第十一話 身の上話、バンブの過去
今晩は。
投稿です。
……むっほむっほ、そうだ、正直に言うがよい……
……バンブが自分のこと話すの、ストライプが初めてよ……
(え?)
ふっ、とユトランの肩に現われる小さなお姉さん。
「バ、バンブくん、ど、どのくらいお金なのですか?」
(あ、聞いてよかったのかしら?)
「国家予算級」
「はいっ!?」
「隠しても仕方ないかぁ……実は……」
「実は?」
「僕、貴族なんだ」
「!?」
(ユトラン、ビックリ!いや、でも言葉使いとか装備とか、もしかしたら?とか思ってはいたけど……でも借金って?もしかして……ぼ……)
「……没落貴族さ」
「ご、ごめんなさい」
「謝ることはないよ、パーティーを組むんだったら、動機は大事だし……」
暫し沈黙する二人。
小鳥が近くの枝に留り、囀る。
ピピッ、チチチチチチッ。
「……最初は母が病気で亡くなったんだ」
「!」
身の上を話し始めるバンブ。
静かに聞くユトランと小さなお姉さん。
お姉さんの眼は真剣で、バンブの口元を見つめていた。
ウソはゆるさん、そんな気迫が窺えた。
「それで父が新しいお母さんを連れてきて、義母だね」
(ちちぃいいいいいいいっ!?)←ユトラン、心の叫び。
……むっほむっほ……5歳時じゃ……
「そ、そんなぁ!」
……悲劇は続くのよ……
「え?」
(もしかして浪費家!?)
「それで継母は凄い浪費家でね」
(ちちぃいいいいいいいっ!?)←ユトラン、魂の叫び。
「一気に家が傾き始めたんだ、そして僕が9歳の時、父が塔で死んだ。場所は70階」
「!?……え?な、70階?今現在の最高スコア?……バンブくんのお父さまって……騎士団所属!?」
「で、継母が新しいお父さんを連れてきた」
「!!!!!!!!!!!」
(ちちぃいいいいいいいっ!?)ユトラン、良心の怒り!
「彼らは周囲から借りられるだけお金を借りて、屋敷のモノ、売れるモノは全て売り尽くして逃げた」
「え!?」
「残ったのはボロボロの屋敷と借金」
ユトラン、絶句である。
「その借金を肩代わりしてくれたのが、ファルコンキャロット、キャロット家の本家さ。この借金返済が動機だよ」
……少しだけ補足しておくわ……
小さなお姉さんがユトランに囁きかける。
……バンブの屋敷には執事とメイドいるの、この二人と暮らしているわ……
……むっほむっほ、この二人がバンブを守った……
……バンブの実父は塔の攻略に取憑かれていて、家庭を一切顧みなかった……
……あの者は父と遊んだことがない……
……会話もなし……
……塔を憎んでいる……
……でも借金返済のため、攻略を選んだの……
(ああ、だからクライマーズゼロなんだ。この街の住人だったら一回は挑戦するはず、儀式みたいなモノだし)
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第十二話 ユトランの条件 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




