第百四九話 探り合い
今晩は。
投稿です。
バンブとしては逃げる必要はない、と判断した。
誰が、どうやってこの騒ぎを説明し納めるのだ?
そう、バンブは殿を選んだのだ。
(まぁ相手の出方次第かな)
相手とは学校サイド、先生のことである。
……むっほむっほ、道路修理は任せておけ……
……むっほ……綺麗に仕上げるぞ……
ワラワラと召喚なしに湧き出る小さなおじさん達。
(呼んでもいないのに出てくれて、お仕事してくれる。有り難いなぁ)
さて、召喚魔法とは?
……サービスじゃ……
「ありがとう、助かるよ」
……むっほむっほ……
今のところ周囲は誰もいない。みんな逃げた。
まぁ学生さんなら当然か?
いや遠目に隠れて、心配そうに見ている学生達もいる。
意識を向けると、ヒソヒソ声が聞こえてくる。
……先生達来るぞ……
……どうする?……
……転入生は悪くない……
……様子を見て、何かあったら証言する……
……何もなかったら?……
……このままずらかるっ!……
……それでいいの!?……
……仕方あるまい、巻き込まれて奨学金取り消されたら、かーちゃんが泣く!……
……でも見過ごせない?……
……だよな……
……そんなところだ……
……メヘから連絡あった、無事教室到着……
……さて……こちらはどうしようか……
静かになる周囲。朝の登校時間なのに、静かなもんだ。
遠くに先生らしき者、5名が見える。
「まぁ到着するまでには、校門前の道路修理、終っているだろうな」
……むっほ、むっほ!……
……そおおれぇ突貫工事じゃ!……
……でも、手は抜くでないぞぉ……
「転入生のバニッシェンくんだね、そこで何をしている?」
到着した先生がワラワラとバンブを囲み、問い詰め始めた。
全部で5名、内2名は強化武装している。
「聞こえなかった?ここで何をしている?」
(お?高圧的だな?)
「ここで?登校しています」
「!」
……むっほむっほ……
「昨日の妖精ではないか……」
「……今回も修理?……」
「魔力による大気振動と爆煙が見えたが?」
「それに吹飛ばされる人物も」
尋問か?
バンブのお臍は曲がり始めた。
そう、へそ曲がり、素直でなくなったのだ。
強化武装している二人の態度が気に入らない。
「そうなんですね、気づきませんでした、ここでですか?」
「当事者だろ?」
「ごまかすな!」
明らかに決めつけてくる先生2名。まぁそうだけど。
「僕が……ですか?ここで?」
周囲を見渡すバンブ。なかなかの役者振りである。
「……バトルの跡はないな……キレイになっているが……」
……むっほむっほ……
……完成じゃ!竣工、竣工!……
「……昨日の妖精達……」
ぼそぼそと話し始める先生3名。
……ここは学校として、お礼をいうべきでは……
……何があったにせよ、綺麗に整備されている……
「ありがとうございます、昨日に引き続き……」
……むっほ、気にするでない……
「あの、ここで何があったか教えてくれませんか?」
丁寧に尋ねる3名の先生。
……さて、何のことかなぁ……
一人、また一人徐々に消えていく小さなおじさん達。
「知らないふりをしても、後で分かるぞ?バニッシェン!」
ガチャリ、と鎧の音が威圧的に響く。
「そうなんですか?では後で聞きに来ますね、僕も思い出したら職員室に行きます、それでは初登校なので、これで失礼します」
「なんだその態度は?」
「なかなかの役者振りだな?」
(僕を煽っているのかな?ならば……)
「……ああ、センセイ、思い出しました、南の子爵家の子かな?走って帰っていきましたけど、お話しを聞かれては?」
「!」
「な、なんだと!?」
(さてどう出る?)
バンブにとって学校は戦場と変わらない。
そうやって今まで生きてきたのだ。
そして疲れて倒れる寸前、ユトランと出会った。
バンブはユトランを逃がすために残ったのだ。
(貴族を吹飛ばしたんだ、決闘を申し込まれても断れない、なら代わりに僕が表に立つよ、ユトラン)
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




