第二十三話 シャーリーの放課後①
一番好きなストーリーに仕上がりました。
二話完結ストーリーです。
教室の片隅に集まった三人は、急いで片付け、教室を後にした。
「所で麻美、どこで遊ぶか決めてるの?」
涼花の質問に、麻美は顎に手を当て考えた。
「ん~~。やっぱり交流を深めるならカラオケでしょ!」
シャーリーは、カラオケが何なのか分からなかったが、少しでもこっちの情報を仕入れる為に、敢えて口を挟まなかった。
「カラオケか~、でもシャーリーが歌えないんじゃない?」
涼花の歌と言う言葉にシャーリーが嫌な顔をした。
「歌はやめましょ! 他のにしましょ!」
主役に拒否されては仕方がない。涼花の言う様にシャーリーが楽しめないなら意味がない。
再び麻美が考えた。
「それならプリ撮りに行こー。その後カフェで喋ろーよ」
麻美の提案にシャーリーは頷いた。
「私もこっちの情報知りたいし、喋るのは賛成よ」
シャーリーに賛成を得れた麻美は満足そうに笑顔を見せ、
「それじゃーいこー」 っと小走りで駆けて行った。
学校を出てしばらく歩いた所でシャーリーが麻美に声をかけた。
「そう言えば名前聞いてなかったわね」
シャーリーの質問に麻美は笑顔で答えた。
「そう言えばそうだったね。私は坂下麻美。麻美って呼んでね」
そう言い、麻美は笑顔で右手を出した。
「麻美はずっと笑っているのね」
シャーリーも同じく右手を出し、握手した。
「それよく言われるの。でも、笑ってた方が自分も楽しいし、相手も楽しくなるでしょ」
麻美の言い分はよく分からなかったが、確かに今を楽しんでいる自分が居ると、思うシャーリーだった。
しばらく三人で歩いていると、前から見知った顔の男が歩いてきた。
「あれ? シャーリーちゃん。こんな所で会うなんて奇遇だな」
この男、休み時間にシャーリーにアタックを仕掛けた男である。因みに剣道で速水に瞬殺された男でもある。
「あんた! シャーリーと喋りたいからって後を着けてきたんでしょ! サイテー」
麻美が汚物でも見るかの様な目でこの男、福田を一瞥した。
「ち……違う! たまたまだって! でも、ここで会ったんだ。俺も混ぜてくれよ」
会ったのは本当にたまたまだったが、三人はそれを知るよしは無かった。
そんな会話をしていると、涼花、麻美、シャーリーの後ろから、見知らぬ男性三人組に声をかけられた。
「ねぇ~君達。今から俺達と遊ばない?」
チャラチャラと、金属アクセサリーを鳴らしながら奥の男を無視して、話が進んで行った。
「それいいっしょ! 名案っしょ!」
「そこのカラオケでいいんじゃね?」
涼花、麻美は強引なナンパに恐怖したのか、何も言い返さないまま、男に手を捕まれた。
手を捕まれたと同時に、今まで無視されていた男、福田が男の手を掴み、振りほどいた。
「なんだてめぇー。今、良いとこなんだから邪魔すんじゃねーよ」
「こいつら今から忙しいんだ。話なら俺が聞いてやるよ! お前ら、ここは俺が何とかするから行っていいぞ」
福田が苦笑いを浮かべ先を急ぐように促すが、その足は震え、手も小刻みに震えていた。
「っそ! わかったわ! それじゃー麻美、涼花行きましょ」
シャーリーが麻美と涼花の手を取り、男達に背中を見せ、歩いていった。
少し先まで歩いた所で、麻美が徐に呟いた。
「福田、大丈夫かな……」
先程まで笑顔だった麻美だが、その足取りは重く、後ろをチラチラ振り返っていた。
「何言ってるのよ! あの子が先に行っていいって言ってたんだから良いじゃない! 笑顔はどうしたのよ! 笑顔」
シャーリーには、そこまで心配している理由が分からなかった。
自分で解決できる。自分なら勝てると思っての行動だろう。勝てない、解決出来ないと思っていたら、あんな大口を叩くわけ無いと思っていたのだ。
「でも…………」
それでも尚、麻美の心は晴れなかった。
「もう! 仕方ないわね! あの子連れてくるから待ってて!」
麻美に焦れったさを感じたシャーリーは来た道を一人、引き返すのであった。
「私、なんだか最近トラブルに巻き込まれるな……」
涼花は自分のトラブル体質に一人、悩むのであった。
明日、続きを投稿します。




