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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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15/22

第十五話 お家にご招待、でもその前に!     

今晩は。

投稿です。


 停留所で電車を降りると、そこは歓楽街。

 昼間からでも雑然とした雰囲気である。

 非常に騒がしく、良く言えば活気がある、悪く言えば少々暴力的な雰囲気だ。

 行き交う人々は重装備が多く、まさに傭兵の街だ。


 ここの傭兵達は基本、塔の攻略を急がない。

 塔を資金として利用しているのだ、本職はあくまで傭兵。

 他国への魔獣討伐や魔物の侵攻を、呼ばれれば二つ返事で飛んで行って、稼いで帰ってくるのだ。

 彼らは塔に馴染めない人達なのだ。


 そしてクライマーズは他の地区には興味を示さない。

 彼らは塔の攻略が人生の全てであり、塔以外の情報は邪魔でしかないのだ。

 そう、冒頭のエルフの言葉どおり、彼らは塔に取憑かれている。


「少し歩けば静かになるよ、裏手は住宅街だしね」


「そうなの?ユトラン、東区はあまり来たことがなくて……」


 すすすっ、とバンブに近づき、マントを摘まむユトラン。

 屈強な男女が闊歩する街、圧巻である。


「大丈夫、こっちだよ」


 こくこく。


 素直に頷く白魔道士ユトラン。

 バンブにとっては見慣れた街並みだ。

 騒がしい街も日常である。

 怒声が飛び交い、どうやら道向こうで喧嘩が始まったようである。


「お、お兄ちゃん!?」


「大丈夫だよ、いつものことさ」


 だがユトランにとっては初めてで、ちょっといや、かなり怖いようだ。

 大丈夫だよ、とか言いながら実はバンブ、保護欲が大爆発していた!

 本人は全然大丈夫ではないのだ!


(え?マント掴んでいる!?足並みも合わせて?)


 トコトコと、やや足早に歩く二人。


「バ、バンお兄ちゃん、ちょっと早いよ」


「あ、ごめんよ」


 マントを握り締めるユトラン。


 ぎゅ。


(え?なに?何この可愛い生き物は!?これが妹!?)


「怖くないよ……あ!もしかしてギルドの回覧か!?」


 ビクッ、とするユトラン。


「大丈夫だよ、東区は傭兵の街、他の区とはちょっと違うんだ」


「そ、そうなの?」


「後、気になる?」


「う、うん」


「追ってこないと思うけど、だって電車だよ?走っても間に合わないと思うけど」


 しかし、暫く歩くと後から凄まじい殺気が近づいてきた。


「……まさか、電車を追ってきた?」


「そうみたい、どうするのお兄ちゃん?」


 立ち止まるバンブ。


「逃げてもいいけど、つきまとうだろうなぁ」


 そう言って、ユトランをチラ見する。


「うん、絶縁宣言しよう、先程のお礼参りもしたいしね」


「お、お兄ちゃん?相手は4人だよ、それもクライマーズ48……」


「任せな、もう苦しむことはないよ、ここで終わりにするから」


「え?」


「大丈夫、潰したりしないよ、まぁ相手の出方次第だけど」


 そう言って、マントを翻し、カッコよく振り返る召喚士バンブ。

 が、追ってきた4人を見て吹き出す!


「ブッ……プークスクス、なに?汗まみれでヘロヘロ?そりゃ電車に勝てっこないよね?何?走ってきたの?4人で?バッカじゃないの!?」


 余程白魔道士ユトランが憎いのであろうか、相当なご執心である。


「き、きさまぁ、待ちやがれ!」


「はい、だから待っているよ」


 周囲の傭兵達が集まる。


 ……なんだ?……

 ……果し合いか?……

 ……お?回覧の女の子じゃん……

 ……それに悪評パーティーだ……

 ……回覧でさらし者なんざぁ、あそこのギルド、エグことするなぁ……

 ……潰しにかかっているよなぁ……

 ……潰すか?あっこのギルド……

 ……バンと女の子に金貨一枚……

 ……ばか、皆バンにしか賭けないだろ……


「クライマーズゼロの召喚士バンブだ、白魔道士ユトランは僕のパーティーメンバーになった。今後手出しはゆるさないよ、つきまとうなら僕がお相手する」


 バンブは堂々と言ってのけた。


 今回はここまでです。


次回サブタイトルは 第十六話 意外と強い の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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