第三七話 4日目・塔攻略ステップ1
今晩は。
投稿です。
「これで駆け登る?」
「そう、スパイク付きというか、ヌッコの爪みたいだろ、この車輪」
「……なんか凶悪だね」
「これを塔の表面に食い込ませ、登る!そしてクライマーズを最上階に送り込む!」
「……登れるの?」
「理論上は登れるが……」
「理論上?怖いねぇ」
そう言ったのはルンルン。
キャスター付きのテーブルを器用に押している。
テーブルの上には山のようなオニギリ群!
「どこが問題なんだい?ほい、オニギリ、いっぱい作ってきたぜ!」
「まず、登るスピードが遅い、これでは周囲を飛んでいるドラゴンに狙い撃ちだ、明太子いただきっ!」
「なんで遅いの?重さ?パワーが足りない?モグモグ」
電車は結構速い、制御次第では魔鹿並に走れるのだ。
バンブはフレームだけの電車を見ながら質問する。
「スピードアップには軽量化が必要だ、しかし登る力を上げるには、重いエンジンが必要」
「適正な速度が分かればいいのかな?いや、塔の頂上を目指すのだから、速ければ速いほどいいのかな?」
「そこでだ、お前の膨大な図書館的知識が欲しい、なんかいいアドバイスないか?」
「ドラゴンのブレス攻撃を回避出来としたら……時速50キロ以上かな、でも予測されればお終いだよ、ブレスは僕の魔法防御で、物理攻撃はユトランの物理防御で凌ぐ、どう?速さだけに特化していいよ」
「は?ユトちゃんの物理防御はお前みたいな絶対防御じゃないだろ?それにお前の魔法防御はバン本人固定じゃないのか?」
「僕達をドリオンの塔最上階に届けてもらえらばいいんだ、ユトランの物理防御が敗れる前に到着できればいい」
「魔法防御は?」
「実は、こういうことができるんだ」
バンブは右腕を伸ばした。
「なんだよ?それ?」
すると見たこともない文字のような絵のような、不思議な記号が手の先に現われる。
いや、体内から絞り出された感じだ!
記号は広がり、盾のようになった!
「「「「!?」」」」
驚くメンバー。
次々に現われる不思議な盾!
空中に浮いた文字の盾は、バンブの周りを飛び交う。
「僕の内側の魔力を外に出す感覚かな?それで周囲に絶対魔法防御を展開できる」
「……ぼ、坊ちゃん?これは……初めて見ましたぞ……」
「……あたいもだ」
「見せたのは初めてだよ、戦場では時々使っていたけど」
「バンお兄ちゃん、これは……バンお兄ちゃんの周りだったらどこでも絶対魔法防御できると?」
「そ」
「くぴっ!」
早速ユトランは、簡易高速詠唱で氷の矢を放つ!
改造電車に向って!
問答無用の攻撃である!
「なっ!?」
一瞬で真っ青になるロック!
「よっ!」
軽いかけ声と共に盾を展開させ、氷の矢を弾いてみせる!
キイイイイッン!
「どう?ユトラン?」
「バンお兄ちゃん、凄いっ!」
「これを改造電車に展開して包み込めば、魔法攻撃は全て無効だよ。どうしたの?ロックさん?」
「お前……その不思議な魔法陣?今、展開の時、詠唱したか?」
「これは魔法陣に見えるけど、僕の身体の一部みたいなんだ。だから詠唱は不要だよ」
「それは、無詠唱ってことか?」
「まぁそうなるね」
「バンブ、お前何者だ!?」
「僕?僕はユトランのお兄ちゃんで、チキンキャロット家の当主、ただの没落貴族だよ」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第三八話 4日目・塔攻略ステップ2 の予定です。
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