第百五四話 黙りましょう
今晩は。
投稿です。
……どうやったんだ!?……
……コインを投げた?……
……指で?……
「コインを使って知らせたのか!?」
驚きの目でバンブを見る先生。
「はい、委員長は手練れです、振り向けば気づきます」
断言するバンブ。
身のこなしからしての判断であろう。
委員長は強い、Sランク傭兵バンブの評価である。
「こいつを委員長に当てたと?」
鈍く輝く銅貨。
それを摘まんで眺める先生。
「はい、もちろんゆっくり、ですが」
「肩でもよかったのでは?」
「不意に動けば顔に当たるかも知れません、それにバトルになれば肩は傷つけない方がいいでしょう?」
顔に当たる、襲撃者をどうにかして知らせようとする。
バンブに対するクラス女子の好感度が、急上昇した。
剣の腕は雨天と張り合うほど、竹箒では圧倒していた。ユトランに対する優しさ、委員長を助けた、これはよい転入生が来た!
……ヒソヒソ……
……なんかよくない?……
……でもユトちゃん専用よ……
「そうだな、それで腰を狙ったと?」
「はい、女性のお尻は比較的大きいですし……」
ガチン!←クラス女子全員+好感度急降下。
「当たっても脂肪が分厚く鈍いので……」
ガチン!←同上。
「……なるほど、うん、それで触っていないと?」
「はい、多分、委員長は銅貨に残る僕の思念を読んだのだと思います、それで触ったと感じたのでは?」
冷静かつ沈着に答えるバンブ。
「分かった、分かったけどバニッシェン君……」
「はい?」
苦笑する先生。
ここでユトランが小声で入ってくる。
(バンお兄ちゃん!皆の前で言っちゃダメだよ、言葉を変えて!)
「?」
何をどう変えるのだ?まったく分からないバンブ。
聞いてきたのはユトランだろ?
説明をしただけなのだが?
(確かに委員長の身体的なことを話すのはマズいかなぁ、とは思ったけど事実だし)
「バン」
「なんだい?雨天?」
「お前、クラスの女子、全員を敵にしたぜ」
「え?なんで!?」
委員長を見ると、彼女はしょんぼりして下を向いている。
「え?」
ボソボソとベリナに話し掛けている。
(あの……渡辺さん……私のお尻、そんなにデカくて鈍いですか?脂肪の塊ですか……しくしく)
委員長はとうとう泣き出した。
武術は強いかもしれないが、同級生、クラスメートの暴言には耐えられないのだ。
そう、委員長はクラスメイト、同級生が大好きなのだ!
「んなことはねぇ!委員長のケツは引き締まっている!筋肉質で固ぇし、頑丈だ!」
慌ててベリナを止めるメヘ!
「ベ!ベリナッ!それはそれで問題発言でぇす!」
「……ひーん」
悲しげに涙を流す委員長。
ここでユトランは委員長の右腕をとった!
メヘは左だ!
身長の高いメヘは抱えるように、小さなユトランは腕を引っ張って委員長を廊下につれ出す!
……硬くて丈夫?委員長のケツは岩か?……
……おい!変なこと言うな!んなこと言ったら女子達が!?……
ギロッ!×女子全員+委員長ファンの男子数名。
……日頃散々委員長のお世話になっていながら、そんな酷いこと言うんだ……
……ふーん、女の子をそんな風に扱うんだ……
この後、この暴言男子はごめんなさいを言い続け、半年後、やっと許してもらったとか。
しかしこの暴言男子は知らなかった。
卒業後、同窓会の度にこの岩発言が浮上するということを。
口は禍の元である。
読者諸氏、気をつけられよ。
ここで廊下から声が微かに聞こえてきた。
……メヘさん……おしり、痣……残っていますか?……
……ここ、廊下でぇす、トイレか保健室で……
ごそごそ。
……早く……見て欲しいです……
……い、痛いの?……
焦ったようなユトランの声。
……あ、少し青くなっていますぅ……
……痕……残るのかなぁ……しくしく……
いつになく気弱な委員長。
涙が流れ続ける。
今回はここまでよ。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。
当分学校編が続きます。




