第二十話 シャーリーとクラスメイトの勘違い
一方その頃教室では、担任による科学の授業が行われていた。
「なので、物質は主に純物質と混合物にわかれて――――」
担任の授業が淡々と進んでいく中、ルベルトは考えた。
強い仲間を見つけるにはどうすればいいか。手っ取り早く模擬戦でもするか?
そんな思考を巡らせていると、授業の終わりを知らせるチャイムがなった。
「今日はここまで。お前ら次の授業まで覚えとけよ」
担任の言葉も虚しく、教室は一瞬にして喧騒に包まれた。
「シャーリーはどこから来たの?」
「シャーリー、今日の放課後遊びにいこー」
「シャーリーその服どこで買ったの?」
「シャーリーちゃん! 俺と付き合っtgっうぅ……」
「男子は黙ってて! あんたが釣り合い訳ないでしょ!」
シャーリーがクラスメイトに詰め寄られ困っていた所に、涼花が待ったをかけた。
「みんな落ち着いて! シャーリー困ってるじゃない」
涼花の待ったに一先ず落ち着いたクラスメイト達。
「シャーリー。順番にみんなの質問に答えてあげて」
涼花の言葉にシャーリーは 「わかったわ」 と言い、なぜか身構えた。
「シャーリー、今日の放課後遊びにいこー」
クラスメイトの一人、髪を後ろ手に括り好奇心旺盛で活発そうな女の子から誘いを受けた。
「他にやることも無いし良いわよ!」
シャーリーに了解を貰えた女の子は、他のクラスメイトを誘うべく、回りに声をかけた。
「他で一緒に遊びに行ける人!」
女の子が右手を上げ、他のクラスメイトを誘おうとするが、結果はあまりよろしく無かった。
「今日は部活休めないからまた今度誘ってー」
「今日は塾だから行けないかな」
「俺はいつでも行けるぜ!」
「それだったら私も行こうかな? 二人だけだと何か心配だし……」
涼花が仕方ない。と言った形で、放課後三人で遊びに行くことになった。
「なら決まりね。私、シャーリー、涼花で遊びに行こー」
残念ながら俺も行けるぜ! と言った男子はカウントされることは無かった……
「次は私ね! シャーリーはどこから来たのかしら?」
クラスの委員長、黒髪セミロングの女の子が質問した。
「そう言えば私も知らないなぁ~。シャーリー、どこから来たの?」
涼花も、委員長の質問に興味を持ち、シャーリーに質問した。
「魔王城よ!」
「「えっ?」」
シャーリーの言葉を聞き、間違えたと思った涼花と委員長は、間抜けな声を上げてしまった。
「だから魔王城よ!!」
少しむきになり、再び言い返したシャーリーだったが、二人の疑問符が消えることは無かった。
「シャーリー、何冗談を言っているのかしら? 魔王城なんてどこにあるのかしら? 何かのゲームの話?」
委員長が笑えない冗談に尻込みしている中、涼花は一人、盛大な勘違いをして納得してしまう。
「シャーリー準備も何もせず、急いでこっちに来たって言ってたけど……向こうで酷い目に会ってたのね……ごめんね気付けなくて……話したく無かったら話さなくていいよ」
涼花の気遣いを聞いた委員長は、ばつが悪そうにシャーリーに謝った。
「シャーリーごめんなさい。私ったら……事情が分からずつい……」
場の空気が気まずくなる中、シャーリーが口を開いた。
「酷い目には会ったわね……殴られ…………」
「シャーリー。もう良いのよ。こっちで楽しい思い出作りましょ」
委員長のこの言葉と共に、チャイムがなった。
「チャイム鳴っちゃったわね。次の休み時間またお話しましょ」
皆がぞろぞろ椅子に座っていく中、ルベルトの元にはこの休み時間、誰にも声をかけられる事はなかった。




