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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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49/72

第四七話 5日目・ドリオンの塔 2階にて     

今晩は。

投稿です。


「次は3階の階段ですか?」

「そうだが、ゴブリンは回収するか?」

「しなかったらどうなるんです?」

「放置しておくと、塔に飲み込まれる」

「え?」

「あ、表現が悪かったか、塔に吸い込まれるように消えていく」

「……それって本当にゴブリンなのですか?」

「見た目はゴブリンだ。マジックポーチに吸い込まれ、ギルド本部で受け取るときもゴブリンだ」

「でも、塔内で死体は残らないのですね?」

「そうだ。何故だか分からんし、だれも調べない」

「ギルマス、先急ぎましょう、3階は7番が近いかな?」

「ん?7番付近で交戦中か?」


 赤い点と緑の点が対峙している。


「誰か分かるか?」


 ……道具屋が素材集めに登っています、クライマーズ3です……


「初心者?」


 ……はい……


「デテイさん!今のは?」

「ああ、これは指輪を通してギルド本部と話しが出来るんだ」

「凄いですね、念話の一種ですか?」

「多分な、これもポーチ同様一つの石から二以上のリングを作ると、塔内外で会話できるんだ、な?ギルドのフォローは大事だろ?」

「……これも昔から?」

「ああ、だがこれは数百年前に偶然見つけた技術らしいぞ」

「ギルマス、助けますか?」

「そうだな、ガクオン……バンブ、少し時間いいかな?」

「助けに行くんですか?」

「ああ、俺の所のギルドメンバーだしな」

「他のパーティーも見たいですね、行きましょう!」


 昇降口7番の途中、ゴブリンの死体が3つあった。


「どうする?バンブ?」

「回収します、奪った命です最後まで責任を」

「……だよね、バンお兄ちゃん」


 ユトランは小さな声で何か呟いた。

 そしてポーチの口を開くと、ヒュン!と3体のゴブリンが吸い込まれていった。


(……どこかで見たことあるぞ、この光景……)


 なにかが繋がるバンブ。


(ああ、ミミッコだ、ミミッコの吸い込む現象にそっくりだ)


「48、なにを呟いたのだ?」


 ガクオンが尋ねる。


「え?ゴブリンにもゴブリンなりの事情があるのかなぁと」

「それで?」

「ユトラン、本当はバトル嫌いなんです、ですから力及ばず負けた者よ安らかれ、と」

「ほう、次は48かもしれないぞ?倒されるのが」

「そうですね、その時はユトラン、どう思うのかな?恨むのかな?呪うのかな?」


 ここでギルマスのデテイが口を挟む。


「お優しいことで、さぁ見えてきたぞ道具屋3人とゴブリン7匹だ!」

「囲まれているな、バンブは48の護衛を、俺とギルマスで先制する!48!援護を!」

そう言い残し、3匹のゴブリンを瞬殺するガクオン!


 ……え?ギルマス!?……

 ……た、助かったぁ……

 ……なんでギルマスが!?……


 ギルマスは2匹のゴブリンに深手を負わせ、道具屋の3人がトドメを刺す!


「残り2匹か」


 バンブが魔槍を構える!それに気づくゴブリン。

 が、バンブとユトランを見た瞬間、ゴブリンが態度を変えた。

 大量のよだれを垂れ流し、爪と牙がグングンと伸び始める!


「あ、こいつらアブゴブリンだ!」

「なんです?アブゴブリンって?」

「アブノーマル・ゴブリン、子どもや女の子の好んで食べるド変態ゴブリンさ」

「……ユトラン、お祈りやめたら?」

「……バンお兄ちゃん、だからねユトランバトル嫌いなの!」


 が、どういうワケか、アブゴブリンの視線はユトランではなくバンブである。


「え?僕の方なの!?」


 シュッ!

 ブゥン!


 魔槍が唸るとアブゴブリンは斬られ、貫かれ、燃え尽き灰になった。

 燃え残った爪と牙はマジックポーチに吸い込まれていく。


「おい!道具屋3人っ!」


 怒号のギルマスデテイ。


 ……はい……


「逃げるのも選択肢の一つだ!」


 ……はい……


「お前ら死んでたぞ!」


 ……あ、誤射の白魔道士48だ……


「人の話を聞けっ!お前らはその48のパーティーに助けられたんだ!」


 ……頼んでねぇし……

 ……せっかくの獲物、横取りされたな……


「おい、きさまら、助かった、とか言ってただろ!」


 ガクオンが凄む。


 ……酒に溺れた騎士団崩れが説教か……

 ……はいはい、助けていただき、ありがとうございましたぁ……

 ……行くぞ……


「さて我々も次に行くか」

「デテイさん、これでいいの?」


 バンブが尋ねる。あいつら次は確実に死にますよ、という言葉はグッと抑える。


「こんなもんだろ、まぁ次はないな」


 3階への階段を上りながら、悲しそうにデテイは呟いた。


次回サブタイトルは 第四八話 5日目・ドリオンの塔 3階にて の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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