第百三十話 大金
今晩は。
投稿です。
朝夕は寒くなりましたね。
あ、熊本の話しですが。
「ブンドルでは鍛冶屋のオヤジが先祖の防具が帰ったと喜んでいた」
「防具?」
「ああ、つなぎ目の伝授が途切れていたそうだ、これからは帰った防具を参考に更に良い防具ができるみたいだぜ、バンブにはお礼がしたいそうだ」
「嬉しいけど……困る」
「こんな話しは装備やアイテムの鑑定が進むと、山のように増える。まぁお前の財産と我が国の国益はとんでもないことになるだろうな」
自然と視線がバンブに集まる。
借金没落貴族が一日にして世界有数の人脈と財を手にした。
大金と権力を持つと、人が変わる。
その人の人柄は、大金を持たせないと分からない。
狂う人もいれば、変わらない人もいる。
そしてバンブは一言。
「めんどくさい」
「おいおい、一生遊んで暮らせるんだぜ?どこへ言っても国賓クラスだ!」
「国賓……大金かぁ……ロックさんはそれでいいの?」
お金で苦労しているバンブ、他の人の価値観が聞きたいのだ。
皆は、お金をどう捉えているのだろう?
「ああ、他になにがある?」
「他に……それを僕に聞くの?」
「お前が聞いたのだろう?」
ここで本家が止めに入る。
ロックはどうもイラついているようなのだ。
本家はすぐにその意識の状態を読み取る。
(レインと喧嘩でもしたか?それともクライマーズ198の名が欲しかったか?お前はお前で、立派なゴーレムマスターだと思うが?)
「バンブ、考えは人それぞれだ。ロックさんの世界は『大金は遊んで暮らせる』世界なんだ。それもよし」
普段だったらバンブはここで黙るのだが、今回は違った。
「レイン団長はどう思う?」
「え?グビグビ……私か?金は欲しいよ、こんなうまいワインも金で動いている、装備も騎士団の運営も金だ」
「だろ?レイン、分かってんじゃねぇか、しょせん世の中の基本は金だぜ」
ここでレイン団長がニヤついた。
「ふふっ、金は大事だ、少しでも多く欲しい、だが金の奴隷はゴメンだ」
「!」
ワインを持つ手が止まるロック。
ロックとレインが睨み合う。
その目は刺すような視線で、お互い譲らない眼だ。
「レイン団長、奴隷とは?」
バンブの眼が光る。
(お金の奴隷とは面白い考えだ)
「金は使い方次第だ、金で遊ぶヤツは金に遊ばれる、我がブンドル騎士団は金を大事する、飲んで騒いでハメは外すが、金で遊んだりしない」
そのレインを冷ややかな眼でみる無頼。
(遊びねぇ、こいつは散々戦場や騎士団内外で男女区別無く弄んでいなかったか?まさにもてあそび、遊び、だ。強いのは認めるが、危険人物だ、よくバンブやユトランさんはコイツを抑えているな)
バンブはバンブで考える。
(お金で遊ぶとは?飲んで騒ぐ?楽しんで遊んでいるよね?レイン団長のお金で遊ぶってなんだ?)
「ユトランはどうだい?」
「え?ユトラン?ユトランはお金の先にある物がほしい」
バンブの頭上に『?』マークが浮かぶ。
(ユトラン?お金の先?僕の理解の外なんだけど?)
「なにそれ?お金の先?」
「そう、置物のネコとか丈夫な装備品とか、あと!美味しいお菓子とか!」
「お金自体は欲しくないの?」
ユトランの考えに興味を示すバンブ。
「うん、ユトランはやっぱりお金の先かな」
「授業料はどうだ?結構高いぞ」
意地悪そうにレイン団長が尋ねる。
「え?授業料の先に勉強があるのでしょう?ユトランは勉強がしたい、そのためのお金、お金の先の勉強だよ」
「今回は王都から金が出るけど、普段だったらどうする?」
「塔で稼ぐ、勉強のため!」
「ふふっ、いっぱい稼ぐか?山のように!クライマーズ198は名前だけでも金になるぞ」
レイン団長がユトランを試す。
(ユトはどんな考えなんだ?)
「え?欲張りはダメだよ、ユトラン知っているもん、欲張りは塔で命を落とすって」
「!」
この言葉は深くレインに突き刺さった。
(塔だけではない、欲張りは堕ちる、私も見てきたではなか……欲望まみれの者達の行く末を……)
今回はここまでです。
次回サブタイトルは未定です、投稿も未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




