第三九話 5日目・塔攻略ステップ3
今晩は。
投稿です。
「……ホント、お前何者なんだよ?……そうさ、こいつらは組み立てると高角砲になる」
「坊ちゃん、高角砲ですと!?そのような物が一体、何故ここに?」
「うん、それが聞きたいんだ。なぜ高角砲がここにあるんだい?ロックさん」
「バンお兄ちゃん、こうかくほうって?対空兵器?」
「この屋敷から、直接オリオン・ドリオンの塔を攻撃できる兵器だよ。精度は知らないけど、飛龍に当てることも可能では?」
「え?それじゃ援護できるじゃん!」
「そうなんだけどルンルン、これ勝手に組み立てて動かしていいのかなぁ、と」
「あ、そうだね、ここの品物みんな王さまの物って話しだし!でもなんで王さまがそんな物騒な武器持ってんだよ?」
「なんでだろうね?」
そう言ってロックを見るバンブとその場にいる全員。
「……こそっ、と使っちゃうか?バン様?」
「いや、これはこそっと使うには大きすぎるよ!それに使い方次第では塔が壊れないかな?」
「え!?そ、そんなに凄い武器なのかい?」
「ああ、塔の自己修復能力を上回りそうな砲身なんだよね……砲弾も気になるし……そこで話しが戻るんだけど、ロックさん、あなたの立ち位置はどこ?」
「……俺の立ち位置かぁ……モグモグ、あ、梅か」
「そう、ここでのお話し王都に筒抜けでしょう?少なくとも王さまにはお話ししているはず」
「筒抜けだよ……我が王はオリオン・ドリオンの塔を面白く思っていない」
「そうなの?でもオリオン・ドリオンの塔はこの国に莫大な利益をもたらしているけど?」
「無限に溢れるアイテム、確かに利益は凄まじい」
「それに、塔で鍛えられた戦士は一流の戦士だ、他国への抑止力にもなるよ」
「それはそうだが、一部のギルドが力を持ちすぎた。他国からの闇支援もあるし、王都の会議で発言力が増している。あいつら法律の改正まで通し始めた」
「ギルドを潰すの?」
「潰す?潰しただろ、バンが一つ」
「あれ?あのギルド潰れたの?昨日のことだよ?あ、鰹節だ!」
「潰してもまた同じことを始めるだろうな、人族の欲望は限りがない。権力闘争や争いが好きみたいだし……そこで王が俺に出したご命令は、オリオン・ドリオンの塔の調査と塔を破壊する力を手に入れろ、だ」
「!」
(まぁ無理だろうね、あの塔は今の人族では破壊できない。一部壊すことはできるけど、かえって塔の防衛機能が動き出すのでは?)
「バンブの見立てではこの高角砲で破壊できると?」
「一部だね、全部は無理だ」
「なぜ分かる?お父上の資料か?」
ユトラン以外の視線を、一斉に注目を浴びるバンブ。
ユトランはオニギリを睨んでいる。
「どれかしら……明太子……」
「一番右のヤツ、ノリに辛子がついていないか?」
「あ!?じゃこれかな?……やったぁ!バンお兄ちゃんありがとう!アタリだよ!」
「ふふっ、ロックさん資料が気になる?」
「……ああ、気になる」
「僕の知識は全て父上の資料だよ」
「ならその資料はどこにある?流出した資料にそんな資料はなかった。王都の情報局がフル活動して離散した資料を集めたんだ、漏れているとは思えん」
「ホント大人の世界ってイヤだね、集めるくらいだったら、最初から手を貸せばよかったのに!チキンキャロット家が大変なときには助けもしなかったくせに、大事な資料は全部、父上が燃やしたよ」
「なっ!?」
「僕はそれを覚えているだけ」
「……モグモグ」
オニギリを噛みしめ、ロックは考える。
(焼くか?資料を?バンのオヤジは立派な戦士で考古学者でもある。そんな人物が簡単に古代の資料を?)
「……いや、あるだろう?あの一次資料を大事にされる方が燃やすとは思えん」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第四〇話 5日目・塔攻略ステップ4 です。
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