第九話 お仕事時々お買い物②
前話数を改投しましたが、内容の変更はありません。
改行箇所の変更のみです
冴太邸の門を出たところで、ルベルト、シャーリー、クルル、涼花は立ち止まった。
「ところで、買い物はどこでするの?」
辺りをキョロキョロしながら涼花に質問したシャーリー。
「ん――――冴太のお金だし銀座でお買い物しようと思ったけど、あの話を聞いた後だしね」
作り笑顔を浮かべながら自分の頭を撫でる涼花に対し、シャーリーは素の表情で言い放った。
「えっ? 丁度いいじゃない! お買い物して、そのまま仕事して帰りましょ! で、銀座ってどっちなの?」
首を左右に振り、どっちに行こうか迷っているシャーリー。
「はぁ――なんだかそんな予感はしてたんだよね……てか二人はそれでいいの?」
それとなく予想していた結果になり、落ち込む訳でもなく、二人にも意見を求めた。
「俺は大丈夫だ」
「問題ないの」
三人の意見が一致したところで、涼花は開き直り、迷惑料として爆買いを決意するのであった。
「それじゃー銀座に行きますか」
そう言い涼花は歩き出した。
住宅街を抜け、人通りも多くなってきたところで涼花は思い出したかの様に三人に声をかけた。
「そうそう、名前聞いてなかったよね。これから何て呼べばいいの?」
三人の髪色、瞳の色で日本人では無いことは予想していた。
「私はシャーリーよ」
「クルルはクルルなの」
「ルベルトだ」
シャーリー、クルル、ルベルトと順に簡単に自己紹介する。
「やっぱり外国人だったのね。これからよろしくね」
右手を出し、全員と握手を交わした。
「外国人ってなんだ?」
ルベルトが聞いたことのない単語に疑問を持ち、涼花に聞き返した。
「えっ?……え――と、ここは知っての通り日本って場所なんだけど、他の国から来た人を外国人って呼ぶのよ」
三人ともあまりにも日本語を知っていたから単語もほとんど知っているものだと思いこんでいた涼花は一瞬言葉に詰まった。
「そう言うことね。それだったら私たちは外国人よ」
別に威張るところではないが、胸を張って言い張るシャーリー。
「うっうーん。因みに帰る日とかは決まってるの?」
少し引きぎみにシャーリーに返事を返し、気を取り直して会話を続ける。
「そうだ。クルル、向こうにいつ帰る予定なんだ? 俺はもう回復したからいつでも行けるぞ!」
ルベルトがしゃがんだり、手を開いたり閉じたりを繰り返し、手足の感覚を確かめた。
同時にクルルは手の平に魔力を集めてみたが、全くもって駄目だった。
「多分帰るのはまだまだ先なの」
目には見えない少量の魔力を分散させ、手の平をとじた。
「そうなの? だったら多めに買っといた方がいいかな。ほらほら、見えてきたよ」
話をしながら歩いていた三人は、ここで初めて辺りに意識を集中させた。そこには、何階建てか分からない程の大きな建物が無数に鎮座していた。
少しの間、口を開けながら辺りを見回していると、建物と建物の間から声が聞こえた。
「お願いします、お願いします。お金は後で必ず払いますから薬をください」
そこには両膝を地面に付け、頭を下げている三十代くらいの女性と、それを囲む様にして立っている男三人がいた。
「あ~ぁん? 先に金に決まってるだろう。払えね―なら紹介してやるよ。借りる方か、稼ぐ方かどっちがいいんだ?あ~ぁん。まっ、借りても最後は稼ぐ方に行くんだけどな」
男の一人が女の髪を持ち上げ、顔が見える形で言い放った。女の顔は涙で汚れ、見るに堪えない顔をしていた。
そんな様子をビルの物陰から見ていた四人だったが、女の顔を見たルベルトは、一人でその男の元に向かっていった。
「ちょちょちょっっっと、あのルベルト君だっけ? 行っちゃったけどあの人バカなの!?」
涼花は焦りを通り越して逆に冷静になってしまった。
「ルベルトはバカよ」
「ルベルトはバカなの」
焦るでもなく、日常的に行われている光景を見るかのように、ルベルトを見守るシャーリーとクルル。
「いやいや! 流石に止めようよ……はぁ――全くもう!!」
涼花は一人でルベルトの後を追った。
「おいお~い。どっちにするかきまったか~ぁ? 俺らも忙しいんだよ! さっさと決めやんかい!」
女に顔を近づけ、唾を飛ばしながら威圧する一人の男。
そんな男に女は声を上げる事もなく、ただただ涙を流すだけだった。ここで、一人で乗り込んだルベルトが男に声をかけた。
次話もよろしくお願いします




