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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百十五話 雨天の一言     

こんにちは。

三時です。

お茶の時間です。


 更にベリナは続ける。


「でよぉ、ここで折れた木剣を握って、真横に薙いだんだ、こういう感じで!」


 スッ、と舞うように折れた木剣を薙ぐベリナ。


「あ……はい、それで……ここで雨天君の木剣が折れます、雨天君の木剣を折るとは、相当な技です」

「で、雨天がちょこっとだけ本気を出して、いや、焦ったのかな?木剣を折りながらバンを吹飛ばしたんだ!ここでバンは腕を痛める」

「どうでぇす?バン君は転がり、雨天君は木剣を折られた反動で腕を負傷」


 皆の視線がバンブと雨天に集まる。

 さっ、と手を放すユトラン。

 視線が集まると、恥ずかしいようである。

 まぁ実際視線が集まったのはバンブと雨天なのだが。


「ほぼ、正解だ、だよな?バン?ただバンが痛めたのは腕ではなく指だ」

「……」


 じっと雨天の左腕を見るバンブ。


「あ?腕か?」

「折れていたはず」

「ははっ、このクラスには優秀なヒーラーがいるんだ、我がクラス自慢の保健委員!」


 背の高い男子が手を上げる。

 しかしその表情は険しい。


「どうした保健委員?」

「いや、なんでもないよ」


 その目はバンブに向けられ、明らかに不信の目である。


「回復ありがとなぁ、バンも回復してもらったのか?お前、指の骨、折っているだろ?」

「まぁね、でも僕の方はユートニアに回復してもらった、ありがとう、ユートニア」

「……ふふっ、どういたしまして」


(バンお兄ちゃん、あの男の子、気づいたかな?バンお兄ちゃんの魔法無効……)

(ああ、多分な、でも呪符で弾いた、ということにいておこう、その辺は打ち合わせ通りにね)

(うん、分かった)


 ここで生徒達が一斉にざわめき出す!


 ……おいおい!……

 ……あの弓の腕にプラス、ヒーラー!?……

 ……優秀過ぎないか!?……

 ……いつ回復したんだ!?……


 パンパン!と手を叩く先生。


「ほれ!静まれ!さて生徒諸君、これが上位戦士達の戦いだ!ギリギリの判断、日頃の鍛練、これが如何に大事か……バニッシェンくんとユートニアくんにお礼を」


 一同は礼をし、拍手が始まる。

 もちろん雨天も深々とバンブに頭を下げた。

 これにはちょっと驚くバンブ。

 もっと不遜か、と思っていたのだ。


「おい、バン!」

「なに?」

「明日からか?学校?」

「まだ決めていないよ」

「来いよ、学校!おもしれーぞ!食堂のメシは美味いし、夜更かししても怒鳴る親もいねぇ!風呂に速く入れ、とか髪切れとかうるさくないしよ!」

「来るとしても、寮には入らないよ」

「あんだよ、連れねぇなぁ、でさぁ!あのな、お前の得物、なんだよ?教えろよ!」

「ふふっ」

「ふふっ!?っんだっと!?こら!教えろよ!」

「やだね」

「なっ!?てめぇ友達なくすぞ!いや、お前いないだろ!」

「ああ、いないよ、必要ない」


 その言葉にはっ、とするユトラン。


「はぁ?なんだよ!その孤独な世界は!俺がダチになってやっからよ!」


 冷ややかな眼のバンブ。


「雨天君、君は稽古仲間が欲しいだけでは?」

「……そうだよ!わりぃかよ!俺と対等に稽古できるヤツ、上級生にもいないんだ!先生だってやっとだ!なぁ剣について話そうぜ!」


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第百十六話 ダチ です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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