第三六話 4日目その夜
今晩は。
投稿です。
七夕です、晴れるといいな。
「本家のどちらの方が?まさか」
「当主ファントムがいたよ」
「ファントムさまが……お話しは……」
「勿論したさ。本家も、一部ギルドの暴走を気にしているようだ」
「気にしている?ということは、動くのですね?」
「3大ギルドのうち、二つは他国に繋がっているとか、まぁ僕には関係ないけど」
「坊ちゃんについて、何かお話しは?」
「僕?」
「……返済の期限は?」
「今まで通り来年の年末までだよ、それを過ぎると……」
「この屋敷は解体、チキンキャロット家は取り潰し、坊ちゃんは本家養子に……」
「養子のあと、王都に送られ公爵家へ婿入りだ、僕の体質を知ってのことだろう。どうしても僕の能力が欲しいようだね……ああ、大人の事情ってやだ!種馬なんか僕はヤダよ」
「ファントム様はなんと?」
「女抱き放題、いい生活じゃないか、って言ってたよ。貴族も王族も僕の指名は必ず通るらしい」
「当主の言葉とは思えませんな」
「それ程僕の血は貴重なんだろう、なんせ召喚士としは上限がないし、魔力無効、魔槍の使い手」
バンブは気に入らない。いや嫌悪している。
超絶召喚士と魔力無効の能力が分かると、本家、王都の王族、貴族は対応を変えた。
借金を肩代わりし、護衛をよこした。
それまでは放置、無視だったのだ。
「今は塔の攻略に専念したいな、もし王都に行って沢山の女の人と子作りして、生れた子どもが僕の能力を引き継がなかったら、どうなるのだろう?」
「!……そこまでお考えですか……」
「遺伝子操作で僕は作れない。遺伝子は魔力で操作できるけど、限度があるよね」
「はい、制限というか、限度があります。魔力で組み替えると反動が……」
「ルンルンはそれじゃないか?」
「!」
「本人には言っていないけど、ロックさんの話でピンときた」
「……」
「答えないんだねロボウ、皆僕を甘く見ていないか?まぁ実際甘いんだけど、知識は結構あるよ。なんせあのオヤジの蔵書、全部読んでいるからね、王都の禁書も他国の記録も」
「坊ちゃん、それ以上はお話しにならない方が……」
「そうだね、ただ本家が動くとなると……ブンドル騎士団と王都の陽炎騎士団が出てくる、二つのギルドは苦戦するだろうね」
「いえ、潰されますぞ……評価されればいいのですが……」
「評価?なんの?」
「クライマーズを苦しめる2大ギルド、きっかけを作ったのは坊ちゃんですぞ!その内一つはもう崩壊寸前、集会所は破壊し、襲撃者も返り討ち」
「ロボウ、目的はただ一つ、塔を制覇して借金返済。これ以上でもこれ以下でもないよ!」
「あひゃひゃひゃひゃ……ふぉふぉふぉ……」
「なんだよ?その笑い?笑うところか?」
「塔の制覇のあとは、ユトランさまと?」
「!?」
ボッ、と真っ赤になるバンブ。
「い、今は返済が一番っ!」
「注意して下され、もし、御子が生れれば取られますぞ!」
「……どこまでも汚い大人の世界だ。そんな大人にはなりたくないね」
そして見えてくる大きな建物。
中ではロックが電車を改造していた。
「ようチキンキャロット家の御当主殿、どうだいこれ」
「どうだいって?電車改造していいの?」
「おかえりなさい!バンお兄ちゃん!」
明るいユトランの声。
バンブは一時の安らぎを覚える。
「ただいま、ユトラン。ロックさん、これは?どんな目的なの?」
「バンの話しがヒントで閃いた!」
「なんの?」
「塔の攻略だよ、こいつで塔を駆け登る、どうだ?」
「え!?」
「それで皆の意見が聞きたい、ロボウさん、ルンルン呼んでくれ」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第三七話 塔攻略ステップ1 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




