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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百二十話 明かされた物語     

こんにちは、投稿です。

三時のお茶の時間には、ちょっと遅れました。



「権力を前に我々は無力でした、ここはそういう闇の一面を持つ学校だったのです」

「呪符で相手を縛るのは禁呪ですよね」


 バンブは質問せずにはいられない。


「はい、忌むべき行為です」

「簡単に解呪はできないはずですが?」

「はい、ですが……そうですね、当時、今日のようにこの学校を訪れた方がいまして」

「見学ですか?」

「はい、貴族の方で将来子供が生れたら、この学校に入学させようかと下見に」

「大丈夫ですか!?やめた方がいい」

「バニッシェン」

「何です?デテイおじさん?」

「ここは闇が深いが、昔からとんでもない人物を輩出し続けている学校でもあるんだ。授業料は高いかもしれんが、オリオン・ドリオンの塔からの恩恵で、人、モノ、金が集まる。優秀な人材が集まり、更に優秀な人材を生みだすんだ」


 事実、優秀な人材が多く輩出され国の内外で活躍している。

 ブンドルの街は塔の恩恵で人、物、金、全てが循環しているのだ。


「犠牲者が出たら意味が無いのでは?学業の場で死者はダメでしょう?」

「クライマーズも塔で数多く死んでいる、あそこは職場だ」

「学校も塔も変わりないと?詭弁ですね」

「バン、理想と現実は違う、お前こそ詭弁だぞ」


 ここでバンブはデテイを一瞥し、先生を睨む。


(ろくでもない学校だな!教師とは?先生とは?)


「そこで……その見学の方が、レインさまの状態を見抜き、解呪したのです」

「白魔道士!?しかし禁呪は簡単に解けないはず、だよな?ユートニア?」

「はい、そう聞いています」


 そうは言ったモノの、白魔道士ユトランは防御力無視の超絶白魔道士、試したことはないが殆どの禁呪はユトランにとって無効になる。

 そしてその力は自覚することによって更に強まり、バンブと出会ったことで覚醒を重ねている。


「凄い白魔道士ですね」

「いや、その方は白魔道士ではありません、賢者クラスの魔法使いでした」

「!」

「そして、レインさまから現状を聞き、その方は元老院、貴族会に通報」

「しかしそれは……(そいつも危なくないか?消されるぞ!)」

「はい、却下されました」

「でしょうね、相手の生徒達は全員貴族なら、相当な権力持ち」

「はい、ですのでその方はゼンリンに話しを持って行かれたのです」

「!」

「バンお兄ちゃん?ぜんりんって何?」

「……王族の定例会のことだよ」

「え!?レインお……団長助けた人って、王族だったの!?」

「話しは直ぐに通り、王族が動きました。下された裁決は決闘です」

「え?」


 驚くユトラン。

 バンブはそうだろうな、と予測した通りのようである。


「加害生徒は非を認めません、その親も一族も、刃向かう者を制しただけだと。これを見逃すと世が乱れるとまで言いましてね」

「……何それ……」


 怒りが増し始めるユトラン。

 ユトランは落ち着くために、バンブの手を握りしめた。

 バンブの手は、ユトラン専用の『手』なのだ。

 そしてユトランは、この安心な安らぎの手を誰にも渡すつもりはない。


「ならば、力を示せ、となり、加害生徒12名とレインさまの決闘となりました」

「え?12対1ですか!?酷くないですか!?」


 手に力が籠もるユトラン。

 しかしバンブの考えは違った。


「団長さまなら瞬殺では?」


 当時レインが何歳でどれだけの実力かは知らないが、ある程度は予測出来る。


(レイン団長だったら余裕では?多分呪縛は人質を取られたか何かで、縛られたのだろう)


 バンブそう推測する。


「瞬殺ではありませんでした」

「!……レイン団長なら、と思いましたが?」

「12名、なぶり殺しです」

「「!」」

「優しい方でしたが、呪縛で人が変わられたようです。それは今でも続いていると聞きます、敵味方問わず、弄(もてあそ)び捨てると……お労(いたわ)しや……レインさま……」


 その言葉は、苦渋に満ちていた。


「……その12名の家はどうなりましたか?」

「すべて取り潰し、全財産没収、国外追放です」

「そこまでしますか」


 そうは言ったものの、あの国王ならやりかねん。バンブは勢いのある国王の言葉、態度を思い出す。


「さらに隠蔽を図った元老院、貴族会の一部のメンバーも同様です。今この学校があるのはレインさまと、当時のチキンキャロット家当主さまのお陰です」

「え?」


 愕然とするバンブ。


「今、なんと?」

「レインさまの呪縛を解き、ゼンリンに働きかけて下さったのは、当時のチキンキャロット家の当主さまです」

「……」


 言葉が出ないバンブ。


「え?」


(え?誰が……団長を?……解呪、呪いを解きゼンリン?そんなことができたのか?賢者クラスの魔法使い?……僕は……僕は知らないぞ!そんなことっ!いつの話しだ!?)


次回サブタイトルは 第百二一話 握られた手 です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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