第百五八話 注目の新人
こんばんは。
投稿です。
サブタイトル変わりました。
バンブは一瞬にして孤独に包まれた。
(僕は、この世界では異質なのだろうか……異質だよな)
そして繰り返される過去の記憶。
周りを見る。
学生たちがそれぞれの姿勢で授業を受けている。
みんな魔法を使い生活している。
(みんなと同じ生活ができない、この孤独感は皆には分からないのかもなぁ……)
ここでバンブは意識を強制的に切り替えた!
(落ち込んでもしょうがない、これは僕だけの能力だ、この能力でドリオンの塔を制覇したんだ、異質?結構ではないか!)
悲しい顔でいつもの答えに辿り着く。
塔を制覇する前は、いつの日にかこの能力をフルに使って塔を制覇してやる!が繰り返される言葉だった。
しかし、塔には登れない。
危険すぎるのだ、まず怪我ができない。そのために槍、剣、弓の技を磨いた。
可能な限り一撃で相手を倒さないと、倒れるのは自分の方なのだ。
それでもバンブの不利は変わらない、基本的な戦い方が違うのだ。
回復魔法を前提とする戦いと、回復できない戦いは圧倒的な差を生んだ。
白魔導士がいれば、斬られても瞬時に回復する。
しかし、バンブは斬られると薬草、薬品による回復なのだ。
傷によっては十日経っても動けない。
そんな苦悩の中で死を見つめていたバンブはユトランに出会った。
コンッコン。
教室の扉がノックされる。
扉が開き、現れたのはユトラン達だ。
「お?委員長?もういいのか?早くないか?ゆっくり休んでいいぞ?」
「……あ、はい……ご迷惑をおかけしました……もう大丈夫です……」
「ユートニア君は?」
「はい!」
元気のいい返事である。
教室に入るなり、ユトランはすぐにバンブを探す!
(どこ?バンお兄ちゃん!?)
きょろきょろと素早く動くユトランの目。
(いた!)
教室の一番後ろ、窓側の席!バンブはいた。
見つけた瞬間、ユトランは微笑んだ。
その何ともいえない表情をみていたクラスメート達。
……!……
……遊園地で迷子になり……
……お父さんを見つけた子供か?……
……いや、王都とブンドルに別れて暮らす……
……一年ぶりに出会った……
……遠距離恋愛の彼女?……
「君たちは想像力が凄いな、さてユートニア君、自己紹介だ」
「えええ!?」
……あ、固まったぞ……
……今度は悲しそうな目で、バンの奴を見ているが……
「バニッシェン君は済ませた、名前だけでもいいぞ」
「ゆ、ユートニア・ハートです。三ヵ月の通学ですが、よ、よろしくお願いします」
ぱちぱち、と拍手が沸く。
……弓は誰に習ったの?……
「え?お、おとうさんですが……」
……んじゃ魔法は?……
次々に質問が浴びせられる。
「……お母さんです」
……。
「?」
……バン君とは、どこで出会ったの?……
「え!?」
……ちゅーした?……
……きやぁああ!その質問はダメよっ!……
雨天が助けに入る。
「答えなくていいぞ、席はバンの前だ。お前ら、3番目の質問が本命だろ?」
……ばれたか……
速足で席に向かうユトラン。
「ユートニア、大丈夫?」
「う、うん」
席に静かに座るユトラン。
「あ、ユートニア、これ教科書、今56ページだよ」
「ひゃっ……う、うん、ありがとうバンお兄ちゃん」
(ひーん、バンお兄ちゃんが後ろにいると、見られているようで恥ずかしいよう……)
今回はここまでよ。
次回サブタイトルは 第百五九話 英雄譚 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます!




