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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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20/23

第二〇話 バンブの秘密、ユトランの能力     

今晩は。

投稿です。


「見える?あれが僕の家、チキンキャロット家だよ」


 それは繁華街の裏から続く森の中にあった。


「大きい!」


「大きいから、手入れが大変だよ」


「……」


「なに?ユトラン?」


「バンお兄ちゃん、さっきのバトルだけど……」


「ん?彼奴らが心配?」


 静かに首を振るユトラン。


「いい気味とも思わないし、どうなったのだろうとも思わないわ。それよりバンお兄ちゃんよ!」


「はい?」


「これからコンビで塔に望むのよ、教えて!」


「何をかな?」


 ギロッ、と睨むユトラン。


「……ユトランは、どこまで気が付いたの?」


「まず、簡易魔法は弾かれる。バンお兄ちゃんには効果が無い。簡易魔法は攻撃も補助も回復もバンお兄ちゃんには無効」


「……それはどう言うことだと思う?」


「バンお兄ちゃんは魔力防御がとても高い、絶対防御並かも。だって四大属性攻撃が無効なんて有り得ないもの。でもあの四大属性攻撃は簡易ではなく本格だったわ、ここもわからない」


 この世界での魔法の発動は、大きく分けて二種類ある


 まずは簡易詠唱魔法だ。

 呪文も略式ですぐに発動できるのだ。

 攻撃魔法だったら、魔力が続く限り連発が可能だ。

 回復も然りで、魔力が続く限り周囲を回復できる。

 しかし簡易魔法なので効果は低め、その場しのぎが多い。


 もう一つの本格詠唱魔法は格魔法と呼ばれたりしている。

 正式な呪文、動作で発動する魔法だ。

 効果は大きく、術者の魔力に応じて威力が決る。

 回復、防御など期待以上の効果が得られ、攻撃に至っては、基本、連発は難しく、その代わり威力は大きい。

 先の女魔法使いは7本一組の属性魔法攻撃を、高速詠唱で4回唱えている。

 かなり優秀な魔法使いと言っていい。

 高速詠唱によって、格魔法を連発しているからだ。


「ユトランの簡易魔法も無効というか、弾いたわ。でも、ユトランの格魔法は効果があったのよ、最初に出会った時、裏路地でバンお兄ちゃんに魔槍が上手く使えるように、支援魔法を……どういうことかしら……うーん……」


「ユトランの本格詠唱魔法は、僕に効果があるんだ」


「あっ!そうだよね!?確かにそうだ!ユトランの簡易魔法は弾かれたり、効果が無かったけど、格魔法は効果があった!……ん?でも四大属性攻撃は格魔法でも効果が無かった……この違いは?」


「何だと思う?」


 ここで小さなお姉さんの言葉が過ぎった。


(ストライプ、あなたにも、あるのよ)


 何がある?

 問題があるのだ!解かなければいけない、問題が!ユトランに!


「……術者が違う!」


「その通り、ここで問題だ。なぜ術者で差が出る?」


「え?……そ、それは……」


「それは?」


「それは……ユトランが……バンお、お兄ちゃんを……」


 好きだから、という言葉をゴックンと呑み込むユトラン。

 だから、そうじゃなくて……。


(何を考えているのよ!ユトランは!そうじゃなくて小さなお姉さんの言葉よ!ユトランにもユトランが知らない何かがあるのよ!)


立ち止まり、考え始める白魔道士ユトラン。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第二一話 バンブの秘密、ユトランの能力2 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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