第二三話 取敢えず、お風呂
今晩は。
投稿です。
「で?精霊の囁きで、お兄ちゃんと呼んでいると?」
軽く掃除を終らせ、ユトランを温泉へ招待するルンルン。
「……はい」
赤くなり、下を向くユトラン。
「おお、いいねぇ、バン様ってさぁ妹か弟、切望していたしなぁ」
「そうなのですか?」
ジロジロとユトランを見るルンルン。
「……あの……なにか……?」
ユトランの耳元で囁くルンルン。
「……ボソボソ……どう?」
「……合ってます」
どうやらサイズのようである。
「んじゃ、このサイズのワンピでいいな。これ7号、Sサイズだ、下着は新品が脱衣室の棚にあるからよ、好きなの使っていいぜ。あ、タオルも!服は洗濯していいか?」
「え?よ、汚れていますし……」
「そりゃ汚れるだろ?あんだい?洗濯気にしているのか?あたいの仕事だよ!」
「そ、それでも……」
「取敢えず、お風呂どうぞ!ああ、ここだよ温泉。混浴じゃないから安心しな、隣が男性用だ。ちょっと広いかもだけど。あたいはここで待ってるから」
「え?」
「決まりなんだ、ご婦人の護衛?危険はないけどこの屋敷の決まりさ。なんかあったら呼びな。まぁバンブ様もロボウも覗かないと思うけど」
「ええっ!?」
(バンお兄ちゃんが……)
そこにやって来るバンブとロボウ。
バンブは部屋着である。
「お風呂上がったらご飯だよ、あ、ルンルン、ロボウ、タマネギと炭酸は控えめに」
「あんだい?それ?」
「ユトランが苦手なんだ」
(……皆の前で恥ずかしいけど、嬉しい……ちゃんと覚えてくれてた……)
「好き嫌い無くさないと、バランス悪くなるぜ」
「ルンルンは肉しか食べないじゃないか!」
抗議するバンブ。
「あたいは人狼族!そういう種族なんだよ!まぁちょっとは野菜も食べないと、いけないけどさぁ」
バンブは軽くユトランに手を振ると、やけにデカいドアを開け、脱衣所に消える。
ユトランもそれい倣い、脱衣所に入ったが、すぐに出てきた。
「どしたん?ユトラン様?」
「ひ、広すぎです!こ、こわいです!」
「え?怖い?風呂だぞ?」
「お。落ち着きません!」
「そうかぁ?」
風呂が怖いとは変なヤツだなぁ、とか思うルンルン。
「そ、それにお風呂、天井が繋がってます!」
「天井だけだろ?なんでもロボウの国の『銭湯』とか言うのがモデルらしいぜ」
「せんとう?……あ、あのう……ルンルンさん……」
「あんだい?」
「一緒に入ってもらえませんか?」
悲しそうな眼で見上げる白魔道士ユトラン。
その目は、保護欲高めの獣人族の心に、充分に届いた。
「え!?いいのかよ?」
「え?いいですけど、何か問題でも?」
「あたいら獣人族は人族とプロポーションが違うんだ。オスもメスもオッパイ6つあるし、尻尾もある。それに結構抜け毛もあるし、人族の中には嫌うヤツだって少なくないんだぜ?」
「気にしません、お願いします」
「まぁ一緒のお風呂だったら護衛にもなるかぁ、いいぜ」
脱衣して改めてお風呂を眺めるユトラン。
14m×14m、中央には凝ったオブジェがドーンと居座っている。
「隣も同じ大きさかしら?」
これは維持費が大変では?
どう見ても家がデカすぎなのだ!
「隣の男湯も同じ大きさだぜ」
そう言って入ってくるルンルン。
「!?」
「あ、やっぱ気になる?」
「……い、いえ……その……」
その容姿は明らかに人族とは違う。
が、人と狼が入り交じったその姿はある種の感銘をユトランに与えた。
頬が赤くなるのは、温泉の湯気のせいだけではない。
「き、綺麗……です……神話に出てくる神獣さまみたい……」
見たこともない神獣だが、ルンルンのマッパの姿、フルヌードはユトランに神獣を思わせた。
「え?言い過ぎだよ、ユトラン様!」
へへっ、とか言ってまんざらでもないルンルン。
「ユトランさまも結構デカいじゃん!身体はちっこいけど、バランスがいい」
「え!?あ、あまり見ないでくださいっ!」
「ヒップの位置も高いし、何?鍛えているの?」
「ゆ、弓を少々」
「他にも何かしているだろ?」
その会話を湯船に浸かって聞いているバンブ。
(……え?この会話、俺、聞いていていいの?)
ユトランさまも結構でデカいじゃん……。
ヒップの位置も高い……。
ルンルンの言葉がバンブの脳内でエコーする。
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です。
投稿も未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




