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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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48/70

第四七話 5日目・ドリオンの塔1F      

今晩は。

投稿です。



「弓はどうだい?ユトラン?」

「もう少し強くてもいいけど」

「ほぅ?以外と腕力あるんだな?」

「ふふっ」


 むんっと力こぶ、上腕二頭筋を見せるユトラン。


「どう?バンお兄ちゃん?背筋も凄いんだよ!」


 チラリと見えたユトランの脇。


「ふ、ふーん」


 慌てて目を逸らすバンブ。


「どうしたの?」

「い、いや、だいぶ鍛えているんだね?」

「うんっ!」


 進み出すデテイ。そして目の前に迫る無数にあるドア。

 金属もあれば木製もあり、大きいのもあれば小さいのもある。

 今回は門番に止められなかった。それどころか丁寧な案内である。


「……」

「どうしたバンブ?」


 デテイが尋ねる。


「いや、前回いた門番さんがいないなぁと」

「ああ、門番は交代制だからな、いつも同じ者を立たせると、色々とマズい」

「?」

「顔馴染みになりすぎると、こっそり通したりするからな。さて1階だ!」


 粗末なドアを開けると、バンブは固まった。

 途轍もなく広いフロア!

 外よりも明るい?

 数百人の戦士達が走り回っているのだ!

 塔の外より人数か多く、とんでもなく騒がしい!


「……デテイさん……」

「なんだ?」

「これ、前に進めるの?」

「騒がしいのは1階だけだ、はぐれるなよ?」


 そこには怪我人、パーティーの再編、これから挑む者、帰ってくる者、泣き叫ぶ者もいれば大笑いする者もいる。


(ああ、ここは欲望のたまり場なんだ……ん?)


 それは不思議な感覚だった。


「分かる?バンお兄ちゃん?」

「ああ、これがマップか?」


 『それ』に意識を向けると、周囲の状況が分かるのだ。


「俺達は脳内マップと呼んでいる、意識はブレないか?時々気分が悪くなるヤツがいるが」


 ガクオンがバンブをチラ見する。


「大丈夫です」

「そうか、なら2階への階段、分かるか?」

「わぁ、幾つもあるんですね」

「そうだ、階段は無数にある、ギルマス今回はどの階段で?」

「3番階段が少ない、3番から登ろう、それからバンブ、道具の使い方は登りながら教える、いいか?」

「実戦形式ですか?」

「そうだ」


 バンブが目でサインを送る。


(なに?バンお兄ちゃん?)

(これ、水筒)

(え?)

(湧き水が入っている)

(わぁ用意いいんだ!でも5階までなら水筒はいらないよ)

(ユトラン、目指すは49階だ)

(え!?)

(ユトランの誤解を解く、あのギルマスの目の前で)

(そ、それじゃ装備が!?食べ物だって!)

(まぁ見てなよ!)

(そ、そんなぁ事前に話してよぉ!その……あの……ト、トイレだって……着替えとか……色々と……)


 2階に上がると、雰囲気は一変した。


 まず、闇である。

 灯りがない。そして示されるマップ上の赤い点。


「赤い点が塔内モンスター、青い点が俺達。緑は他のクライマーズだ。基本先頭の者が灯りを灯すことになっている」


 周囲が明るくなる!


「広いフロアだね」


 周囲を観察するバンブ。


「ああ、さっそくいたぞ!ゴブリンだ!」


 赤い点が3つ、前方だ。

 バンブには見えないが先頭のデテイには見えるようだ。


「48、矢を!ガクオン!」

「分かった!48、俺には当てるなよ?」


「……はい」


 そう、ユトランは信用されていないのだ。

 リーダーの脚を射抜いた白魔道士。

 バンブはそれが気に入らない。


 シュン!


 擦れる金属音!剣を構えるガクオン!


「48、いつでもいいぜ!」


 ヒュン!闇に向け、ユトランが矢を放つ!


 ……ギャウッ!?……


 悲鳴が聞こえると、赤い点は消えた。


「え?赤い点、消えたよ」


「「……」」


 沈黙するデテイとガクオン。


「ユトラン、どうしたの?」

「え?一矢で3匹仕留めたんだけど」

「!?」


 驚くバンブ。

 とんでもない才能である。

 傭兵仲間でも、こんなアーチャーはいない。


「デテイさん、これってクライマーズの日常ですか?」

「日常なわけがない!なんでこれ程の者が誤射するんだ!?」

「ギルマス、答えは簡単では?」

「なんだよ、ガクオン?」

「誤射ではなかった」

「誤射じゃないなら故意か?それこそ状況が分からん!先に行くぞ!」

「結論としてはさすがはクライマーズ48ってことか?俺に当たる心配はなさそうだ」


 ガクオンは抜いた剣をカチリ、と鞘に収める。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第四七話 5日目・ドリオンの塔 2階にて です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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