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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第二四話 ホラー・ルンルン     

今晩は。

間に合いました。

投稿です。


 脱衣室のドアが開くと、全身真っ赤なバンブが出てくる。


「おや?今日はお早いですな?湯あたりですか?」

「……いや、会話がちょっと……」

「会話?」

「ぼ、僕には刺激が強すぎるよ……」


 じっ、とバンブ坊ちゃんを見るロボウ。


「……覗かれましたかな?」

「覗いてないよ!」

「え?なぜ?」

「は?ナゼって、覗いちゃダメだろ!?」


 それは犯罪です。


「はて、坊ちゃんのお年頃でしたらそりゃもう、女性に関して好奇心の塊では?」


 否定できないバンブ。


「妹とお付きのメイドの入浴、最高のシチュエーションではないですか?それに坊ちゃんは魔力無効の持ち主、()()()()()()()()()()()をお持ちです、()()()()()()()()()()使()()()稀な存在」

「それはナイショだろ?」

「魔力に頼りっきりのこの世界、どこへでも侵入出来ますぞ?魔力的に、相手に絶対に気づかれません」

「……ロボウ?変な噂、立てないでね?」

「はて?」

「ストーカーとか覗きとか僕はイヤだよ、ユトランやルンルンに嫌われるだろ」


 しかしリフレインする先程の会話。

 神獣さまみたい、神獣さまみたい、神獣さまみたい……。

 途轍もない想像力で妄想が膨らむバンブ。


 え?ルンルンが神獣!?

 あのルンルンが?

 どの辺かどう神獣さまなのだろう?


 結構デカい、結構デカい、結構デカい……。


 どこがデカい?

 そりゃ……。


 ヒップの位置も高いし、ヒップの位置も高いし、ヒップの位置……


 え?ヒップ?お尻の位置が高いって??

 どう言うこと?

 お尻が上を向いているの!?

 いや違うだろ?

 ぽよん、としたユトランの後ろ姿を思い出すバンブ。

 ヒップの位置って何?


 思春期の春期発動で妄想が暴走するバンブ。

 その瞬間!


 ブッ!


「ぼ、坊ちゃん!?」


 豪快に吹き出す鼻血!

 ちょうどその時、湯船でニヤけるルンルン。


「どうしたのですか?ルンルンさん?」

「いや、ちょっとイジリ過ぎたかな?」

「え?何をいじったのです?」

「獣人族って魔力に関係なく耳がいいんだ」

「?」

「なぁユトラン様、もう付き合っちゃいなよ!」

「えええっ!?」

「塔の攻略なんて、いつになるかわからないぜ?」

「で、ですが」

「何なら、バンさまとユトランさま、部屋に1週間ほど閉じ込めれば、春頃には可愛い赤ちゃんが……どう?」

「ど、ど、どうって!?だ、ダメですよ!バンお兄ちゃんは責任感が強いんですっ!」

「なんだそりゃ?」

「塔で倒れた時のことを考えているんです」

「ユトランさまだけが残った場合か?」

「そうです、ユトランに自分の借金を払わせるわけにはいかないと、それに傭兵のお仕事もあります」

「でも覚悟はあるんだろ?どうだい?ユトランさま?」

「……それは……」

「借金なんかで、気持ちは抑えられるのか?」


 じっと眼を見るルンルン。


 バンブ・チキンキャロットは大事なご主人さまだ、ルンルンは母親の代からバンブに使えている。

 母親の気持ち、感情が魔力的に伝わっているのだ。


(バン様はあたいにとって弟でもある。かぁーちゃんはあたいとバン様を同じように愛情を注いで育てた。その感情があたいにも伝わっている。ユトランさまがバン様を脅かす存在だったら、ここで消えてもらう!返答いかにっ!)


 ニッコリ微笑んで返事を待つホラー・ルンルン。

 ユトランは知らない。

 バンブの父親は塔の研究者、オリオン・ドリオンの塔70階を騎士団と共に制覇し、記録を残し古文書を収集しそのナゾの多くを解き明かしているのだ。


 その資料を狙う者が今だ絶えない。

 全て売り払われ、何もない研究室。

 それでも時折やって来る刺客のような者達。


 ロボウは、ユトランはシロだ、と判断した。悪意もなければ、刺客でもない。

 しかしルンルンは違った。

 バンブや小さな妖精達が認めた女性でも、母親から受け継いだ感情に反する者は許さない。


 それがたとえ、バンブが認めた女性であってもだ。

 バンブの未来を守らなければいけない。


 生れた子どもがバンブの能力を引き継いだ場合、利用される恐れがある。

 たとえバンブに恨まれ、手討ちにされようと、この意思は変わらない。


 ルンルンは静かに返事を待つ。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第二五話 皆でご飯 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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