイヤな予感、直感を上回ったのだ


(!!!!!!!!!!!)


 目の前には、巨大な兵器が列んでいた。


(な、なんだ!?このゴーレムは!それも一体だけではないぞ!?)


 見たこともないゴーレム。


(どこの国の技術だ!?なんだこの仕上がりは!?)


 静かに進むと、更に驚愕の兵器がそこにあった。

 見上げるほどの兵器。


(こ、これは……高射砲!?)


 鈍く光る砲身。


(バンブ!あいつら何をする気だ!?塔の破壊か!?)


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第七四話 7日目・ドリオンの塔 朝 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

ブックマーク、評価、お待ちしております。

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