第百四五話 口笛
今晩は。
登校です。
襲撃。
と、言う言葉が浮かんだ。
囲むように広がる学生。
一瞬でパチン!と戦闘スイッチがONになるバンブ。
(委員長の後から5名!手に何か持っているな、小型の木剣?誰も気がつかない?委員長も!?……ユト……ラン?)
一言ユトランに警告しようとしたが、ユトランはもういなかった。
朝の光景、それは平和で学生や学校周辺の施設が緩やかに動き出す時間。
小鳥が飛び交い、大型の犬のような魔獣を散歩させる貴族街の人々。
挨拶と笑い声が遠く近くに聞こえてくる。
……おはよう……
……おはよう……昨日の見た?校門前のバトル!……
そこに口笛が響き渡った。
……!……
……鳥?……
……口笛?綺麗ね?……誰かしら……
珍しい音色に微笑む学生さん達。頬を紅葉させ、口笛の主を探し始める。
口笛、としか認識していない周囲の学生達。
……どこだ?すごいな、このブレス……
一方バンブは真っ青になる。
バンブは魔力、として認識しているのだ。
(こ、ここで本格高速詠唱!?ユ、ユトラン!?チッ、委員長!間に合わない!)
明らかなフォーメーション、後からの襲撃。
……転入生来るかな?……
……来てるぜ、ほらあそこに、竹ちゃんがいる……
……あれ?もう一人は?……
(もう一人は戦闘態勢だよ!使うか?)
ユトランは委員長を目指し、蛇のようにスルスルと生徒の間をすり抜ける!
それはまるで風のよう!
バンブはポケットから素早く銅貨を掴み、取り出す!
その数は数十枚。
バンブの父親から盗んだ技、指弾。
銅貨を掴んだ手、人差し指、もしくは人差し指と中指の間に銅貨をセットし、親指でパチン!と弾くのだ。
バンブの指弾は、最大で小口径の銃並の威力がある。
誰にも公表していないバンブの技だ。
クライマーズ48のリーダーも公表していない技を持っていた。
どうやらこの異世界、秘密にしている技を誰もが持っているようである。
狙うのは委員長のお尻。
まずは振り向かせる!
委員長は相当な手練れとバンブは確信している。
気づきさえすれば、対応出来る。
そこに駆けつければ!
(威力を抑えれば間に合わない、かといって本気で撃てば委員長が怪我してしまう!)
キンッ!
バンブの拳から銅貨だ飛び出す!
「きゃっ!?」
ヒットと同時に口笛が止み、竜巻が起った!
喜ぶ男子生徒。
スラックスの女生徒もいるが、殆どの女生徒のスカートが捲れ上がる!
……!?……
……きゃっ!?……
慌てて髪とスカートを抑える女生徒達!
……ちょっと!何見ているのよ!……
……あーん!せっかくセットしたのに!……
「え?……あの……虫かしら?」
振り向き襲撃者と目が合う委員長!
「お尻チクッて……あ……」
ユトランは風を使い、一瞬で委員長を連れ去る!
代わりに現れるバンブ!
息、ピッタリである!
(タイ(ネクタイの事です)の色が赤じゃない、ということは先輩か?まずは挨拶かな?)
「……おはようございます、先輩……」
……!……
(一人)
……チッ……
(二人)
……おい、邪魔をするな!……
(三人)
……何だこいつ!?……
(四人?五人目はどこだ!?)
残りの一人、5人目は問答無用でバンブに殴りかかった!
それも後から!
(あ、やば!油断した!)
ドゲシッ!
その5人目を、思いっきり蹴り飛ばした人物が現れた!
……うがっ!?……
「はい……あの……竹さんは無関係です、相手は私でしょう?」
……きさまっ……
「はい……あの……私のクラスメイトを……傷つけてはいけません……私、怒ります……」
そこには、静かにブチキレている委員長がいた。
次回サブタイトルは未定です。
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