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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百二九話 遺物     

こんにちは。

3時です。

お茶の時間です。


「おお、有り難いぜバンブ、自由に使わせてもらう、で、ギルマスはどうするんだい?」

「!……俺はとにかく忙しい、3ヶ月はバンブとユトちゃんの保護者だし、塔から排出されたアイテムの管理もある。あと王都から派遣された調査団との話もあるし」


 これが悩みの種だ。

 塔から排出されたアイテム、要はこれは遺品なのだ。

 塔内の忘れ物、落とし物もあるが大半は遺品である。

 通常、装備品や貴重なアイテムは仲間や上位クライマーズが回収して持ち帰るのだが、遙か上階で全滅したクライマーズのアイテム、装備品は回収されない、いや回収できないのだ。

 当たり前のことだが、上階の敵は下階も強い。より強いクライマーズでないと上階への挑戦は死である。

 そう、力無き者、及ばざる物は死、である。

 ドリオンの塔で67階まで上ったパーティーがある。

 そしてそこで全滅した。

 装備品、アイテムはそのままである、誰も回収できないし、放置だ。

 遺族は遺品を欲しがったが、ただ塔を眺めるだけだ、こうしたパーティーは無数にある。

 もう戻れないと分かって、ひたすら上階を目指したパーティーも数多くいるのだ。

 回復役の死亡、アイテムの不足、食料確保ができなくなった、それぞれの障害で全滅するパーティー。

 その放置されたアイテムが、ドリオンの塔攻略によってリセットされたのだ。


 ドリオンの塔から排出される装備品、アイテムは膨大だった。

 数千年分の上位装備、アイテムが塔から戻されている。

 そして遺族達は、チキンキャロット家当主殿クライマーズ198に感謝した。

 それは遙か先祖の遺品であったり、家族の形見。


「中にはとんでもない物あるグビグビ」


 ワインをガブ飲みするレインが喋り出した。

 かなり酔っているようだが、言葉はハッキリしていた。


「まぁ私は立場上、塔返還の遺物に立ち会っているが、南の国の宝剣がでてきた」

「!」


 驚く無頼。


「本物か?」

「ああ、鑑定士全員間違いないと」

「バンお兄ちゃん、南の国の宝剣って?」

「50年ほど前に消えた王位認証の剣だ、だよねロボウ?」

「はい、消えた宝剣、隠された宝剣としてお話しが残っています」

「そんな宝剣が見つかったの!?」


 ユトランは素直に見つかってよかったね、と思う。

 しかし現実はちょっと違う。


「噂では当時の王子がかってに持ち出し、無謀にもドリオンの塔に挑戦、そのまま死んだらしい」

「なにそれ!?」

「ここからが大問題だ、それから南の国は王位継承が乱れた。認証の剣、王の証としての剣がないのだ、当時の南の国の者達は我が国に剣の返還を求めた」

「え?」


 驚くユトラン。


「しかし、あくまで噂だ、確かめようがない、そこで南の国の騎士団を塔に招待したのだが、これも全滅、結局剣は不明のままだ」

「それが出てきたと?」

「ああ、今南の国は内乱で荒れている、この剣の所有者が王だ、さてどうする?クライマーズ198、バンブ」

「ぼ、僕に聞かないでよ!」

「だよな、これもゼンリンと貴族会、元老院が話し合っている」


(え?見つかって大変なの?ユトラン、よかったね、としか思わないけど……)


「……あの、レインお姉ちゃん、それだけなの?他には?」

「お?いい質問だ、他にも似たような話が多分、数千年分ある」

「!!!!!!!!!!!!」

「西の小国に短剣を返した、鑑定士が言うには150年程前の戦士の短剣だそうだ。今はこの戦士の子孫が騎士団長になっている。バンブ、お前も傭兵なら知っているだろう?あの勇敢なタンバ騎士団だ。そこでバンブに感謝状が来ているぞ、それと借金の返済に充ててくれと金塊も」

「!!!!!!!!!!!!」


 結果、そうなっただけでバンブとしては戸惑いしかないのだ。


「まだまだあるぞ、この手の話し」

「えええっ!?」


 予想しなかったこと、さすがにこれは予想できなかった。

 めんどい、ただ面倒い。

 バンブはそう思った。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第百三十話 大金 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

登録、評価、お待ちしております。

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