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ラインハトルの塔 (2026.6)  作者: MAYAKO


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第十一話 身の上話、バンブの過去     

今晩は。

投稿です。


 ……むっほむっほ、そうだ、正直に言うがよい……

 ……バンブが自分のこと話すの、ストライプが初めてよ……


(え?)


 ふっ、とユトランの肩に現われる小さなお姉さん。


「バ、バンブくん、ど、どのくらいお金なのですか?」


(あ、聞いてよかったのかしら?)


「国家予算級」


「はいっ!?」


「隠しても仕方ないかぁ……実は……」


「実は?」


「僕、貴族なんだ」


「!?」


(ユトラン、ビックリ!いや、でも言葉使いとか装備とか、もしかしたら?とか思ってはいたけど……でも借金って?もしかして……ぼ……)


「……没落貴族さ」


「ご、ごめんなさい」


「謝ることはないよ、パーティーを組むんだったら、動機は大事だし……」


 暫し沈黙する二人。

 小鳥が近くの枝に留り、囀る。


 ピピッ、チチチチチチッ。


「……最初は母が病気で亡くなったんだ」


「!」


 身の上を話し始めるバンブ。

 静かに聞くユトランと小さなお姉さん。

 お姉さんの眼は真剣で、バンブの口元を見つめていた。

 ウソはゆるさん、そんな気迫が窺えた。


「それで父が新しいお母さんを連れてきて、義母だね」


(ちちぃいいいいいいいっ!?)←ユトラン、心の叫び。


 ……むっほむっほ……5歳時じゃ……


「そ、そんなぁ!」


 ……悲劇は続くのよ……


「え?」


(もしかして浪費家!?)


「それで継母は凄い浪費家でね」


(ちちぃいいいいいいいっ!?)←ユトラン、魂の叫び。


「一気に家が傾き始めたんだ、そして僕が9歳の時、父が塔で死んだ。場所は70階」


「!?……え?な、70階?今現在の最高スコア?……バンブくんのお父さまって……騎士団所属!?」


「で、継母が新しいお父さんを連れてきた」


「!!!!!!!!!!!」


(ちちぃいいいいいいいっ!?)ユトラン、良心の怒り!


「彼らは周囲から借りられるだけお金を借りて、屋敷のモノ、売れるモノは全て売り尽くして逃げた」


「え!?」


「残ったのはボロボロの屋敷と借金」


 ユトラン、絶句である。


「その借金を肩代わりしてくれたのが、ファルコンキャロット、キャロット家の本家さ。この借金返済が動機だよ」


 ……少しだけ補足しておくわ……


 小さなお姉さんがユトランに囁きかける。


 ……バンブの屋敷には執事とメイドいるの、この二人と暮らしているわ……

 ……むっほむっほ、この二人がバンブを守った……

 ……バンブの実父は塔の攻略に取憑かれていて、家庭を一切顧みなかった……

 ……あの者は父と遊んだことがない……

 ……会話もなし……

 ……塔を憎んでいる……

 ……でも借金返済のため、攻略を選んだの……


(ああ、だからクライマーズゼロなんだ。この街の住人だったら一回は挑戦するはず、儀式みたいなモノだし)


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第十二話 ユトランの条件 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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