第六四話 6日目・ドリオンの塔 ケジメ
今晩は。
投稿です。
なに、獣人族の速さだ、どこにいても間に合う。
そう思っていたのが間違いだった。
白魔道士ユトランは魔力で身体強化して行動するのだ。
一瞬、眼を逸らしただけで、かなり移動する。
(まずいっ!)
焦るルンルン。
危険を予測して回避する。
簡単そうで難しい。
気づいて回避しても、評価されないのも世の中だ。
うまく回避しても、ことが起っていないから評価されないのだ。
判断評価の難しさ、である。
しかし、世の中には不思議な人物が多くいる。
結果が分かっているのでは?
そう思える、不思議な事前行動をとる奴らがいるのだ。
カシャン!
乾いた音が響き近づいて来る!
「ユトランはどこだ!?」
「は?ブンドル騎士団?」
そこにはフル装備のブンドル騎士団、団長のレインがいた。
「フル?なに考えてんだ!」
「知らん!知らんが直感だ!ヤバイことが起きる!」
走り出す二人。
「何を考えている!?お前には関係ないだろ!フル装備!?どこで着替えた!」
「黙れ犬ころ!ヤバいんだ!角を曲がったぞ!時期部下が応援に来る!」
「ヤバい?なんだよそれ!応援だと!?」
「だから知らんのだ!知らないがヤバいんだ!直感が告げるんだ!」
「!?」
路地裏では、ユトランとクライマーズ48が対峙していた。
二人の距離は15m程か?
「クライマーズ49?偉くなったなぁユトラン」
「ユトランに御用ですか?」
キンッ!
響く金属音!
それと同時にユトランの周囲で火花が飛び散る!
「……腕を上げたか?」
微動だにしないユトラン。
「俺とチームを組め、イヤならケジメだ、殺す」
「他の皆は?」
「彼奴らは戦士廃業だ、居酒屋の女将にクラブのバーテンダー、ナンバーワンホストになった。塔より今がいいらしい」
「ユトランはバンお兄ちゃんと組んだの、戻ることはないわ」
「じゃお前より先にそのバンを殺すか」
「あなたじゃ無理ね」
「なんだと?それになんだ!その口の利き方は!」
キイイイイッン!
再びユトランの周囲で火花が飛び散る!
ユトランは恐れない。
もう心の中心にバンがいるのだ。
「あなたこそ何?その口の利きかた」
静かに振り向くリーダー。
「……誰だ?」
「クライマーズ48のリーダーだな、今の攻撃……ユトランを殺すきか?」
「誰だお前?俺とユトランの会話だ、入ってくんじゃねぇ!」
「西区での人斬り、お前の名前が上がっているが?」
「それが?お前になんの関係がある?消えろ、邪魔だ」
「私はクライマーズ70、戦士レインだ」
「ブンドルの団長か?」
先程の剣技『遠当て』を見たルンルン。
コイツはヤバいヤツだと判断する。
(ここは騎士団に任せて逃げる、を選択しよう)
「ユトさま、引きましょう」
「でもホラーおねぇちゃん」
「おいおい、逃げるのか?それにしてもよくこの短期間でお仲間が増えたなぁ?貴族のボンボンに獣人に騎士団長?お前、股の使いすぎじゃねぇ?そんなにいい股だったか?」
フッ、と消えるルンルン!
ドガッ!
クライマーズ48に見事な蹴りが極まる!
「いい動きだ獣人さん、だが俺には効果ねぇ、よっ!」
「!?」
キンッ!
見事な居合抜きが極まる!
軽く吹っ飛ぶルンルン!
「チッ!」
舌打ちしたのはリーダーだ。
「ユトラン、てめぇ邪魔しやがって!」
リーダーの刃はユトランの防御魔法で無効化され、ルンルンを吹飛ばすに留まった。
それでもルンルンは血を吐き倒れ込む。
「……ばかな……獣人族の私を一撃でここまで……」
「おいおい、俺サマはクライマーズ48のリーダーだぜ?」
ここでレインがユトランとルンルンの前に出る。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




