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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第二一話 バンブの秘密、ユトランの能力2     

今晩は。

投稿です。


 そう、ユトランに問題がある。


(うう、まったく思いつかないし、わからない……ユトランのどこに問題が?)


 悲しい眼で、バンブを見上げるユトラン。


「わかんない、教えて、バンお兄ちゃん」


「ユトランの本格魔法は……」


「格魔法は?」


「魔法防御無視なんだよ」


「え?」


 ぽかん、とするユトラン。

 それが何かしら?だから何?


「ユトランは、相手の魔法防御を無視して攻撃、回復することが出来る稀な白魔道士ということ」


「?」


「僕は特異体質で魔法が効かないんだ」


「はいっ!?」


 ここでようやく話しを、呑み込み始めるユトラン。


(魔法が効かないなんて?何それ!?)


「今まで、塔に登らなかったのは、そのためさ。誰も僕を回復できないんだ」


「そ、そんな!?だってバンお兄ちゃん……」


「事実だよ。傭兵の仕事は受けていたけど、僕の使い所が難しい。Sクラスと言われているけど、怪我をしたら傷薬や飲み薬、ブンドルの湧き水で回復を待つしかないんだ」


「え?じゃバンお兄ちゃんは全部の魔法が無効なの!?」


「その通り。あまりの魔法防御力の高さに、回復魔法までバンするんだ」


「え?じゃユトランは?」


「ユトランはそんな僕を回復、強化出来る唯一の存在さ。ユトラン、キミの本格詠唱魔法は、魔王や勇者にも傷を与えることが出来る。実はとんでもない存在なんだよ、なんせ防御無視だから」


「またまたぁ、バンお兄ちゃん言い過ぎだって!」


 とか言いながら、もし、ユトランの魔法が本当に防御力無視の魔法だったら!?


「……バンお兄ちゃん、ちょっと怖いかも……」


「今まで、あのパーティーが49階まで昇れたのは、ユトランの貢献が大きいと思うよ」


「……な、ならば……」


「なんだい?」


「ならば、ユトランの格魔法はバンお兄ちゃんを傷つけることが出来るの?」


 お、鋭い!バンブは思った。


「出来るよ、ユトランは唯一、僕を魔法で倒せる存在さ」


「…………」


「あ、なんか考えている?」


 何を考えている?

 バンブは先読みをしてみる。


 どこでユトランの能力に気が付いたか、いつ知ったのか?

 この能力を知っているからパーティーに誘ったのか?

 そんなところかなぁ?

 それとも、魔王や勇者の魔法攻撃はどうなの?とか?

 もちろん、彼らの攻撃も、ドラゴンのブレスも、魔法攻撃なら僕には効果無しなんだよなぁ。

 あまりにも魔法防御が高くて、回復魔法まで効果が無いなんて、悲劇だよ。


 などと考え、色々と答えを用意し始めるバンブ。

 白魔道士ユトランが重い口を開く。


「……でね」


「え?」


「……浮気しないでね」


「え゛?」


 浮気とは?

 なんで浮気?どこから浮気?


「もし、バンお兄ちゃんが浮気したら、ユトラン、本気のホーリーバースト撃つかも」


「え゛?」


 なぜ浮気?そもそもお付合いは、オリオン・ドリオンの塔攻略後では!?


「その時は、死なないでね……」


 なんで浮気に繋がるんだ!?

 死なないでね!?

 殺すの!?


 ユトランの考え、さっぱりわからんっ!

 そして見えてくるチキンキャロット家の正門。


 錆びだらけの、ちょっと傾いた門。

 その門の前には、2名の人物が待っていた。


「お帰りなさいませ、坊ちゃん」


 そう言って深々と頭を下げる黒服の老紳士。

 右腕はなく、左目も凝った金属のアイパッチでガードされている。

 その容姿にちょっと怖くなるユトラン。


「よう、バン様お帰り!あんだい?その女?ナンパのお持ち帰りかぁ?」


 身長178㎝、とんでもないプロポーション。

 見るからに獣人族の女性が獰猛な目つきでユトランを睨む。


 ……その容姿に……ちょっと、いやかなり青くなるユトラン。

 

 (え?スイカ?バ、バンお兄ちゃん!?飛び出そうなんですけど?服のサイズが合ってないんですけど!?)


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第二二話 お屋敷にて の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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