第二〇話 バンブの秘密、ユトランの能力
今晩は。
投稿です。
「見える?あれが僕の家、チキンキャロット家だよ」
それは繁華街の裏から続く森の中にあった。
「大きい!」
「大きいから、手入れが大変だよ」
「……」
「なに?ユトラン?」
「バンお兄ちゃん、さっきのバトルだけど……」
「ん?彼奴らが心配?」
静かに首を振るユトラン。
「いい気味とも思わないし、どうなったのだろうとも思わないわ。それよりバンお兄ちゃんよ!」
「はい?」
「これからコンビで塔に望むのよ、教えて!」
「何をかな?」
ギロッ、と睨むユトラン。
「……ユトランは、どこまで気が付いたの?」
「まず、簡易魔法は弾かれる。バンお兄ちゃんには効果が無い。簡易魔法は攻撃も補助も回復もバンお兄ちゃんには無効」
「……それはどう言うことだと思う?」
「バンお兄ちゃんは魔力防御がとても高い、絶対防御並かも。だって四大属性攻撃が無効なんて有り得ないもの。でもあの四大属性攻撃は簡易ではなく本格だったわ、ここもわからない」
この世界での魔法の発動は、大きく分けて二種類ある
まずは簡易詠唱魔法だ。
呪文も略式ですぐに発動できるのだ。
攻撃魔法だったら、魔力が続く限り連発が可能だ。
回復も然りで、魔力が続く限り周囲を回復できる。
しかし簡易魔法なので効果は低め、その場しのぎが多い。
もう一つの本格詠唱魔法は格魔法と呼ばれたりしている。
正式な呪文、動作で発動する魔法だ。
効果は大きく、術者の魔力に応じて威力が決る。
回復、防御など期待以上の効果が得られ、攻撃に至っては、基本、連発は難しく、その代わり威力は大きい。
先の女魔法使いは7本一組の属性魔法攻撃を、高速詠唱で4回唱えている。
かなり優秀な魔法使いと言っていい。
高速詠唱によって、格魔法を連発しているからだ。
「ユトランの簡易魔法も無効というか、弾いたわ。でも、ユトランの格魔法は効果があったのよ、最初に出会った時、裏路地でバンお兄ちゃんに魔槍が上手く使えるように、支援魔法を……どういうことかしら……うーん……」
「ユトランの本格詠唱魔法は、僕に効果があるんだ」
「あっ!そうだよね!?確かにそうだ!ユトランの簡易魔法は弾かれたり、効果が無かったけど、格魔法は効果があった!……ん?でも四大属性攻撃は格魔法でも効果が無かった……この違いは?」
「何だと思う?」
ここで小さなお姉さんの言葉が過ぎった。
(ストライプ、あなたにも、あるのよ)
何がある?
問題があるのだ!解かなければいけない、問題が!ユトランに!
「……術者が違う!」
「その通り、ここで問題だ。なぜ術者で差が出る?」
「え?……そ、それは……」
「それは?」
「それは……ユトランが……バンお、お兄ちゃんを……」
好きだから、という言葉をゴックンと呑み込むユトラン。
だから、そうじゃなくて……。
(何を考えているのよ!ユトランは!そうじゃなくて小さなお姉さんの言葉よ!ユトランにもユトランが知らない何かがあるのよ!)
立ち止まり、考え始める白魔道士ユトラン。
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第二一話 バンブの秘密、ユトランの能力2 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




