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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第百十話 勝負!     

今晩は。

投稿です。


「すスゲぇな!ユート!」


 頬を紅葉させ、喜び驚くベリナ。


(かすめた?ありえん!この子、何者だよ!?それによく引いたな、この弓を!)


「ベリナさん!言葉!『凄いな』もしくは『凄いですね』とって下さいっ!失礼ですぇっ!」


 驚き駆け寄るベリナ。

 初めての弓で、それも和弓で的に当てた?

 ベリナ判定は、少しでも掠れば当り、である。


「あたいの弓、見てたんか?」

「え、ええ、見ていました」


……ちちちちちょっと凄くない!?……


(確かに)


 改めてユトランの才能にビックリするバンブ。


 ……転校生すげぇ!……


(いやまだ僕達ここに来るとは……)


 ……なに?名前は!?どこの出身よ!王都?……


(設定ではデテイの故郷ってなっているよ)


 ……メガネっ娘……


(二回目だ、誰だ?メガネっ娘好きがいるぞ!)


 ……あれって、ベリナの得意な『蛇行』じゃん!……


(ユトラン、本気出しちゃマズいだろ?)


 ……ねぇねぇ、お兄さんかしら?なんか姿勢よくない?……


(普通だよ)


 ……妹さん、声、綺麗!……


(滑舌もいいいよ、なんせ高速詠唱唱えるくらいだし)


 ……お兄さん、どんな声かしら……


(普通だよ)


「ユート、普段から使っているのか?弓?」


 ベリナからの質問攻めが始まる!

 とにかく聞きたいのだ!

 この新しい、ちっこい生き物は何なのだ!


「えっと、はい、もっと小さくて短い弓と矢ですが……」


 周囲の生徒達がワキャワキャと騒ぎだし、ジワジワとユトランに寄って来る。


「いつから弓を?あたいは3歳くらいからかな、他にも得意な得物あるのか」

「ベリナさん、武器とか言って下さいでぇす!」


(あ、圧が……ユトラン、怖いかも……)


 段々と後ろに下がり、ついにはバンブの後に隠れてしまう。


(うう、バンお兄ちゃん……)


「おい、見学者を追い詰めるな!」


 ……でも先生、あんな技見せられたらサ……


「ほい、転校生!」


 絶妙なタイミングで、木刀を投げてよこす雨天。


(罠だな)


 即座に見抜くバンブ。

 傭兵でもあるバンブは実働館に入館し、稽古を見ている時点でスイッチが入っている。

 木剣は高く放物線を描き、バンブに迫る。

 バンブは、眼と身体で木剣を取る仕草をしてみせる。

 そこにニヤついた雨天が打ち込んできたのだ!


(ほらね!)


 ……ああっ!?……

 ……雨天くん!ダメだよっ!……

 ……おい!雨天!やめろ!……


 バンブは弧を描く剣を取るフリをしながら、そのまま踏み込み突き進む!


「!?」


 驚いたのは雨天だ!

 気づいた時にはもう遅い!雨天はバンブを見誤ったのだ。

 振り下ろされた剣は空を斬り、ロボウ直伝の『足払い』が決る!


 はずであった!


 足は払ったが、絶妙なバランスで身をひねり、後方へ飛んだのだ!


(凄い身体能力だな、でもこの間合いは譲らないよ!)


 着地点を狙うバンブ!


「うげっ!エグいことしやがる!」

「お互い様さ!」


 しかし木剣と素手では間合いが違う、圧倒的に木剣が有利である。

 しかも相手は剣の使い手だ!


 カッ!


 乾いた音が実働館内に響く!

 ユトランが木剣を蹴ったのだ!

 手で拾い投げる、これでは間に合わない。

 ならば、蹴る!


 なぜかうまく行く気がしたユトラン。


「バンお兄ちゃんっ!」


 蹴った瞬間、どこからか聞いたことのある声が!


 ……むっほむっほ……


 多分気のせいだろう。


 剣は見事、バンブの左手に収る!


(まぁ本来なら着地点に氷の魔法を使って滑らすのだけど)


 雨天は降りてこなかった。空中に浮いているのだ!

 空中にいくつもの水球を出現させ、足場を作り、バンブを見下げる。


「雨天くん、魔法使っていいの?」


 ゆっくりと降りてくる雨天。


「仕切り直しだ」


(おいおい、仕掛けたのはそっちだろ?なに仕切り直しって?)


「雨天くんの勝ちでいいよ、本気出さなかっただろ?」

「……気に入らねぇなぁ」

「お互い様さ」


 さて、ここらで先生、止めに入らないかぁとか思っているバンブ。


(え?止めないの!?)


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第百十一話 教えろよ! の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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