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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百四四話 通学路にて     

今晩は。

登校です。


「いつもはどうしているの?」

「寝癖は蒸しタオル作って、なおしている」

「じゃ、ユトランがしてあげる!ここ座って!」

「え?」

「はやく!はやく!」


 ポンポン、と座っていた椅子を叩くユトラン。


「いや、だから僕は魔法、効果が……」

「ヒュッ!」


 ユトランの可愛い唇から、口笛が響いた!

 そしてその音はいつしか歌声のように聞こえ始める!

 筒状のドライアーから温風がじんわりと出始める。


「ユトラン、ちょっと熱いかも」

「ん……これくらい?」

「あ、いいかも……しかし本格高速詠唱で寝癖をなおす?凄い贅沢というか能力の無駄遣い?というか……」

「え?無駄遣いじゃないよ!バンお兄ちゃんの髪、キレイになるし!フンフンッ」


 それは不思議な光景だ。

 ユトランは鼻歌交じりで、同時に本格高速詠唱を行なっているのだ!

 その光景をみて、驚く無頼。

 あ、いたんだ無頼(作者独り言)。


「ロボウ、気づいているよな?」

「何をです?無頼さま?」


 とんでもなく高価そうなお皿(王都から贈られてきたお祝いの品の一つ)にオニギリを二つ載せて無頼に給仕するロボウ。


「本格高速詠唱は力の固まりだ、制御が難しいと聞く。例えるなら大滝の落水だ」

「ほうほう?」

「全てを粉砕し、飲込んでしまう大滝、バケツ程度で受け止められると思うか?」

「命に関わりますな、止めるべきでしょう」

「攻撃魔法はそれでいい、力の放出だ、まさに大滝の落水。しかしそれをティーカップで一滴も零さず、優雅に受け止める」

「はい?不可能では?」

「だよな、だがそれをユトランは平然とやってのけている。バンブはどこで見つけてきたんだ?とんでもない白魔道士だぞ」


 そう、普通は制御出来ないのだ。

 攻撃破壊基本の魔法で、寝癖をなおす。

 よくもまぁちょっと熱いかも、ですんだなぁと感心というか驚く無頼。

 ここでユトランと目が合った!

 白魔道士に限らず、魔力を巧みに扱う者は無意識に視線や『思い』を読み取るのだ。

 無頼のユトランに対する『感心』という感情を無意識に読み取るユトラン。


「どうかされましたか?無頼さま?」


 櫛を巧みに使い、バンブの寝癖をキレイに整えるユトラン。


「いや、仲のいい兄妹みたいだな」

「え?姉弟ですか?お姉さんもいいですね!ふふっ」

「無頼、話しがややこしくなる!」


 そして登校する二人。

 今日の電車は、運転手がロックではなかった。

 事務的な案内と車両操作。


(停止の時車体が揺れるな、ロックさんの方が数段格上で運転が上手い)


 横にちょこん、と座っているユトランを見ると、少々緊張気味である。


「緊張している?」

「う、うん、期待と不安で、ドキドキだよ」

「ルンルンも一緒ならよかったんだけど」

「そうだね、バンお兄ちゃん」


 ルンルンは別行動でメヘと打ち合わせである。


「あのねバンお兄ちゃん」

「なんだい?」

「……制服……間に合わなかったけど……目立つよね、ユトラン達……」

「そうだね、私服だし」

「制服、早くできないかなぁ」


 バンブは制服にはまったく興味がない。

 みな同じ服、騎士団の正装?

 しかしユトランは違うようである。


「制服、気になる?」

「うん、早くあのチェックの服、着てみたい!」


 電車を降り、歩き出す二人。

 周囲に通学の学生達が増え始める。

 そして視線も集まる。


(バ、バンお兄ちゃん、視線が……)

(気にするな、ユトラン)

(でも……)


 ……あ、昨日のなかよし兄妹!……

 ……来るんだ!……

 ……メガネっ娘……

 ……雨天君、喜ぶだろうなぁ……

 ……あ、竹ちゃんだ……

 ……竹ちゃん来るんだ……


(……タケちゃん?僕のこと?ああ、もしかして竹箒の竹?)


 ブンドル全学校に近づくにつれて、更に生徒の数は増え、視線も比例して増え続ける。

 その中でバンブは委員長を見つける。


「!?」


 後から数人の男子生徒達が足早に近づく。


(なんだ?)


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは未定です。

投稿も未定です。

台風対策にバイト、忙しく中々文章が進みません。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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