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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百五六話 ナイの街     

今晩は。

投稿です。


「私の担当科目は歴史と古文書だ、得物は投げ矢だ」


(投げ矢?手裏剣の類い?簡単に明かしていいの?)


 ヒュン!

 コン!軽い音を立て、雨天に当たるチョーク!


(雨天に当てた!?)


「いてっ!?」

「スキがありすぎだ、雨天君。委員長がそんなに心配か?」

「ち、違う」

「ではユートニア君か?」


 ぎろっ。


 バンブが雨天を睨む。

 その視線を見逃さない女子達!


 ……バニくんわかりやすい……

 ……なんか可愛くない?……

 ……そうね……よく見ると弟ポジション?……


 男子は男子で雨天をからかう。


 ……メヘだろ……

 ……メヘちゃんでしょう……

 ……メヘだよなぁ……だろ?雨天!……


 どうやらクラスの皆は何か知っているようである。


「ふふっ、バニッシェン君、自己紹介」

「え?」

「皆知っているとは思うが、本人の口からどうぞ」

「……」

「今めんどい、とか思っているだろう?ここはそういう所さ」

「……バニッシェン・ハートです、ナイの街から来ました、妹共々よろしくお願いしまじゅ」


 ……噛んだ……

 ……かんだ……

 ……え?ここで噛む?……


「ここで噛むなよバン!」


 雨天が笑う!

 笑いと拍手が湧く!


 ……人前では緊張すると?……

 ……やっぱナイかぁ……

 ……うちのクラス、ナイ出身者5名だぜ……


 ナイの街は架空の街である。

 出身国、街を言えない者が名乗る街名である。

 このナイには詮索無用の意味も含まれている。

 詮索した者に害が及ぶ恐れがあるからだ。

 5名の内訳は、雨天、渡辺里奈、メヘイドケイン、ユートニア、バニッシェンである。

 ある意味、危険人物なのだ。

 しかし、ここのクラスはバンブとユトラン以外、みんな出身国も目的も知っていた。

 一緒にいれば自ずと分かってしまうのだ。

 雨天は隣国から来た王族であろうと皆思っている。

 隣の国は乱れている、その関係でここに来たのであろうと。

 そして、そこに(学校に)いた正真正銘のメヘイドケイン。

 そう、雨天は剣が欲しかったのだ。

 メヘイドケイン・愛染改、対魔王仕様の勇者の剣。

 メヘは雨天を主と認めていない。

 雨天としては、どうしても認めて欲しいのだ。


(剣技に関しては、一流のはずだ、なぜ認められない?)


 メヘイドケインを手にし、帰国する。

 そうすれば、国の安定に繋がると思っているのだ。


(……ユトちゃんに憑いている妖精……俺は王になれないと言っていたな……王にならなくてもいい、支えたいのだが……)


 コン!


「いて」


 またしてもヒットするコジロ先生のチョーク。


「集中しすぎだ、平常心、平常心!バニッシェン君の席はあそこだ、教科書は後の棚に貸し出し用がある、大事に使うように」


 コジロ先生が指さしたのは、窓側の一番後である。

 前後、二席空いている。


「どちらでもいいぞ、余った席がユートニア君だ」


 バンブとしてはどちらでもいいのだが。


(……ユトラン、僕が後に座ると、恥ずかしがるかな?……そうだな、僕が後に座ると見られているようで授業に集中できない、とか言いそう?)


 そう思いながらも後の席に座るバンブ。


(ここなら教室内が一望できる、後は誰もいないし、まぁ窓際がちょっとイヤかな)


「取敢えずユートニア君が帰ってきたら、皆の自己紹介を始めるか、それまで授業だ」


 バンブとユトランの学校生活が始まる。


 今回はここまでよ。

 次回もお楽しみに!


次回サブタイトルは 第百五七話 一限目 古代の英雄王 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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