第百二四話 屋敷にて
今晩は。
投稿です。
新築半ばのチキンキャロット家には錚々たるメンバーが揃っていた。
チキンキャロット家当主、クライマーズ198のバンブ・チキンキャロット、白魔道士ユトラン・ニャンコ、ブンドル騎士団騎士団団長ナルオーエル・レイン、ゴーレムマスターのエフェクト・ロック、ギルド・クラギのマスターデテイ、人造獣人ホラー・ルンルン、東国忍び、路傍一心。
そしてファルコンキャロット家当主ファントム・ザ・無頼。
「バンお兄ちゃん、新しいお家だね」
「ああ、まだ食堂しかできてないけど」
「屋根があるだけもいいと思いますよ」
そう言って、ロボウがオニギリを配る。
その様子を見て、何度も驚くバンブ。
「ロボウ、40歳くらい?」
「あひゃひゃひゃ、そう見えますかな?実は握力も戻りましてなぁ」
とんでもなく嬉しそうなロボウ。
「頂き物のカボチャの種、大事に育てておりますぞ」
「収穫が楽しみだね」
「はい、バンブ坊ちゃん……いえ、バンブ様」
大地の大精霊よりの贈り物、一粒とて無駄にできない。
ロボウとルンルンは尊敬と畏怖、愛情、感謝を込めてカボチャを育てている。
「おい、バンブ」
「何です?本家さま」
「無頼でいい、各国から貢ぎ物が止まらん、もう本家の倉庫にも入らんぞ」
「え?なんです?それ?」
「お祝いの品だ、全部王都からきた検察員が調べているから怪しい物はない、ないが如何せん、数が多すぎる!」
「そんなにきているんですか!?」
「世界中からきているぞ!借金の肩代わり申請も数え切れん、中には姫を送ってきた国もあったぞ」
「えええええ!?」
驚き固まるバンブ。
そして、暗く輝き始めるユトランの眼。
姫と聞いて、呆気にとられるルンルン。
ワインを傾ける手が思わず止まってしまう。
「姫?女の子!?生もの送ってきたのですか?どうします?バン様?」
「どうするも、どうしたらいいの?送り返せないよね?」
そう言って無頼に視線が向くバンブ。
横で呟くユトラン。
「……なんで送り返せないの?」
(バンお兄ちゃん、その女の子に興味あるの?)
答えたのはロックだ。
「ユトちゃん、もぐもぐ、その姫は生贄だ」
「!」
「送り返されても姫の行き場はない」
「そ、そんなぁ……酷い……」
「……よくあることだ、グビグビ」
レインは高級そうなワインを、浴びるように呑んでいる。
「これも呑んでいいか?西の国のワインのようだが?」
お酒好きのレイン。
(ここは天国かっ!?)
「好きなだけ呑んでください、いいよな?ロボウ?」
「はいどうぞ、ルンルンは呑まないのですか?」
「私は呑みだしたら止まらないからなぁ、やめておきます」
さて困ったバンブ。
塔の攻略に集中したいのだが、周りがさせてくれない。
バトルにおいては鋭いセンスとその技量で相手を翻弄するが、政治的な駆け引きは苦手である。
「姫はゼンリンは引受けた、政治的なことはゼンリンに任せろ」
「……無頼、あそこは結構危ないところと聞いているんだけど」
「ああ、お前の価値がさらに爆上がりしたからな、予防線を張りまくるらしいぞ」
「……どんな?」
「話していいか?」
「いいよ、ここにいるメンバーは情報を共有しないとまずい」
「お前の嫁候補、婚約者が決ったぞ」
……!!!!!!!!!……
無頼以外の人物が、全て固まる!
それはまるで石化の呪文のようだ。
もしかしたら、一部の読者も固まっているかもしれない。
作者もお話し作っていて、ビックリした。
「お、お、おい無頼、初耳だ!?なんでここで話すんだ?」
「ごら、バンブ、今なんっつった?情報の共有はどうした?」
……そして静かに流れ出す歌声。
「え?ユトラン!?」
「……他の人に渡すくらいなら……ここで終らせるね」
「ちょっと待ってぇええ!?」
金色の眼のユトラン!?
「みんな道連れよ、これで綺麗にお別れ、うふふっ」
思い詰めた表情で本格高速詠唱を唱え始める!
「バ、バ、バンブ!やめさせろっ!詠唱中止っ!」
誰かが叫んだ!
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第百二五話 週刊王都芸能 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




