第五七話 6日目・ドリオンの塔
今晩は。
投稿です。
少し遅れました。
「明日、ドリオンの塔を攻略する」
バンブが宣言する。
「ロックさん、用意はいい?」
「ああ、いつでもいいぜ!」
ギラギラした眼でニヤつくロック。
「まずは高角砲の砲撃手だ、これはロボウに任せた、操作方法はもう教えている。問題があるとすれば試射無しで本番ってところかな」
「動作確認は?」
「してるぜ」
「坊ちゃん、お任せを」
「高角砲はグリガンゲナン・ピンクだ、ゆっくりだが自走もできる」
「え?」
驚くバンブ。
「こいつは重いんでね、動きがトロイ。あと塔の表面を走る電車はグリガンゲナン・イエローだ、改造済みなんだが、これが垂直に登るわけだ」
「そうだね」
「だから発車台がいる」
「!」
「塔に発射台を設置して、打ち出すまでをルンルンにお願いしている。発車台はグリガンゲナン・グリーン、こいつは結構な速さで移動する」
「操作は覚えた、こっちは軽く庭で練習もしたぜ!」
「そしてそのイエローの中にブルーとレッドが収っている」
「え?」
中に?内蔵されている?
「攻撃があった場合、イエローは盾代わりだイエローの運転は俺がする」
「だ、大丈夫なのですか?」
「どうだろ?あまり強化はできないんだ、装甲は重くなるし。そこで、ちと改造したんだ」
「どんな?」
「ブルーに俺が騎乗し、イエローを運転する、どうだ?」
「どうだって言われても」
内蔵されたブルーでイエローを運転する、ということらしい。
「そして、バンブとユトちゃんはレッドに乗ってもらって、ドリオンの塔の頂上まで」
「そこで分離と?」
「そう、おそらくイエローはボロボロだろうから俺はブルーとレッドで二人を援護する、どうだ?」
「え?ロックさん、参戦するの?」
「ダメか?メカニックは必要だろう?」
「危険ですよ、相手はレベル200に迫るドラゴンですよ。ロックさんは国王さまのお気に入りでしょう?死んでもらっては困ります」
「死なない程度に援護する、ヤバイと思ったら塔から飛び降りる」
真剣な眼でバンブに訴えるロック。
彼は、自分が作ったゴーレムが飛龍と対等に戦えることを証明したいのだ。
まぁ半分以上は、小さなおじさん達が改造し尽くしたゴーレムなのだが。
「ヤバイと思ったら逃げて下さいよ、死んでも恨みっこ無しでお願いします」
「ああ分かった!」
「出発時、王さまにも一言、言って下さいね?」
「ああ!」
パアアアッ!と明るくなるロック!
「戦いはバンブとユトちゃんに任せる、俺はグリガンゲナンで援護だ、行けると思ったらバトルに参戦する、これでいいか?」
「はい」
「じゃ俺はこれから最終調整、再点検かな、バンブ手伝え!」
「ええ、いいですよ!」
「では私は屋敷の手入れと警戒を」
ロボウが席を立つ。
「ユトランはどうする?」
「あ、私はルンルンお母……ホラーおねぇちゃんと買い物に……」
言い直して赤くなるユトラン。
自然と声が出たのだ。
ユトランは本能的にルンルンを母親と感じている。
その言葉を聞いて感情が爆発するルンルン!
元々獣人族は母性や父性が強めである。
まぁそれよりも先に、ルンルンはバンブやユトランと一緒に寝ていると、この二人から段々と子供の匂いがしてくるのを楽しみにしていたのだ。
(私は慕われている、この二人、無意識に私を母親だと思っている)
獣人族は臭覚がズバ抜けているのだ。
口にこそ出さないが、体臭はウソをつかない。
獣人族の前ではウソ偽りは通用しないのだ。
改めてユトランの口から『お母さん』と聞くと、もう感情が抑えきれなくなる!
ルンルンは知っている。
この二人は、母親や父親の愛情に飢えているのだ。
「買い物?」
「そうだよ、バン様、臨時収入があったろ?あれでユトさまの服やら下着とか揃えたい」
下着と聞いて赤くなるバンブとユトラン。
「ちゃんとしたサイズのモノを買ってあげたいんだ、いいだろ?バン様?」
ちゃんとしたサイズが何かよく分からないバンブだが、取敢えず返事をする。
「いいよ、ルンルン、ユトラン、行っておいで!」
「ありがとう、バンお兄ちゃん!行こうホラーおねぇちゃん!」
ニコニコで東区の商店街へ向うユトランとルンルン。
そこには、ブンドル騎士団とクライマーズ48のリーダーが静かに待っていた。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




