第六二話 6日目・ドリオンの塔 忍び寄る影
今晩は。
投稿です。
トコトコと東区を歩くユトランとルンルン。
雑貨店でお目当ての物を購入すると、足早に店を去った。
その方がいいとルンルンが判断したのだ。
ブンドル騎士団?それも団長?
(勘弁してくれ!明日は大事な一戦なのだ!)
「どう?ユトさま?新品のストライプ上下とバスト、ヒップガードは?」
「ぴったり!肩が軽い!腰もなんだかスッ、とする!」
「動きやすい?」
「うん!ありがとう、ホラーおねえちゃん!」
戦闘での打ち身擦り傷は当り前、一歩間違えれば致命傷。
回復魔法が使えるからといって、進んで怪我をする者はいない。
怪我はしない方がいいに決っている。
その怪我も防御力を上げると防止できるのだが、一般防具は防御力と重さが比例している。
そう、防御中心になると動きが制限される。防具は基本重いのだ。
軽くて丈夫な防具もあるが、高価である。
ユトランの好み装備は動きやすさ。
ルンルンは予算内でギリギリの防具を購入した。
なるべく軽くて、丈夫なヤツ。
「その防具をロックに改良してもらう、それで完成だよ」
「え?これより良くなるの?」
「ああ、ロックのことだ凄い仕上がりになるぜ。それから新品のストライプ上下、帰ったら洗濯して馴染ませるよ?」
「ユ、ユトランが洗うよ!」
「ユトさま、それはメイドであるあたいの仕事なんだが……?」
「!」
ユトランも気がつく。
刺すような視線と周りの動き。
ルンルンと一瞬だけ眼を合わすユトラン。
そして一人の男が近づいて来る。
手足の長い痩せた人物で、どう見てもその顔色は健康そうに見えない。
近づくにつれて酒の臭いが漂ってきた。
「ようユトラン、俺のこと憶えているか?」
「?」
キョトン、とするユトラン。
「俺だよ、俺、オリオンの塔で会っただろ?」
知らない男である、ユトランの警戒心は視線を感じた時からMAXである。
そしてルンルンはユトランの体臭が変わったことで、この男を邪魔者と判断する。
(知人ではない、と)
「おい、クライマーズ49をナンパか?」
「あ?獣人は引っ込んでいろ、ユトランとお話し中だぜ?メイドの分際で口挟むんじゃねぇ」
「ユトさま、知り合いか?」
「知りません」
「知らないとさ、おい、邪魔だ、どけ」
「知らないわけないだろ?ほらオリオン塔19階で俺達のパーティーを回復しただろ?」
「?」
「今度は俺達がお前のパーティーに入って、その恩返しをしてやるよ」
そう言ってユトランの肩に手を伸ばした瞬間!
ぱっくん。
「え?」
驚くルンルン。
男が消えたのだ!
消えた男の足下にはデカいミミッコが一匹。
モゴモゴ。
オエエエエエッ。
そしてマッパで吐き出される。
……ひいいいいいっ……
白昼堂々のマッパである。
……ケケケケケッ……
笑いながら走り去るミミッコ。
「おい、おいっ!待てっ!待ちやがれ!」
マッパで走り去る男。
「……ユトさま、急いで帰りましょう」
「……うん」
「どうかしましたか?」
上の空というか、別のことに意識を集中しているようである。
ユトランの視線が気になるルンルン。
(先の四つ角を見ている?誰かいたのか?)
「ユトさま?どうかされましたか?」
「……」
「どうかされましたか?」
「……前のパーティーのリーダー、クライマーズ48のリーダーがいたような気がして」
「どこにです!?」
警戒心MAXになるルンルン。
毛が逆立ち、耳が広がる!
次回サブタイトルは未定です。
投稿も未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




