第百五三話 ここで聞く!?
今晩は。
投稿です。
ユトランの中で、何かが変わった。
クライマーズ48の時とは、全く違う決意のようなもの。
それは積極的な何かだ。
(あ……いま、こころ?が動いた?)
ユトランはそう感じた。
(ふふ、ストライプはそう感じるのね。ストライプとバンくん、あなた達二人はドリオンの塔制覇者、あの時の連体、絆、思いやりを忘れないことね)
ピタリ、と止まる涙。
(泣いてなんかいられない!)
その表情を巧みに読み取るメヘ。
超高性能のゴーレム、メヘイドケイン。
現在の魔導科学力でも再現不可能な超絶兵器。
ターゲットのどんな些細な表情も見逃さない。
そして膨大なデーターを基に解析し、行動する。
メイドモードが起動する!
「ユートニアさま、こちらへお色直しでぇす」
「え?」
「もう涙は、おしまいでしょう?お付合い致しますぅ」
そっ、とユトランをリードするメヘ。
……あ、メヘのメイドモードだ……
……おお、久々だね!……
……体育で怪我したとき、世話になったなぁ……
……おれ、階段でコケたとき……
……男子が勘違いするくらい優しいんだよねぇ……
……え?女子だってそうだろ?……
……う、うるさいわねぇ!……
「……あの、その前にどうしても聞きたいことがあるの」
「ユートニアさま、なんでぇす?」
「バンお兄ちゃん、ホントに委員長のお尻、触ったの?」
ちゅどーん!
教室が爆発するような効果音!が、聞こえた気がする。
それは石化の呪文のようにバンブを固まらせた!
(ユ、ユトラン!?今、ここでそれを聞くの!?)
今度は委員長がベリナの後に隠れる。
顔を真っ赤にし、ベリナを袖を掴む。
「……うう……」
「い、委員長!?マジか!?おい!バン!どういうこと……!?」
教室の扉が開いた!
タイミング悪く、先生が入室してくる!
「おいおい、今とんでもないセリフを聞いたぞ!校内での痴漢行為は即退学!」
なかなか解けない石化の呪文。
(こ、ここは冷静に……)
とは思ったモノの、女子の視線と男子の視線が突き刺さる。
(デモするか)
「先生、そこの白いチョーク、立ててもらっていいですか?」
「これか?おい、転入生、今はそれどころじゃないだろう?」
と言いながら、白いチョークを教壇に立てる。
「朝、委員長の後を付けている5人組がいた……」
そう言ってポケットから銅貨を取り出すバンブ。
「明らかに強襲の配置、手には木剣かな?短剣だったかもしれない」
「ほう、それで?」
興味深く先生が尋ねてきた。
「距離がある、声を掛けても間に合わない。かえって声を聞かれれば、襲撃が早まるかも知れない」
パンッ!
チョークが砕けた!
「!!!!!!!!!」
……なっ!?……
……魔力は使っていない!?……
……風の魔法か!?……
……いや、雨天と同じ水球か!?……
……だから違うっ!バンは魔力を使っていないって!……
生徒達がざわめき出す。
キンッ、と音を立て床に落ちる銅貨。
それを拾い見つめる先生。
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。
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