第四〇話 5日目・塔攻略ステップ4
今晩は。
今回は短いです。
「でもこの屋敷は隅々まで調べたでしょう?ルンルンもロボウも」
「「……」」 二人は沈黙して、何も語らない。いや語れないのだ。
「……バンお兄ちゃん、すごい世界に住んでいるんだね。ユトラン怖いよ、モグモグ」
「そう、僕が今いるこの世界は、利用価値だけで相手を決める世界なんだよ」
「お前だってそうだろう?バン?ユトちゃんを利用価値だけでパーティーに加えただろ?」
「そう見える?」
「ああ、この子がいなかったら、お前は塔の攻略はしなかったはずだ」
「まぁ僕を回復できる人物はいなかったからね、塔は僕にとって鬼門だ。でも僕は一方的な利用はしないよ。一時でも僕に安らぎをくれた人物を、こちらから見捨てることはない、大事にする。道具扱いなんてしない」
「我々が裏切らない限り、バンから裏切ることはないと?」
「これは僕の勝手な思いだから気にしなくていいよ。でもロックさんのセリフは気に入ったかな」
「セリフ?」
「あの一次資料を大事にされる方が燃やすとは思えん、というセリフさ。父上のこと、よく分かってるじゃん!そう、実は燃やしたのは写本でオリジナルは別にある」
「え?」
「どこにあるか知りたいでしょう?」
「……」
「オリオン・ドリオンの塔攻略に、力を貸してくれるんだったら教えてあげるよ」
「協力する、もうすでに、している!」
「おお、即答だね。オリジナル本のタイトルは『ラインハトルの塔』だよ」
「「「!!!!!!!!」」」
そのタイトルは、石化の呪文のごとく3人を固まらせた。
「隠してある場所は、簡単には行けない場所さ」
「おい、それってまさか……」
「そう、オリオン・ドリオンの塔のどこかさ。父上は一番安全な場所に隠した。僕が知っているのはここまでだよ」
(バンの父上はクライマーズ70、なら1階から70階までのどこかに?隠し部屋?これは貴重な、とんでもない情報だぞ!王に連絡を!それにタイトルが『ラインハトルの塔』だと!?)
全てはバン・チキンキャロットとユトラン・ニャンコが出会ってから始まった。
それまでの日々は、重く暗い日々であった。
呼吸しても息が詰まるような世界。
バンブもユトランも、ロック、ロボウ、ルンルン、皆モノクロかセピア色の世界に住んでいた。
だが今はどうだろう?
鮮やかな色!二人を中心に世界が大きく動き始めた。
次回サブタイトルは ホントはこれが1話、もしくは序章でした ―路地裏の少年と少女― の予定です。
番外篇ではないのですが、タイトルにもあるように、これが本来1話か序章にするつもりでした。
次回をお楽しみに。
今回短かった分、次回は結構長いお話しです。
3話か4話分?にはなりそうです。
毎回ご愛読ありがとうございます。




