第百話 クライマーズ198に群がる者達
今晩は。
投稿です。
実はこの宴会、大いに盛り上がっていた。
それもそのはず、いつもと食べ物が違うのだ!
街の人々、本家、縁ある人達、貴族からお祝いの贈り物が届いているのだ!
オニギリだけではない!
その料理、材料を見たユトラン達のテンションは爆上がりした!
「バ、バンお兄ちゃん!?こ、これ、何のお肉かしら!?」
「バンブ様、珍しい果物が……」
「お、北方の酒じゃん!あ、お肉は氷の魔法で!」
驚き喜ぶチキンキャロット家の人々。
「おい、バンブ、これは騎士団からだ!」
そう言って酒樽を転がしてくるレイン団長。
いや、どう見ても自分が呑みたいから転がしてきたのだろう!
「後日、他にも届け物がくる、それとロボウ殿に剣術指南の話しもある、一日顔出しだけでもいい、考えといてくれ、あルンルンには騎士団からベビーシッターの話がいくつかある」
一気に動き出すチキンキャロット家の世界。
「塔の攻略一つで、こうも世界が動きだし変わるとはね」
そして始まる大宴会!
二時間後、バンブ、ユトラン脱落。
二時間五分後、ルンルン脱落(実はバンブとユトランが心配で席を外したのだ。そしてしのまま寝た)。
三時間後、ロック撃沈。
四時間後、レイン爆睡。
五時間後、ロボウとファントム、お片付けである。
「ほ、本家ファントムさま、ど、どうぞそのまま!片付けなど……」
「ふふ、いいさ、手伝うよ」
「し、しかし!」
「私はバンブの父親の死を、止められなかった」
「!」
「あの時の私は力がなかった、いや力の使い方が分からなかった……いまでもうまく使っているとは思えないが……」
「ファントムさま……」
「今だったら、死を回避できる、それだけ学んだ……ゆるせ……バンブ……」
「ファントムさま、あまりご自身を責められるようなことは……」
「……」
ファントムの場合、後悔、苦悩が残ったのだ。
親しかったバンブは今でも距離を置いている。
昔のように近づくことは、もうあるまい。
ファントムはそれが悔しく、悲しかった。
「塔で得たアイテムの管理は私とギルマスで行なう、監査はお前だ、ロボウ」
「え?」
「不正はナシだ、キッチリ管理する。198階のアイテムだぞ、狙って来る奴もいるはず」
「!」
「まぁそれにお前、ロボウ、その身体どうした?20年は若返っていないか?」
「はい、大地の精霊さまの眷属に、カボチャの種を頂きまして……」
「あの召喚か……凄まじかったな」
「はい」
「青き飛竜にあの召喚術をぶつければ、もっと速く攻略出来ただろうに」
「……間者である私やホラーを助けられた……」
「ふふっそのカボチャ、栽培しろ、種はあるのだろう?」
「は、はい?」
「この屋敷は温泉施設にする、横はカボチャ畑だ」
「え゛!?」
「ルンルンから相談を受けた、王都には話しを通した、問題ない」
なぜ許可が下りた?疑問に思うロボウ。
バンブ様を縛りたがっていたはず!
「その目、疑問か?クライマーズ198の名は強いぞ!屋敷は新たに建て直す。新築の屋敷と温泉の管理は、お前とルンルンだ」
「ならば!」
「ああ、施設が完成したら分家のチキンキャロット家当主殿へ譲渡する、まぁ譲渡とは言ってもバンブが倒した飛竜で得た資金だけど」
「借金は!?」
「本家分は、ほぼなくなる」
「では全額返済!?」
「いや、王都の貴族に借りていた金、南区の貴族とか出てきた」
「なんと!」
クライマーズ198の名前に釣られて出てきた者達か?
「金の亡者どもが、群がり始めたと?」
嫌悪感と怒りが滲み出るロボウ!
「バンブは気づいていない、自分達がどれだけの偉業を成したのかを……今まで数千年、いや数万年かも知れん!誰も塔を征した者などいない!それこそ伝説の英雄や神話世界の話しだぞ!」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第百一話 分家を大事にする本家 の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




