第二二話 お屋敷にて
今晩は。
投稿です。
「ただいま、ロボウ、ルンルン」
固まる白魔道士ユトラン。
(えっと、執事さんにメイドさん?黒服の老紳士さまがロボウ様?ちょっと……かなり怖い獣人さんがルンルンさん?見るからにメイドの衣装だけど……)
ユトランはその巨大なバストから眼が離せない。
(え?こぼれ落ちそう?動く度に、揺れているんですけど?)
色々なモノをユッサユッサと揺らしながら、ユトランに近づくメイドさん。
ユトランからしてみれば、見上げる大きさである。
(……ちょっと怖いかも……)
その大きなメイドさんが身を屈め、ユトランのお顔に鼻を近づける。
「……フンフン」
「え?」
匂いを嗅がれているようだが、ユトランはそれどころではない!
(で、デカすぎっよ!こぼれちゃうよ!)
視線は一点に釘付けである!
(あ!?なんか飛び出そう!?)
思わず手で押さえてしまう!
「お?なんだ?積極的だなぁ?」
「こ、こぼれます!」
「ああ、時々出ちゃうんだよなぁ」
「ええっ!?だ、ダメじゃないですかぁ!ふ、服装を!サイズが!衣装の意匠を!」
「あははっ、なに言ってんだい?おもしれー子だなぁ?服装は難しいんだよ、あたいら獣人のメスはオッパイが六つあるからねぇ、これ人族用の服だし!」
この世界の獣人族は多産ですぐに増えるのだ。
その分、寿命は人族の平均70年に比べ短く、獣人族の平均寿命は20年程である。
「フンフン?バン様、この子いい匂いだ、合格!いい子見つけたなぁ」
「え?」
「あの女とは段違いだ!あ、あたいはバン様お付きのメイド、ホラー・ルンルン。ルンルンでいいぜ、今日はデートかい?お嬢さん?」
「あ、えっと……」
ユトランが焦っていると、黒服の老紳士が名乗り始めた。
「私はバン様付きの執事、路傍一心と申します、以後お見知りおきを」
優雅に例をするロボウ。
「えっ、えっと、わた、私は……」
「……ロボウ、ルンルン、この子は……クライマーズ48、白魔道士ユトラン、パーティーメンバーで今日から一緒に暮らすことになったんだ。色々よろしく」
「「え?」」
「「一緒に……暮らす!?」」
綺麗にハモるロボウとルンルン。
「部屋とか、食事とか。あ、立ち話よりも屋敷内を案内が先かな?まずはお茶だね。あ、お風呂、温泉が先かな?」
「あの……き、今日からお世話になります、白魔道士のユトラン・ニャンコです。よろしくお願いします」
「今日からぁ?」
尻尾がピン!と立つルンルン。
「お世話に?」
小刻みに震え出すロボウ。
ぽろぽろ。
突然の涙である。
それに驚くバンブ。
「え!?ど、どうしたの、ルンルン!?」
口元を抑え、振るえて泣き出すルンルン。
一方こちらはロボウだ。
ダアアアアアアッ!と滝のような涙を流している。
「え?ロ、ロボウも!?」
ビックリしているバンブ。
「どしたん!?二人とも?」
先に喋り出したのはルンルンだ。
それも嗚咽混じりで上手く聞き取れない!
「おうおう……よ、よかったなぁ……バンさまぁ……つ、番い相手を……をみ、見つけ……たんだなぁ……なくなった……か、母ちゃんや、本家の……人達も……ひ、一安心さぁ……うぐっ……」
「え゛?」
固まるバンブ。
「ぼ、ぼぼっちゃん……とうとう……クゥ……この日が来たのですねぇ……まさか……なくした左目から……涙が……流れる日がくる……とは……」
そして10分後。
バンブはこの二人から猛抗議を受けることになる。
そう、この二人、バンブとユトランが結ばれたと確信したのだ。
一緒に暮らす=そのような関係(夫婦、結婚確信+ユトランの初々しいハニカミ態度)
ただただ使用人に謝り続けるバンブ。
ルンルンには特上お肉30㎏、ロボウには高級葉巻きのキャビネット一箱を確約させられた。
「バンお兄ちゃん、大変だね、借金あるのにお肉と葉巻きなんて」
……恨めしそうにユトランを見るバンブ。
そしてロボウを見る。
その肩には小さなおじさんがちょこん、と座っており、ゲラゲラ笑っていた。
ルンルンはニッコニコでスキップし、門周辺の掃除をしている。
「にくぅ~おにくぅうううう~血の滴るにくぅ!」
朗らかに歌っている。
ああ、今日の掃除は捗るであろう。
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第二三話 取敢えず、お風呂 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




