第百六一話 英雄譚その3
こんにちは、休日の3時、お茶の時間です。
「ラプラスはパートナーの黒魔導士とともに、ブンドルを守っていた……」
ここで止まる委員長の言葉。
「ん?どうした?」
みんなが委員長を見る。
「あ……はい、私見を……ここは飛ばします」
「よかったら聞かせてくれ、それこそ私が聞きたかったことだ」
……おいおい先生?……
……なんかエッチな言葉だったらどうすんの!……
……あはははっ……
「あ……ラプラスは……ブンドルを守っていた、今のブンドル騎士団の系列だろうか?それと、何からブンドルを守っていたのだろう?」
……おいおい、委員長?8000年くらい前の伝説だぜ……
……ブンドルの歴史に騎士団はつきもの、まぁ全部塔関係だけど……
……それこそ無数にあるじゃん……
……オリオン・ドリオンの塔は敵が多い……
「あ……はい……騎士団の系列を調べると塔の歴史に近づけないだろうか?歴代の騎士団長を調べてみたい」
……委員長、まじめだねぇ……
……まじめだから委員長か?……
……委員長だから真面目なんだよ!……
……委員長、好き……
……おいっ!誰だ今の!?……
……どさくさに紛れてコクったやついるぞ!……
「はい、黙れお前ら!歴代の騎士団長か……記録にある最高階はブンドル騎士団のオリオンの塔280階だ、何年前か?雨天、答えろ」
バンブは即答する。
(3200年前、騎士団長はトリガー)
「2800年前、騎士団長はトリガー」
(違った!?)
「雨天正解。以前は3200年前だったが、王都で改正があった。王都の文庫で新しい資料が見つかったそうだ、試験に出すからな、覚えておけよ!よし、委員長!続き!」
「あ……はい……魔法無効の存在にパートナーの黒魔導士、この組み合わせの意味は?」
「エルフの古老によると、風の魔法防御で物理攻撃を防いでいたそうだ」
……風で?……
……弓メインの戦いかな?……
「物理攻撃さえ防げれば無敵だ、おそらくだが勇者や魔王の魔法攻撃も無効だ」
……先生、さすがにそれはないよ!……
……うそ……
……あくまで言い伝えだね……
……半分無敵じゃん!あとは物理防御で!……
「違うな」
……なんだよ雨天……
……違うとは?……
「回復ができない、怪我したら終わりだ。毒でも麻痺でもいい、状態異常してしまえばアウトだ」
「雨天」
「なんだい?センセー?」
「お前の言い方だと、まるでラプラスと戦っているようだな?脳内バトルしたのか」
「ああ、模擬戦だが」
……どんな戦いだよ?……
……雨天らしいな?歴史の勉強でバトル!?……
「英雄ラプラスをどう見る?剣士雨天」
「そうだな、魔法無効だろ?それに歴史に残るような英雄級の戦士、たぶんだけど一撃で相手を倒していたと思う、そうしなければ自分が危ない」
バンブは雨天の言葉を真剣に聞き始める。
雨天は続ける。
「黒魔導士の選択はいいと思う、攻撃特化だ。白魔導士は回復防御がメインだ、魔法無効には不利かな?いや、ユトちゃんならいいかな?」
突然の名前にビクッ、と驚くユトラン!
ユトランの名を口にした雨天を、鬼のような目で見るバンブ。
(僕のユトランだぞ!)
「ユトちゃんの攻撃だったら、十分にラプラスを守れると思う」
……ユートニアさんが守るのは、お兄ちゃんでしょう!……
……そうよ!雨天!何を言ってるの!……
一部の生徒より非難の声が上がる。
まぁ、これは没入するくらい真剣に授業を受けているからだ。
笑い出す雨天。
「はははっ!お前ら現実と過去の英雄を混ぜるな!先生の術中にハマってるぞ!」
(!)
ここでバンブは少なからず驚いた。
(授業と思って受けていたが、引き込まれた!これは確かに雨天の言う通り術だ)
自然とコジロ先生に目が行くバンブ。
「!?」
コジロ先生はそのバンブの視線を受け止め、怪しく微笑む。
今回はここまでじゃ!
次回サブタイトルは 第百六二話 英雄譚その4 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




