第二十七話 集結
もう一話投稿します
ルベルト、シャーリー、クルルが各自、仕事を終え冴太邸に帰って来た。
「お前ら、遅かったな。どうだった? 楽しかったか?」
冴太が一人寂しかったのか、やけに三人に質問してきた。
「まぁーそれなりに楽しかったわよ」
「充実した一日だったの」
「いい稽古になったぜ」
各自、簡単に報告したところで、冴太が 「そっか……俺は先に風呂に入ってくる」 と言い、部屋を出ていった。
部屋を出ていく時の冴太の背中は少し寂しいようにも感じられた。
冴太が部屋を出た所で、三人が詳しく状況を報告しあった。
「ルベルト、例の剣士はどうだったの」
クルルの疑問にルベルトは、少し考える素振りを見せた後、口を開いた。
「そうだな……中々センスはあった。ただ……あれじゃ魔王には歯が立たないな。せいぜいその回りの雑魚を相手できるレベルだった」
ルベルトが今日の模擬戦で感じたことをそのまま報告した。
「それで充分なの。雑魚を相手してくれるなら、クルル達は魔王に専念出来るの」
雑魚を相手出来る仲間を見つけてきたルベルトに、素直に感心するクルルだった。
「シャーリーはどうだったの?」
次にクルルがシャーリーに話を振った。
「私はな――んにも無かったわ! 敢えて言うなら、弱い人しか居なかったわね」
シャーリーの微かに赤く染まった服の袖を見て、しっかり仕事をしていたと感じたクルルはそれ以上何も言わなかった。
「所で、クルルはどうだったんだ?」
ルベルトの質問にクルルは一番大切なことを先に言った。
「転移で帰れる算段がついたの」
クルルの言葉に二人は驚いた。
「本当なのよね?」
「本当かクルル! なら今すぐ魔王討伐に……」
「待つの。帰れる算段がついたと言っても、魔力を確保出来ただけなの。その子の魔法操作は全然なの」
焦るルベルトを取り敢えず落ち着かせたクルルは話を続けた。
「五日後、その期間で転移出来るようにするから皆準備するの」
クルルから帰還日を聞いた二人は、いつもより真剣な表情で頷いた。
風呂場に向かっていた冴太に一本の電話がかかってきた。
「おう、勇者か? 五日後に例のゲーム入荷するぞ! 今回は予約受付してるから予約しとくか?」
ゲーム屋の店長からの朗報に、冴太はやっとか……っとの思いで店長に告げた。
「あぁ、四本頼む……」
それだけ言い、電話を切った。
四本と言ったのは言わずもながあいつらの分もだ。
折角俺に会うためにこっちまで来てもらったし、何て言っても初めてのパーティーメンバーだ。
早く一緒にプレイしたくて仕方なかった冴太は、急いで部屋に戻り、三人に報告した。
「お前ら、やっと手に入るぞ! 五日後に出発する!」
冴太が言っていた魔王討伐に必要なアイテム。
それが丁度転移予定日に入手できる。
この朗報に、三人は目を合わせ頷いた。
「あぁ、わかった」
「やっと決着ね」
「がんばるの」
三人のやる気を見た冴太は、ウキウキ気分で再び風呂場に戻った。
五日間何事もなく学校に行き、ルベルトは速水の鍛練。クルルは歩実の魔法操作練習。シャーリーはクラスメイトとの遊びに費やした。
そして遂に転移当日になった。
「クルルちゃん……どこに向かってるの……」
クルルが手伝って欲しい。と、言う事で歩実がクルルに連れられ冴太邸に来ていた。
「冴太の家なの」
「冴太って厳島君だよね……私はそんなに喋ったことないよ……」
歩実の不安が消えないまま、クルルに連れられ冴太の部屋まで足を運んだ。
部屋に入ると各自準備して待機していた。
「おい、お前ら急にどうしたんだ? 今日はただ行くだけだろ?」
冴太はただ買いに行くだけなのに、何でこんなに人を呼んだのか分からなかった。
「みんなも一緒に行くのよ! さっ! 準備しましょ!」
シャーリーの言葉で、クルル、ルベルト、シャーリーはこっちに転移してきた時に着ていた装備を身につけていく。
「冴太! なに突っ立ってるのよ! あんたも早く装備しなさい!」
シャーリーに急かされるまま、冴太はドラゴンハンターの装備を身につけていく。
発売初日じゃないから買いに行くぐらい普通の服でいいと思っていた冴太だったが、三人が装備を身につけていったので、仕方なく冴太も着替えるのであった。




