第百三五話 デテイさんの223枚
こんにちは。
お昼休みです。
みなさん、お昼はまだですか?
MAYAKOは今からご飯です。
「塔は封鎖しているんじゃなかったのか?」
「そこはレイン団長がいるからね、だいたい198階以外どこにも行ってないよ」
「俺にも223枚くれるのか?俺はたいして協力していないが?」
「え?ここにいるだけで、もうデテイさんは協力者だよ、クライマーズ49のパーティーメンバー!それに……」
「保護者だし、ね、デテイさん!」
ユトランがニッコリとデテイに微笑みかける。
「保護者ねぇ……」
こんな息子と娘がいたら、親は嬉しいか?心配の種か?
ある意味、とんでもない問題児だぞ。
さっさと家を出て、独立してくれた方がよくないか?
「……クライマーズ198に保護者は必要か?」
「「必要!」学校にいけないもん!」
ああ、もう俺は足抜けできないんだ、デテイは思った。
(これはゼンリンに……国王ハメられたな、気づいた時にはもう遅い、人生のあるあるかぁ……)
そう思って無頼を見る。
(あ、ニヤけやがった!まぁギルドの悪行を止めきれなかったし、中央区の管理者とも……はぁ……ここは反省と贖罪でおつきあいするか……)
ここでデテイは考えを披露する。
「バンブ、俺の223枚ギルドで使ってもいいか?」
「いいけど?デテイさんの223枚だし、でもどんな使い方するの?」
「通信用の腕輪を作り、これに潜ませる。そしてステータスアップアイテムとして貸し出す、そうだな1回金貨20枚、紛失、破損させた場合は金貨2000枚、どうだ?」
無頼の眼が光る!
「なんだそれは?使い方間違っていないか?」
「いや、無頼さん、これは抑止力になる。金貨20枚でステータスアップできる、これで上階を目指すが、ミスると金貨2000枚の支払いと考える。より慎重に塔を攻略するはずだ。それにホントにミスって死亡しても復活する、本人にとってこれは貴重な経験だ」
「うーん、そうだね、もう一声ほしいな」
「なんだ?バンブ?いい考えと思ったが?」
「このステータスアップアイテムは貴重な品で223個しかないと伝えよう!減らしたヤツは末代まで名が残るとか?」
「えぐっ!1枚一億だぞ、2000枚は安すぎだろう!」
そう言ったのはロック。
「ロック、俺はギルマスなんだ、それにタダでもらった鱗、金だけではなく有意義に使いたいんだ」
「面白いな、貸し出しは審査が必要とするか?ご利用には計画性と技量が必要です、とか?ファルコンキャロット家から人を出してもいいぞ」
そのやり取りを静かに聞いているレイン。
(ああ、デテイは根っからのギルマスなんだな。組合員のことを考えての行動か、それに利益も考えているようだし……うちに欲しいなこいつ……あ、先輩か)
こんど騎士団について相談してみるか?とか考え出すレイン団長。
ギルドマスターとして騎士団をどう捉えているか、聞きたくなったのだ。
コトン。
椅子から立ち上がる無頼。
「今日の話はここまでかな。バンブ、学校は明日からでもいいぞ、ロボウとルンルンがもう用意している。好きな時間に行くといい」
「帰るのか?無頼?」
「いや、温泉に浸かって今夜はここで寝ることにする、デテイさんと話もあるのでね。では解散!」
解散と聞いて焦り始めるロック。
「お、おい、俺の鱗の保管は……」
「バンブかレインに相談するんだな、まぁ多すぎる鱗は破滅を招くぞ」
笑いもせず、無表情で対応する無頼。
「そ、それは本家も同じだろう!」
「ふっ、そう思うか?」
無頼はロックを一睨みすると、その場を去った。
無頼にとってロックは高度な技術者止まりだ。
その人柄に魅力を感じないのだ。
(私とは気が合わないな)
ロックは大事な機会を逃した。
ロック本人は、それにすら気づいていない。
レインはすぐに思った。
(愚かな、ファルコンキャロット家当主との会合だぞ、この機会を軽く見るとは……まぁそれもお前の道か……)
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第百三六話 無頼の目指す場所 です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




