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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百十一話 折れた木剣     

今晩は。

投稿です。

サブタイトル変わりました。


 すっ、と木剣を構え直す雨天。


(雨天くん眼が怖いよ?これは逃げられないな、でも一言、言っておくか)


 ユトランを意識するバンブ。


(この戦い、ユトランはどう見ているのだろう?学生さんの稽古?それとも?今後のこととか心配して不安に思っているとか?)


 ユトランは心配どころか、こっちもスイッチが入ったようである。

 ここはもはや二人にとってオリオン・ドリオンの塔と、なんら変わらない。


(先生が止めない?まぁそれならそれでいいけど。ユトランもスイッチ入ったみたいだし)


「雨天くん、一言いいかな?」

「なんだ?」


 バンブは仕掛けた。


「君は卑怯だね」

「な、なんだとっおおおおっ!」


 一瞬で顔が真っ赤に染まる!


(ダメだよ雨天くん、ここで怒っちゃ相手の思うツボだよ?ふふっ)


「あと、やはり弱い」


 そして今度は青くなる!

 雨天の眼に明らかな殺気が宿り始める!


「雨天君は、剣を投げ寄越した時点で負けている、そんな勝ち方して勝利と言えるか?」

「勝てば良い」

「そう?振り返って恥ずかしくない?黒歴史になるよ、必ず」


(ここで雨天くん、脱力すれば凄いけど)


 雨天は怒り心頭、激怒である!


(ああ、身体に力が入りすぎている。これなら僕でも勝てるかな?いや、それでも難しいや)


 雨天はバンブの言葉に転がされたのだ。

 バンブが木剣を構えた瞬間!

 一気に間合いを詰め、雨天は仕掛ける!

 バンブも間合いを詰める!


 ガツッ!と木剣が激しくぶつかり合う!


 この時点で雨天は勝ちを確信した!

 木剣を受け止めたが、バンブは明らかに力負けしている!


(勝った!押し切れるぞ!)


 嬉々とする雨天!

 雨天はそのまま木剣を滑らせバンブの肩、頸を狙う。


 カックン!


「え?」


(バンのヤツ!脱力しやがった!?)


 ここからは一瞬だった!


 バキイイイイイイッ!


 次に見えたのは折れた二本の木剣!

 ゴロゴロと転がりユトランの横に辿り着くバンブ。


「いてててっ」

「バ、バンお兄ちゃん!?」


 片や雨天、その場に座り込み、腕を押さえている。


「いてててっ」


 ……え?……

 ……おい、見えたか!?……

 ……いや……

 ……俺、見えた、すげぇ技だった……

 ……どんな技だよ!……


 雨天は、そのままゆっくりと立ち上がりバンブに近寄って来る。


「バン、てめぇ、汚ぇぞ!」

「あれ?勝てば良かったんじゃ?」

「チッ!もう一度勝負しろ!」

「イヤだね、雨天くんの勝ちでいいよ」

「っだとぉ、ごららぁああああ!」

「そこまでだ、雨天」


 ここでやっと先生が声を上げる。

 ピタリ、と止まる雨天。

 どうやらこの先生の声には従うらしい。


「バニッシュン君、見事だ」


(早く止めて下さいよ)


 と思いながら、出た言葉は謝罪の言葉であった。


「すみません、木剣を折ってしまいました」

「いや、こちらこそ早く止めなければいけなかったのだが、いい動きをいていたからね、ついつい次手を見たくなった」


 軽く先生を睨むユトラン。


(ユトラン!?唱えちゃダメだからね!)


 今にも高速詠唱を唱えだしそうなユトラン!

 バンブは眼で合図を送る!


(とどいたよね?)


 そう、ユトランは確かに合図を受け取っていた。


(分かったよ!バンお兄ちゃん!いつでも此奴(こいつ)ら、ヤレ(殺)るよ!)

……合図は受け取ったが、意味がちょっと違っていた。


次回サブタイトルは 第百十二話 教えろよ! の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます!

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