第三八話 4日目・塔攻略ステップ2
今晩は。
投稿です。
日々暑いです、熱中症に注意ですね。
「他にも何か、隠しているな?」
「ふふっ、どうだろうねロックさん。傭兵は基本、手の内を明かさないよ」
「バン、それはクライマーズもゴーレムマスターもそうだぜ、俺のゴーレム技術、拡散や伝授するつもりはない。そんなことしたら仕事がなくなる」
「ロックさん、独占していると?」
「肝心な所は独占している。だからこの電車も俺が整備調整している。そして改造までできる!」
「手の内は明かさない……」
バンブはオニギリをバクバク食べているルンルンと、警戒を解かないロボウを見る。
「ロボウもルンルンも本家からの派遣だ。僕を守るように言われているはずだけど、本家の命令はそれだけかい?」
「「!」」
「責めたりしないよ、基本信用はしている、だから盾の技も見せた。ただ、本家の命令が優先順位1位だろ?これは仕方ないことさ」
「バンブ、何が言いたい?」
静かにロックが尋ねる。
「お互い手の内は明かさないってことさ。ドリオンの塔最上階には青い飛龍がいる、あいつを倒せば制覇だ。オリオンの塔制覇には青い飛龍が守っている武器が必須なんだ。協力してほしくてね」
「武器?それは言い伝えだろ?伝説だ」
「ロックさん、僕には確信がある。あそこには剣と弓と槍があるんだ」
「お父上の資料か?」
黙って頷くバンブ。
「ロボウ、ルンルン、協力いいかな?」
「それはもう、協力させてもらいますぞ」
ロボウが答える。
「あたいだって!惜しむつもりはないぜ!」
「ありがとう、それぞれの立ち位置をはっきりと知りたかったのさ」
「しかし坊ちゃん、塔の魔物は階数に比例すると言いますぞ?ドリオンの塔は198階、青い飛龍は昔から確認できておりましたが、レベルは198以上となりますぞ」
「バン様、倒せるのかい?あたいは塔に入れないし、登るのも多分無理だぜ?」
「倒せるよ、ブレスは僕の盾で無効だし、攻撃はユトランの本格詠唱で必ずダメージを与えることができる」
「しかし坊ちゃん、それだけでは……ドリオンの塔の上層部には、他に3匹の飛龍が飛び回って……それに塔表面には侵入者防止のトラップもあると聞きますぞ?」
数千年の塔攻略の経験上、人族は外壁を登るより、内部の階段を上った方が効率的、一番コストパフォーマンスが優れている、と答えを出しているのだ。
「バンブ様、塔を登って、モグモグ、飛龍3匹を撃破し、レベル200くらいの塔の主と戦う。勝てるのかい?ばくばく、ゴックン」
「だよね、でも魔槍もあるし、僕には……」
「ああ、召喚魔法か!」
「そう、で、ロックさん」
「おう、なんだ?モグモグ」
「ロックさんこそ何者なんだい?塔を登るため王さまの所有物を勝手に改造?それダメでは?それに僕に塔攻略を勧める根拠は?」
「……モグ……」
咀嚼が止まるロック。
さて、ロックの立ち位置は?
「ロックさん、ロックさんの立ち位置はどこだい?」
「俺の立ち位置かぁ……」
少々困り顔のロック。
その顔を見てバンブが、静かに整備中の3体のゴーレムを指さす。
「なんだ?俺のゴーレムがどうかしたか?」
「あの背中に繋がっている二本の大きいパイプ、周りと材質が違う」
「!!!!!!!!……高濃度の潤滑オイルを通しているから、材質が違うんだ!」
「それから、あそこの電車を固定している歯車、大きすぎだ」
次々に指を向け、説明を求めるバンブ。
機械に疎いルンルンとユトランは、何のことかまったく分からない。
「……それはしっかり固定しなければいけないからな」
「電車のフレームも大きすぎ。人を運ぶのにこんなに強靱なフレームはいらない」
「事故防止だよ、人命を守るためさ」
「じゃあれは?あのチェーンは?何を運ぶの?」
「ゴーレムの部品や電車の部品を運ぶのさ。一人での作業が多いからな、チェーンで移動する」
「ふーん、他にも色々と大きさや材質が合っていない物が沢山あるよね、これ、全部組み立てると、どうなる?」
「……何を言っている?」
これはユトランもルンルンも同じ意見である。
(バンお兄ちゃんは、何に気が付いたのだろう?)
「バン様、何が言いたいんだい?」
「高角砲だよね?対空兵器、この大きさからしてここから塔を狙える、違うかい?」
時計の針は0時を回り、静かに、でも確実に進んでいく。
次回サブタイトルは 第三九話 5日目・塔攻略ステップ3 です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




