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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百四五話 口笛     

今晩は。

登校です。


 襲撃。


 と、言う言葉が浮かんだ。

 囲むように広がる学生。

 一瞬でパチン!と戦闘スイッチがONになるバンブ。


(委員長の後から5名!手に何か持っているな、小型の木剣?誰も気がつかない?委員長も!?……ユト……ラン?)


 一言ユトランに警告しようとしたが、ユトランはもういなかった。


 朝の光景、それは平和で学生や学校周辺の施設が緩やかに動き出す時間。

 小鳥が飛び交い、大型の犬のような魔獣を散歩させる貴族街の人々。

 挨拶と笑い声が遠く近くに聞こえてくる。


 ……おはよう……

 ……おはよう……昨日の見た?校門前のバトル!……


 そこに口笛が響き渡った。


 ……!……

 ……鳥?……

 ……口笛?綺麗ね?……誰かしら……


 珍しい音色に微笑む学生さん達。頬を紅葉させ、口笛の主を探し始める。

 口笛、としか認識していない周囲の学生達。


 ……どこだ?すごいな、このブレス……


 一方バンブは真っ青になる。

 バンブは魔力、として認識しているのだ。


(こ、ここで本格高速詠唱!?ユ、ユトラン!?チッ、委員長!間に合わない!)


 明らかなフォーメーション、後からの襲撃。


 ……転入生来るかな?……

 ……来てるぜ、ほらあそこに、竹ちゃんがいる……

 ……あれ?もう一人は?……


(もう一人は戦闘態勢だよ!使(・)う(・)か(・)?)


 ユトランは委員長を目指し、蛇のようにスルスルと生徒の間をすり抜ける!

 それはまるで風のよう!


 バンブはポケットから素早く銅貨を掴み、取り出す!

 その数は数十枚。

 バンブの父親から盗んだ技、指弾。

 銅貨を掴んだ手、人差し指、もしくは人差し指と中指の間に銅貨をセットし、親指でパチン!と弾くのだ。

 バンブの指弾は、最大で小口径の銃並の威力がある。

 誰にも公表していないバンブの技だ。

 クライマーズ48のリーダーも公表していない技を持っていた。

 どうやらこの異世界、秘密にしている技を誰もが持っているようである。


 狙うのは委員長のお尻。

 まずは振り向かせる!

 委員長は相当な手練れとバンブは確信している。

 気づきさえすれば、対応出来る。

 そこに駆けつければ!


(威力を抑えれば間に合わない、かといって本気で撃てば委員長が怪我してしまう!)


 キンッ!


 バンブの拳から銅貨だ飛び出す!


「きゃっ!?」


 ヒットと同時に口笛が止み、竜巻が起った!

 喜ぶ男子生徒。

 スラックスの女生徒もいるが、殆どの女生徒のスカートが捲れ上がる!


 ……!?……

 ……きゃっ!?……


 慌てて髪とスカートを抑える女生徒達!


 ……ちょっと!何見ているのよ!……

 ……あーん!せっかくセットしたのに!……


「え?……あの……虫かしら?」


 振り向き襲撃者と目が合う委員長!


「お尻チクッて……あ……」


 ユトランは風を使い、一瞬で委員長を連れ去る!

 代わりに現れるバンブ!

 息、ピッタリである!


(タイ(ネクタイの事です)の色が赤じゃない、ということは先輩か?まずは挨拶かな?)


「……おはようございます、先輩……」


 ……!……

(一人)

 ……チッ……

(二人)

 ……おい、邪魔をするな!……

(三人)

 ……何だこいつ!?……

(四人?五人目はどこだ!?)


 残りの一人、5人目は問答無用でバンブに殴りかかった!

 それも後から!


(あ、やば!油断した!)


 ドゲシッ!


 その5人目を、思いっきり蹴り飛ばした人物が現れた!


 ……うがっ!?……


「はい……あの……竹さんは無関係です、相手は私でしょう?」


 ……きさまっ……


「はい……あの……私のクラスメイトを……傷つけてはいけません……私、怒ります……」


 そこには、静かにブチキレている委員長がいた。



次回サブタイトルは未定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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