4-2
すっかりと冷めてしまった豚汁の最後のひとくちをすする。空になった容器を見て、黎は浅く息を吐いた。灯真が作ってくれるものよりも濃い味つけのはずなのに、なぜかほとんど味がしなかった気がする。
黎はのそのそとゴミを捨て、閉めきられた寝室のドアを見る。食べている最中も、何度も視線がそこへ吸いよせられていた。
灯真は以前、風呂に入ることと食事を摂ることは自分を大切にする行動だと言っていた。でも今日の灯真は、たぶん、どちらもしていない。それくらい体調が悪いんだろうか。
夕飯を食べたらもうすることがなくなった。ひとまずいつものようにラグに座ってみたはいいが、どうにもおちつかない。心臓がずっとざわめいているし、気がつくと寝室のドアに顔を向けている。
灯真は大丈夫なんだろうか。……ほんとうに、寝ているだけなんだろうか。もしかしたら、中で、倒れているかも。だって、それくらい静かだ。
嫌な想像が頭にこびりついて離れない。ぎゅっとくちびるを嚙む。寝室を見つめたまま長く考えこんでから、黎は大きく息を吸いこんだ。
寝ているか、確かめるだけ。自分に言いきかせ、寝室の前に立つ。深呼吸してから、おそるおそるドアをノックした。しかしなにも聞こえない。もう一度ノックしてみても静かなままだった。黎の顔がくもる。
「久我さん……?」
ドア越しに呼びかけてみたけれど、やはり灯真からの返事はなかった。鼓動の音が耳の奥で響いている。
寝ると言っていたのだから、寝ているだけかもしれない。きっとそうだ。そう思いたいのに、思えない。倒れていたらどうしよう。頭の中がそれでいっぱいになっていく。
確かめたいなら、このドアをあけて中を覗けばいい。そうすれば、すぐに灯真の状況を確認できる。わかっているけれど、黎の手はノックしたときのまま固まっていた。ドアノブに手をかけられない。黎の脳裏に、あの夜がよぎる。黎が間違えてしまった、あの夜が。
黎はあの日以来、灯真の寝室には足を踏みいれていなかった。毎週土曜の掃除の時間に灯真は必ず家中の掃除機をかけていたし、黎はいつもその背中についていっていたけれど、寝室には入らないようにしていた。灯真も黎が意図的に寝室を避けていることを察しているようだったが、特になにかを言ってくることはなかった。
入るのがこわい。入ったらまた、なにか間違えてしまうかもしれない。もう間違えたくない。次に間違えれば、今度こそ、もうこの家にはいられなくなる。
寝室に入らなければなにも間違えないというわけではないことはわかっている。けれど黎にとってこの寝室は、あの日の記憶がこびりついたおそろしい場所になってしまっていた。
黎はドアを見つめたままくちびるを強く結ぶ。さっきからずっと背中がぞわぞわしている。この部屋に入りたくない。間違えたくない。でも、中で灯真が倒れているかもしれないという想像が止まらない。灯真の体調不良がどんなものなのか、どれくらいひどいのかわからないから、最悪の想像がふくらんでいく。
……確かめるだけ。ドアをあけて、確かめるだけ。無事を確かめたら終わり。それ以外はなにもしない。それなら、きっと、間違えることはない。きっと大丈夫。きっと。
黎は心の中で自分に言いきかせ、何度も深呼吸した。それからそうっと寝室のドアをあける。ドアのひらくかすかな物音さえもおそろしくて、黎の肩が跳ねた。
「……くがさん?」
中に入ることなく、ドアの隙間から寝室を覗く。返事はないし、物音もしない。灯真の姿は確認できないけれど、床にいないことだけはわかった。それだけでも少し安心できて、黎はかすれた息を吐く。
黎はもう少しドアをひらき、寝室の中を見てみる。リビングからのあかりだけでは、薄暗くてよくわからない。でも、布団がふくらんでいるかも。そこにいるんだろうか。寝ているだけなんだろうか。
「くがさん……」
大きな声を出すのははばかられ、ささやき声で呼んでみる。けれど返事はない。どこまでも静かだった。口の中がからからに渇いているのをごまかすように、唾を飲む。
寝ているか見るだけ。確かめるだけ。それがわかったら、すぐに出る。
さっきからうるさい心臓を胸の上から押さえ、部屋の中へ足を踏みいれた。足音を立てないよう、そろり、そろりとベッドに近づく。
ベッドのすぐそばに立ってようやく、布団からはみだしている灯真の後頭部が見えた。かすかな寝息も聞こえる。……なんだか少し、苦しそうな寝息だ。息をしていてよかったと思うのと同時に、大丈夫なんだろうかと心配もふくらむ。
灯真は壁側を向いているらしく、どんな表情をしているのかはわからなかった。黎はその場に立ちすくんだまま、灯真の様子をうかがう。黎がそばにいても、灯真は身動きひとつしなかった。
寝ているみたいだし、起こしてはいけない。倒れているわけではなかったし、灯真自身も寝ると言っていたんだから、きっと大丈夫だ。わかっているのに、どうしても不安をぬぐいきれない。
なにをできるわけでもなく、寝ている灯真を見つめる。けれどこれも迷惑になるかもしれない。このままここにいたら、またなにか間違えるかもしれない。あと少し、あと少しだけ灯真を見たら、部屋を出る。そう思いながら黎は重心をうしろにかたむけた。
「……ん、なに……?」
「ひっ」
直後、灯真のかすれた声が聞こえて、黎は思わず小さな悲鳴をもらした。体が一気にこわばる。寝返りを打った灯真がこちらを見た。目が合って、心臓が大きく跳ねる。
「あれ、れい?」
「……っ、ごめんなさい」
名前を呼ばれ、黎の口から謝罪の言葉がころげおちる。暗闇に少し慣れてきた視界で、灯真が目を瞬かせたのがわかった。
「え、なんであやまってんの?」
やはり寝ていたらしく、灯真がふわついた声で言う。黎はうまく返事できないまま、一歩あとずさった。起こしてしまった。なにか間違えたかもしれない。次間違えたら、もうここにはいられない。
「ごめんなさい」
黎は震える声で、はっきりしない謝罪を口にする。なんでと訊かれてもわからない。わからないけれど謝らなければならないと思った。自分は今きっと、なにか間違えたから。
「ごめんなさい」
それしかわからなくなったかのように謝罪をくりかえし、さらに一歩あとずさる。もう一度謝ろうと口をひらいたけれど、それより先に「れい」と呼びかけられた。黎の肩がびくりと揺れる。
「おいで、れい。だいじょうぶだよ」
灯真は言いながら、布団から出した手で黎を招く。なんで。なにが、大丈夫なの。わからない。でも、呼ばれてるから、行かなくちゃ。
黎はくちびるを嚙み、呼ばれるままにベッドへと近寄った。灯真は黎を見あげ、ふっとやわらかな息をこぼす。
「ちょっと、かがんで。よくみえないから」
言われたとおりにしゃがむと、灯真が黎の頭をそっと撫でた。突然のことに、「え」と声がもれる。
「なんか、わかんねえけど、だいじょうぶだよ。あやまんなくて」
灯真は寝起きの声でそう言って、大きなあくびをした。布団の中に手が引っこむ。
「れい、なんであやまったの?」
寝ていたからか、体調が悪いからか、灯真の声には覇気がなく、言い終わりがかすれていた。なんで、とまた訊かれ、黎はたじろぐ。訊かれても困る。答えるための言葉がない。謝るべきだと思ったから謝っただけ。黎はうろうろと目を泳がせながら、なんとか口をひらいた。
「おれ、まちがえたから」
「なにを?」
「わかんない、けど、まちがえたから、ごめんなさい、おれ」
ひとつもまとめられないまま言うと、灯真がふっと息を吐いた音が聞こえた。
「そうかあ? なんも間違えてないと思うけど」
さっきよりも少しはっきりした声で灯真が言う。間違えてない。そうなんだろうか。ほんとうに?
「……でも、おれ、おこしたよ」
「うん?」
「へやも、はいった」
「そうだねえ。それが、間違えたことになんの?」
「……わかんない」
ぽろりと声がこぼれる。わからない。間違えたと思うけれど、違うんだろうか。だってほんとうは、寝ているか確かめるだけのつもりだった。それなのに今は、灯真を起こしてしまっている。それは、間違いじゃないんだろうか。おそるおそる灯真を見ると、灯真がやんわりと目を細めた。
「俺は、起こされたことも、黎が部屋に入ってきたことも、怒ってないし、間違えたとも思わないよ」
灯真のゆっくりとした言葉が、黎の中に染みこんでいく。……そうなのか。間違えて、いないのか。力の入りつづけていた黎の体が、少しだけゆるんだ。
「なんか用事あった?」
穏やかな声で訊かれ、黎はそっと息を吸う。
「……久我さん、倒れてるかもって、思った」
ぽつりと呟くと、灯真の目がわずかに見ひらかれた。ひとつ瞬きをして、灯真が眉を下げる。
「そっか。ごめんな、心配させて」
灯真に謝られ、黎は勢いよく首を横に振る。灯真が謝ることはなにもないはずなのに、なぜ謝られたのかわからなかった。黎はあらためて灯真をまっすぐに見る。
「久我さん、体調悪いの?」
「ん? んー……」
黎が訊いた途端、灯真の目線が揺れた。それからへらりと笑う。帰ってきたときに見せたのと同じ、力のない笑みだった。
「まあ、うん、ちょっとね。でも帰ってきたときよりはよくなってきたよ」
黎はそれを聞いて、嘘だ、と思ってしまった。けれど勝手にそう思ったことが申し訳なくて、くちびるの内側を嚙む。灯真は笑んだまま話を続けた。
「今日はちょっと、頭痛くてさあ。電車もちょっと酔っちゃって。でも薬飲んだし、効いてきてるから、そのうち治るよ」
灯真が、ちょっと、と何度もくりかえす。たぶんちょっとじゃないんだろうな、と黎はまた勝手に思ってしまった。二日前に話したときも、ちょっと、と言っていた気がする。ちょっと、なのにあんな苦しそうな息になるんだろうか。
「……久我さん。俺、なにしたらいい?」
黎が訊くと、灯真がぱちりと瞬きをした。薄くひらいた灯真のくちびるから息がもれる。けれどなにも言おうとしない。それに焦れてしまい、黎は前のめりで言葉を続けた。
「俺、なにができる? 久我さん、なにかしてほしいことない?」
言いながら、なぜか黎の鼓動がはやくなる。灯真は何度か緩慢に瞬きしたあと、また力なく笑った。
「黎、もうメシ食った?」
予期せぬ問いかけに、黎は困惑しながらも黙ってうなずく。
「そっか。ごめんな、メシ、適当に選んで」
黎はまた謝られてしまったと思いながら、首を横に振った。適当だなんて思っていない。体調がよくない中で黎のぶんをわざわざ買ってきてくれたのだから。今は黎の夕飯のことより、灯真の夕飯の話が聞きたい。食べないのだろうか。けれど黎が訊くよりも前に、灯真が話を続けた。
「シャワーは? 浴びてきた?」
黎はそれにも黙ってうなずく。してほしいことを訊いたはずなのに、どうして黎のことばかり訊かれているのかわからない。
「シャワーじゃあんまりあったまれなかっただろ。ごめんな、風呂溜めれたらよかったけど」
灯真は濁すようにそこで言葉を切り、目線を外した。なんで謝るんだろう。灯真はなにも悪いことをしていないのに。考えているうちに、黎の顔がぐしゃりと歪む。
「……久我さんは、なんで、謝るの」
さっきの灯真の言葉をなぞるように訊くと、灯真がはっと息を呑んだ音が聞こえた。わずかな沈黙のあと、気まずそうに身じろぐ。
「そうだよな、ごめん。あ、いや、ちがう、ごめんじゃない」
うろたえている灯真を見ているとなんだか気が抜けてしまい、黎の表情がゆるむ。灯真はさっきまでとは少し違う、困ったような顔で笑って黎を見た。
「おまえがメシ食って風呂入ったなら、それだけでじゅうぶんだよ」
その言葉に、黎は奥歯を嚙みしめた。
つまりそれは、なにもしなくていいと言っているのと同じではないだろうか。看病なんて大それたことが自分にできるとは思っていない。それでも、なにかしたかったのに。そう考えて、黎は自分ではっとした。灯真に対してなにかをしなければ、対価を渡さなければとはこれまでずっと思っていたけれど、なにかをしたいとはっきり思ったのは、初めてかもしれない。黎はくちびるを薄くひらいては閉じるのを何度かくりかえしたあと、手をぎゅっと握って灯真を見た。
「……俺、久我さんに、なんかしたい。なにも、できることない?」
そう訊いた途端、灯真がゆっくりと瞠目した。ほんのわずかな沈黙がとても長く感じる。けれど黎は灯真がなにか言うまで、目を逸らさないでいようと思った。やがて灯真がひとつ息を吐き、表情をゆるませる。
「……じゃあさ、お願いしてもいい?」
その言葉に、黎は小さく息を呑む。お願い。いつもの手伝いみたいな頼みごとではなくて、お願い。そんなこと、灯真から初めて言われた。黎は緊張しながらもうなずく。
「水飲みたいんだけど、動くのだるくてさ。冷蔵庫から、ペットボトルのやつ持ってきてもらってもいい?」
「わかった。一本でいいの?」
「あー、いや、二本でもいい?」
「うん、わかった」
黎はうなずいてから立ちあがる。そのままキッチンに向かおうとして、なにかを踏んでしまった。「わ」と声がもれる。
「どうした?」
「なんか踏んだ……?」
「あ、俺が脱いだ服かも。ごめん」
しゃがんで足元を見てみると、たしかに灯真がいつも着ているワイシャツが落ちていた。黎はしゃがんだまま灯真を振りかえる。
「これ、洗濯するの?」
「するけど、明日でいいかな」
「俺、洗濯かごに持っていく?」
「え、いいよ、置いといて。汚ねえし」
灯真がどこか慌てたように言う。汚いならなおさらかごに入れたほうがいいんじゃないだろうか。疑問に思いながらも、水を持ってくるためひとまず立ちあがる。けれど黎はキッチンへ向かうあいだも、水を持って戻ってくるあいだも、ずっと洗濯物のことが気になっていた。
黎が水を渡すと、灯真が「ありがと」とゆるく眉を下げた。そのまま起きあがり水を飲む。灯真の様子を気にかけながらも、黎はまた床のワイシャツを見ていた。
置いといていい、と灯真は言う。なら、そのままにしておくのが正解だ。けれど灯真の、やりたければやっていい、という言葉も黎は思いだしていた。黎は灯真に視線を戻す。灯真はペットボトルをベッドの棚に置き、また横になろうとしていた。
「……久我さん」
「ん? なに?」
「洗濯物、ここに置いておくのが正解?」
黎が訊くと、灯真がふしぎそうに首をかしげた。
「まあ、うん、そうだな? 置いといていいよ」
「……じゃあ、これを、洗面所に持っていったら、それは間違いになる?」
おそるおそる訊くと、灯真がぱちりと瞬きをした。わずかな沈黙のあと、灯真がやんわりと苦笑する。
「いや、別に……間違いじゃないけど……。でも汚れてるし、急ぎで洗わないといけないわけでもないから、置いといて大丈夫だよ」
「……持っていくのは、間違いじゃないけど、正解でもない?」
よくわからなくなってきて、黎は眉を寄せる。一拍遅れて、灯真がふっと笑みまじりの息を吐いた。
「そうだなあ。正解とか、間違いとか考えないで、黎がそうしたいって思ったなら、いいんじゃないかな」
「持っていっても、久我さん、怒らない?」
「怒んないよ」
「嫌な気持ちにもならない?」
「俺は別に嫌じゃないけど……おまえが嫌じゃねえの?」
どことなく怪訝な顔をしている灯真に訊かれ、黎は首をひねる。
「なんで?」
「だって、一日中着てた服だよ。汗もかいたし、汚いじゃん」
黎は足元の服へ視線を落とす。灯真は、汚いから黎が嫌がるだろうと言う。考えてみたけれど、あまりわからない。少なくとも、嫌ではないと思う。黎は灯真を見て息を吸う。
「……俺は、嫌じゃない。汚いって思わない。だからこれ、持っていってもいい?」
思っていることを訥々と並べると、灯真がかすかに目を瞠った。それからふっと表情をやわらげる。
「……おまえがそうしたいなら、いいよ。ちょっと恥ずかしいけど、俺も、嫌じゃない。おまえがやりたいと思ったことが、嬉しい」
灯真は黎から目線を外してぽそぽそ言う。黎はそれを聞いて、下くちびるを巻きこむようにぎゅっと結んだ。黙ってうなずき、足元の服を拾う。ワイシャツの下から靴下も出てきたけれど、黎はためらわずそれも拾った。背後で「あ」と灯真が声をもらす。
「靴下忘れてた。え、嫌じゃねえの?」
「嫌じゃないけど……」
さっきそう言ったはずなのに、なんでまたこのやりとりが始まったのかわからない。灯真はあまり納得してないような顔をしながら「嫌じゃないのか……」と呟いていた。そのまま布団にもぐりなおす。話は終わったと判断して、黎は灯真の服を抱えて洗面所へと向かった。
洗濯かごの中に灯真の服を入れる。そこには黎が着ていた服やタオルも残ったままだ。灯真は毎日必ず夜に洗濯していたなと考える。黎が洗濯できればいいのだが、やり方がわからなかった。教わっておけばよかった、と黎は初めて後悔した。勝手にさわって壊したらと思うとおそろしい。しかたがないので、黎は洗濯物をそのままにして寝室へと戻った。
「おかえり」
灯真が横になったまま黎に声をかける。ベッドのそばに戻りながら、黎はそっと息を吐いた。
「……洗濯、できなかった」
言いながら、自分のくちびるが尖っていることを自覚する。灯真はかすかに口元をゆるませた。
「かご入れてくれるだけでよかったよ。ありがとな」
「でも……」
灯真はそれでいいと言ってくれているのに、素直にうなずけない。うつむいていると、「黎」と灯真に呼びかけられた。
「なんでそんな顔してんの?」
やわい声で訊かれ、黎は自分の頬に自分でふれてみる。なんでだろう。わからない。……でも、洗濯をしたかった。自分でしたかったのだ。今日はできない灯真の代わりに。
「……俺」
灯真から目線を外したまま口をひらく。
「洗濯、したかった。でも、できなかった」
「やり方わかんない?」
黎はためらいながらも素直にうなずく。灯真は「そっか」と言った。
「おまえが覚えたいなら、教えるよ。また明日な」
その言葉に黎ははっと顔を上げた。灯真はゆるく笑んでいる。黎のくちびるが薄くひらいたけれど、なにも言葉は出てこなかった。黎は無言でうなずく。明日、灯真に洗濯のやり方を教えてもらえる。また明日。灯真の声を反芻しているうちに、さっきまで尖っていたくちびるがほどけていた。




