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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第二五話 皆でご飯      

今晩は。

投稿です。

外は雨が続いていて、怖いです。


 手に石鹸の泡を山のように乗せ、身体を優しく洗うユトラン。


「いい香りです、こんな石鹸初めてです」

「だろ?これ、あたいが作ったんだぜ」

「えええっ!?」

「お庭の花(薔薇です)を使って作ったんだ」

「す、凄いです!……」

「ん?」

「先程のお話ですが……」

「……」

「ユトランはバンお兄ちゃんに命を救われました。本当は酷い目に遭って死ぬはずでした」


 ざばーっと石鹸を流すユトラン。


「!」

「バンお兄ちゃんは恩人です。それにこんな綺麗なお風呂や石鹸、住むところまで……ロボウさんやルンルンさんとも巡り会えました。今日の朝、オリオン・ドリオンの塔で目覚めて、その夜はお城のお風呂に入っています」


 しずしずと巨大な湯船に沈んでいくユトランの眩しい脚。


「城?小さな屋敷だぜ?」

「ユトランにとっては大きなお城です!……うう、やっぱり温泉は最高ですぅ……」

「んじゃ、バン様は王子さまってところか?」

「……そうですね、ユトランを救い出してくれた王子さまです……今度はユトランの番です、出来ることを全力でします」

「結果、塔攻略に成功して、一瞬でフラれても?」

「はい、かまいません。悔しくて悲しくて大泣きするかもですけど、バンお兄ちゃんの夢ならオリオン・ドリオンの塔の攻略、お付合いします……たぶん、それはユトランのためにもなると思います」


 喋りながら、湯船から上がり、脱衣所へ向う二人。


「……自分のためにもなるかぁ……」

「はい……それに」

「それに?」

「ユトランは北区、ダウンタウンの生まれです、こんな大きなお城の貴族さまと結ばれるとは思えません」


 二人は綺麗に身体を拭き上げ、着衣し始める。


「あ!?」

「どうした?」

「……ストライプです」

「ストライプ、イヤかい?色違いで、あたいとお揃いだけど?」

「…いえ、イヤじゃありません」

「生れた場所とかバン様は気にしないと思うけど……相応しくないと?あ、髪、乾かしてやるよ!」

「あ、ありがとうございます……バンお兄ちゃんとは、世界が違いすぎます」

「それでも夢に付き合うと?」

「はい」


(ああ、こいつは本気でバン様が好きなんだな……合格かな、匂いも変わったし)


 そう、獣人族は匂いで判断する。

 どんなずる賢く非道な人族でも、匂いは隠せない。

 虚言は独特の匂いが漂うのだ。


(真摯ないい匂いだ、信じるに足る白魔道士、合格だな)


「あ、夢で終らせるつもりはありませんから」

「おお、いい返事だ……お?時間が?急ぐか、ご飯の用意がある」

「手伝います!」

「……」

「どうかされましたか?」

「ユトランさまは不思議だな」

「え?」

「今日出会ったのに、なんだか昔から知ってるみたいだぜ」

「そ、そうなのですか?」

「ああ、前世は親友か姉妹、もしかしたら母娘だったのかもな」


 言葉にしてみると、なぜかしっくりくるルンルン。


「ええっ!?」

「あんだよ?あたいとの繋がり、イヤなのか?」

「いや、ユトラン、前世とか生まれ変わりとか、信じない方なので」

「え?そうなのかい?」

「はい、でも、もしそうならステキですね、ホラーお姉ちゃん」

「えっ!?」


 ルンルンは見た。


「あ!」


 ユトランの肩に乗っている小さなお姉さん妖精を。


「ご、ごめんなさい、イヤでしたか?でも妖精さんが……」

「……フ、フン、ま、まあいい、それよりご飯だ!」


 また一人、魂を撃ち抜かれた者が増えた。


 厨房に向う二人。

 そこには、大量のオニギリが制作中であった。


「さぁ、みんなでご飯ですぞ、あと少しで出来ますぞ!」

「え?バン様とロボウが作ったのか!?」

「ああ、そうだよ!」


 オニギリパーティーの始まりである。


 今回はここまでです。

次回サブタイトル、投稿は未定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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