第三二話 下調べの2日目 塔へ
今晩は。
投稿です。
今日は小雨でした。
(い、いつから起きていたの!?)
ピクン!とルンルンの前身が動いた!
「ん?ほわあああああっ!」
大きく伸びをするルンルン。
「おはようございます、バン様、ユトさま!」
「お、おはようルンルン、ユトラン……」
「お、おはようございますルンルン、バンお兄ちゃん……」
「ん?あ、丸出しじゃねーか!」
慌てて上着を下げるルンルン。
ぶるんぶるん、と6つの山が見えなくなる。
「……もしかして、横のお二人さん……」
「え゛?」
「上げた?もう、好奇心の塊なんだからぁ!」
「下げてたんだよ!」
慌てるバンブ。
一方、真っ赤になって小さくなるユトラン。
「……あげてません……」
消え入りそうな、とても小さな声で「……そんなことしません……」と呟く。
「……」
「なんだい?バン様?」
「いや、ソファーベッドで寝ていたよね?」
「え?そうだったかい?バンさま今日はお出かけか?」
「ああ、塔の下見とギルドの見学。いい?ユトラン?」
「はい、バンお兄ちゃん!」
「で、僕のベッドで……」
「さぁ、朝ご飯!お顔洗って着替えたら、厨房集合!」
「はい、ホラーお姉ちゃん!」
「朝ご飯は朝粥と梅干し!それと味噌スープだよ!
「いや、だから……」
目をキラキラさせて付いてくユトラン。
どうやら朝粥という食べ物に、惹かれたようである。
ぱたん。
ドアは後ろ手に閉められる。
「……まぁ、ベッドの方がフワフワだし、寝心地いいし……?」
(なんだろう?この匂い?)
ベッドに甘い優しい香りが残っている。
「え?僕からも……同じ匂いが?」
バターン、と突然開くドア。
「わっ!?」
飛び上がるバンブ!
「失礼、バン様!」
いつ着替えたのか、メイド装備のルンルンが手早くシーツを抜き取り、毛布を丸める。
「お洗濯いたしますね、それからシャワーを必ずお使いください!」
「も、もう着替えたの?」
マジック!?
早変わりの手品か!?
「ふふっ、ご飯の用意も出来ています、お早いお越しを」
一瞬の出来事である。
「……獣人族は反射神経やら伝達が凄いと言うけど、まさにだなぁ」
トイレにシャワーその後、賑やかな朝ご飯タイム。
バンブは皆の顔を見る。
(充実している、それに、にこやかだ!)
「あの、ロックさんは?」
ユトランが不在のロックについて尋ねる。
「ロックは朝早いよ、もうご飯食べて出勤しているよ、電車は朝夕忙しいんだ」
「そうなんだ……それでいつ出発するの?バンお兄ちゃん」
「ご飯食べて、用意が出来たらすぐだよ!ロボウ、昨夜はお疲れ様、塔に向う」
「ギルドに入られますか?」
「お金が無いよ、まずは下見だ」
「ではお気を付けていってらっしゃいませ」
「ユトラン、いいね?」
「はい!」
さて、二人は意気揚々と塔へ向う。
電車に乗ったが車掌はロックではなく、別の人物だった。
色々なことを話しながら塔に向うバンブとユトラン。
「バンお兄ちゃん、多分塔には登れないよ」
「ギルドに入っていないから?」
無言で頷くユトラン。
「おかしいよな、でもそれが当り前の世界なんだ。誰も疑問にも思わないんだ」
「……でも、ギルドのサポートは大事だよ」
「ギルドを否定はしていないよ、きっと役に立っている。そうでなければ続いていないはず」
「……うん」
「でも、クライマーズを縛りすぎだと思う、お金で縛って、敬意を感じられない」
塔の前までやって来た二人だが、入り口で止められる。
「塔管理のギルドに入らないと、ここは通せない」
次々に塔に飲み込まれていく戦士達。
皆フル装備で、軽装の者は一人もいない。
「そういう決まりだからですか?」
「そうだ」
応えているのは屈強な戦士。
左右の腰に、一振りづつ剣を下げている。
(強いな、さすが門番、ゲートキーパーってところか)
そのような戦士が10名程、塔の入り口付近に展開している。
「……そこのクライマーズ48も登れないぜ」
「え?」
「!?」
「そいつはギルドの管理名簿から抹消されている。再登録には塔の三大ギルドの承認が必要だ」
「なんです、それ?」
少し怒りの声になるバンブ。
「クライマーズ48は稼ぎ頭だったのさ。それを潰した張本人、簡単には登れないぜ」
「制裁の意味もあると?」
(今まで散々搾取しておいて?今度は制裁だと?)
「俺の口からは何とも言えんよ、言えるとしたら、48抜けられてよかったな、再登録ガンバレよ」
遠方より怒鳴り声が響いてくる。
「おい!そこ!何を話している!私語は慎め!」
怒鳴り返す双剣の戦士!
「若者へのアドバイスだ!少しくらいいいだろう!」
「ケッ、無駄口叩くんじゃねぇ!」
「……どうしたの?バンお兄ちゃん?」
バンブは大地から塔を見上げる。
「……デカいなぁ」
ランダムに迫り出ている外壁、上空には飛龍が舞っている。
「外壁を駆け登ろうにも、これじゃ無理かな」
バンブの独り言に応えたのは双剣の戦士だ。
「何人かいたらしいぜ」
「!」
「だけどよ、あの返しと飛龍に悉くやられたそうだ。外壁は俺が知っている限り、20階くらいでアウトだ。各階を地道に登った方が金にもなると皆、判断している。足場滑らせたら終わりだからな」
「……いろいろお話しありがとうございます。僕は……」
「SSSのバンブだろ?傭兵の」
「!」
「塔管理の前は俺も傭兵だった。あんたと組んだことは無いけど話しは聞いているぜ、俺はビィビィ・ダン、好きなように呼んでくれ」
「貴重な話しありがとう、BB」
軽く手を振るBB。
「ユトラン、ギルドも見てみたい、案内、いい?」
「ええ、バンお兄ちゃん、こっちよ!」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です。
7月前半はバイトのシフトが密で、投稿に影響が出るかも知れません。
毎回ご愛読ありがとうございます。




