第百三六話 無頼の目指す場所
今晩は。
投稿です。
無頼には行くところがあった。
そう!目指すは半壊し、露天風呂状態の温泉だ!
一部はそのままにしろ、風流だ、とか本家が言い出したので、壊れたままである。
実は温泉大好きの無頼、宿泊施設にしてもよい、との返事を王都よりもらい自ら施設を設計し業者へ発注!人生スキップ状態なのである。
分家の借金問題も解決しそうだし、一段落である。
デテイの人柄も気に入った。
レイン団長もしかりだ。
ユトランの努力も大いに評価したい。
(乗法を習い、自力で除法に辿り着いた?力だけの白魔道士ではないということか、それに……おそらくその努力の先には必ずバンブがいる。子供ながら好ましい人物だ)
……おーいルンルン!タオルいいかな?……
……無頼さま、浴場にありますよ……
……石鹸は?……
……一式揃っています、あ、入浴料はいりませんから、今日はサービスしておきます……
……おい、まてっ!私から金を取るつもりか!?……
……無料での入浴ですか?……本家が?……
……ロ、ロボウ!?お前まで!?……
……いえいえ、無頼さま、塔のアイテムは簡単に換金出来ないほど高額でして……我がチキンキャロット家は未だ現金が少のうございます……
……何だと!?……
……明日の食材の買い出しのお金が……
……私が何とかしよう……
……そういって分家の借金を増やされても困りますが……
……そんなセコいことはせん!我はファルコンキャロット家の当主だぞ!……
……いや、ファルコンキャロット家ほど怖いお家はありませんので……
そう聞いて笑い出す無頼。
……あはははっ……確かにそうだな……
無頼は自宅よりボロボロでキャンプ状態の分家の方が、好きなようである。
「ロックさん、鱗、預かろうか?」
バンブが手を差し伸べる。
青い飛竜の鱗は、確実に狙われる。
ロックは消される、バンブはそう判断した。
少なくとも無頼の中では、もうロックは死んでいるのだ。
バンブの提案のホッとするロック。
「すまん、頼む」
「あと、本家には注意が必要だよ」
「なんだよ?それ?お前の本家だろ?」
「僕や僕の関係者には優しいけど、他には容赦ない性格だからね」
「そうか?そうは見えないが」
(あまいよ、ロックさん)
「ロック、お前は若くて考えが甘い」
「はぁ?あまい?あまいのはお前の方だろうデテイ!」
「そうか?」
「あまいだろう?デテイ!1枚一億の鱗をたったの2000?売った方が金になるだろう!子供でも分かるぜ!」
「ははっ、おい!ロック!お前その金で何をする?」
「え?」
「このアイテム、敵対勢力に渡ったらどうする?最強の戦士を223回殺さないと死なないんだぜ?そんなん王都が許すと思っているのか?」
「!」
「無頼は俺達を試したんだよ!クリアしたのは欲のないユトラン、目的のあるバンブとレイン、話しを無欲なユトランに合わせたルンルンとロボウさん、それとアイテムをギルドに活かそうとした俺、お前以外は認められた」
「……俺は?」
「お前は金の奴隷になった、それはそれでいいんだが……」
「いいのか!?」
「ああ、人それぞれだ。しかしファルコンキャロット家当主はお前を技術者としては認めるかもしれんが、それまでだ」
「!……どう言うことだ?」
「これから先の進展はない」
「意味が分からん!」
「ロック、キャロット家は、ゼンリンに繋がるとんでもない家なんだ。お前の素性は知らんが、もう少し世界を広げるんだな」
ここで素性を出したデテイ。
王との関係を少なからず知っているのだ。
今更ながら青くなるロック。
「なんだと?俺に説教か!?」
「それだ」
「はぁ?」
「その怒りをコントロールしろ、まずはそれからだ。そうしないと早死にするぜ」
「!」
「デテイの言うとおりだ、感情をコントロールすることは負けでも、恥じでもない、生き残るための術の一つだ、これができないと騎士団に入団できない」
「レイン、俺は別に騎士団に入るつもりはねぇ!」
周囲からの指摘は、ロックのプライドを少なからず傷つけた。
そんなロックを見てバンブは思う。
(ロックさん、今の皆の指摘に悪意はない、気づいてよ!ここで怒ってはいけない、笑い飛ばすところだよ!)
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第百三七話 世界は全て敵だった の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




