第百三九話 問題児の内訳・雨天、ベリナ編
今晩は。
投稿です。
そう、どこまで知っている?この問い掛けはかなり危険である。
(何を俺は知っているのかな?)
自問するデテイ。
(鬼の目一族のことか?それともバンブの学校で聞いた話か?はたまたロックの素性か?ギルマスとして他にも色々と知っているのだが、困ったもんだ)
デテイの出した答えはシンプルかつ素直だった。
「難しいことは知らん、知っているのはギルマスの範囲内だ」
「……いい答えだ」
「俺は合格か?」
「取敢えずな」
(怖ぇなぁ)
「今、私の横にいた者達は『鬼の目一族』だ、知っているであろう?」
「ああ、無頼の曾じいさんの代に暗躍していた連中と聞いた」
「ほう、それで?」
「あんたの爺さんとオヤジさんは力量不足で、扱いきれなかったって話しだ。ようは『鬼の目一族』は仕えるのを拒否した」
「……あたりだ」
「んで、無頼がオヤジさんを失脚させ、本家当主の座を勝ち取った。するとその実力を認め、あんたに仕えるようになった……ま、みんな聞いた話だ」
「……正解だ」
「次はロックか?アイツは王族の血が流れているという噂だ。俺は流れていると思う」
「ほう」
「だが特別扱いはしないぜ、ロックはロックだ、ゴーレムマスター、電車の運転手兼腕のいい整備屋として今後付き合う。ま、相談にはのるぜ、悩める若者を切り捨てるのは忍びない」
「……ふっ、優しいな」
「ああ、ギルマスなんでね。で、最後が校長の話だ」
「聞こう」
「雨天は仇持ちの隣の国の第七王子。実兄の第三王子を暗殺されたので、暗殺者と暗殺を企てた第四王子一派を皆殺し、そしてその気性ゆえに王位継承剥奪、国外追放となった、と聞いたが」
「どう思った?」
(感想を聞くのか!?)
「まぁ雨天の性格からして違うかな、と思った」
デテイとしては皆殺しが引っかかる。
それにあの剣技、追放はありえん、と考えたのだ。
手放すには惜しい若者だ。
「……デテイさん、俺の家に仕えないか?その見る目、欲しいな」
「ファルコンキャロット家、当主ファントム・ザ・無頼さまからのお誘い、嬉しいがギルマスの仕事があるんでね」
「だよな。私の調べでは、雨天は隣の国の第七王子。実兄の第三王子と狩りの途中、襲撃に遭った」
「!」
(おいおい、同時に襲撃?雨天も暗殺対象だったということか!?)
「第三王子は死亡、雨天は護衛の者と襲撃者を撃退。さらに首謀者を突き止め、その者と一騎打ち、勝利している」
「事実っぽいな、雨天らしい」
「で、首謀者の第四王子は死亡、第四王子一派は取り潰し、表向きは消えている」
「残党がいると?」
「そう、残党から命を狙われている。今まで2回襲撃があったそうだ」
「あ、それは聞いた、食堂の毒と課外研修での襲撃だ」
「まぁ雨天に関してはこれくらいか、バンブと雨天が組んだらどうなるか……襲撃者は余程の腕がないと暗殺命令の実行は無理だな」
「……バンブのことだ、青い飛竜の鱗、渡すんでしょうなぁ」
そう言って仮組みの資材倉庫を見るデテイ。
(別荘?子供の秘密基地って感じだな……なんか楽しそうなだぁ)
「!……そうだな、青い飛竜の鱗、味方にすれば頼もしく、敵に渡れば厄介極まりない。里奈姫のことは聞いているのか?」
「はい、何でも国の宝を盗まれ、それを探しているとか」
「紅玉を探しているらしい、東の国の陰陽師が西にある、と言ったので探しに来たと」
「うーん、今のところ、塔から出た遺品に紅玉はないなぁ、あったら知らせるよ」
「デカいらしい、なんでも塔に入る鍵だとか」
「!」
「気になるだろう?私達にとって塔とはオリオン・ドリオンの塔と……」
「……ラインハトルの塔……ははっまさか」
「東の国にも調査団が何回も行っている、儀式で使う塔のことらしい」
「余程大事なお宝なんだな」
(これ以上は聞かない方がいいかなぁ、なんでそんな大事なお宝が消えたんだ?盗まれた?それとも……邪魔だったか?)
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第百四十話 問題児の内訳・メヘ・委員長編 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




