第五十話 5日目・ドリオンの塔 それぞれの考え
今晩は。
投稿です。
「カビくせぇなぁ、ホントに大丈夫なんだろうなぁ?」
とんでもなく心配なデテイ。
それもそのはず、誰も知らない階段だし、使っていた形跡もまったくない。
……むっほむっほ……
……愚か者……
「あんだと?ごらぁ?」
「デテイさん、小さなおじさん達と争っても、いいことなんて一つもないよ」
……そうじゃ、そうじゃ……
「あ?疑問を口にすることは、いいことだ。三大ギルドのギルマスの一人として、俺は散々失敗している」
……むっほ?……
「権力を前に、言いたいことが言えなかった」
……ほう……
……情けないのう……
「今は言えるぜ、最大派閥を誰かが潰したからな。それもまた俺としては情けないことだ。潰れるまで何も言えなかった」
「ふーん」
「これを機に変わろうと思ってな、疑問は口にする。どうだ?」
「いいと思います、パンプキンパンプキンどうしよう?パンプキンパンプキン一人怖がっている」
……むっほ、斧よ怖がることはない、ここに塔の魔物は侵入できない……
……逆に塔の魔物が怖がってここには近づかない……
「なんでだ?」
実はここがデテイの知りたかったことだ。
この階段の目的だ。なんのために『これ』があるんだ?
……これは塔の管理者とドリオンの塔制覇者用の階段じゃ……
「!!!!!!!!!!!!!」
((管理者がいるのか!?))
恐怖を感じ始めるデテイとガクオン。
……あとは秘密じゃ……
……むっほ、むっほ……
「バンお兄ちゃん、知っていたの?」
「……まぁね、ラインハトルの書に記してあった」
「そうよねぇ、この階段とか……他にも色々知っていそうなんだけど?」
「……秘密じゃ」
小さなおじさん達の声マネをするバンブ。
「ふふっ」
なんだか楽しいユトラン。
狭い階段を上りながらバンブが尋ねる。
気になっていたことだ。
「これからバトルだけど、ガクオンさん、いつでも本気、全力じゃないの?」
「おいおい、そんな戦い方していたら身が持たないぜ?」
「そうかな?むしろそっちの方が、身が持たないのでは?ユトランはどう思う?」
手抜きで相手を倒す、慢心ではないのか?
そう、バンブが一番聞きたかったのはユトランの考え。
しかしデテイが口を挟んだ。
「48は真面目に戦うだろう、ゴブリンに祈りを捧げるような者だからな」
「……ユトランは暴力、嫌い。でも生き残りるためなら……借金返済のためなら全力で塔に登るよ」
もしかして、イヤなことをユトランに強制している?
バンブは反省と同時に、責任の重さを感じ始める。
ユトランはバンブに委ねているのだ。
実際、塔に登り始めて実感する。
頭では分かっていても、目の前で動きユトランと生死を伴にすると、感じ方が全然違う。
「おい、階段が途中で終っているぞ?先に進めないのでは?まだ3階分くらいでは?」
後から声を掛けるデテイ。
「ここが49階、エリアボスの広間さ」
「あ?おいおい、バカ言うな!まだ50段も登っていないぞ?」
「だから隠し通路、チート階段だよ」
「どんな構造なんだ!?」
「知らないよ」
知ろうとも思わない、あるから利用するのだ。
構造を知ってどうする?それより進むのが先だ!
「おい、先に階段がない!ここまでしか使えないのか?」
「あのね、このシステムはメンバーの誰かが登った最高階まで直通で行けるんだ」
「!?」
「ユトランが49階のエリアボスと戦っているから、ここまで来れるということ」
「誰が判断している?48がここまで来たことを!なぜ知っている?48のことを!」
「さぁ?理屈なんて意味無いよガクオンさん、考えるより動くことの方が大事だと想うけど」
「考えずに動いたらそれこそ無謀だろう!」
「そうかな?」
「待てガクオン、これは初めて聞くシステムだな、まぁこの階段も初めてだが」
「僕だって初めて使うシステムだよ、それに初めて登るオリオンの塔だし」
「このショートカット階段、誰でも使えるのか?」
ギルマスとしては、非常に興味あるというか、とんでもなく大事な階段である。
「特定の者しか使えないよ」
「その魔槍か?」
「ふふっ、ないしょ秘密だよ。ドアを開けたら即バトルだ、まずは作戦会議、いい?」
「うん!」
ユトラン以外は静かに頷いた。
次回サブタイトルは 第五一話 5日目・ドリオンの塔 バトル開始! です。
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