第5話 地下倉庫の奥
◯ヴァルミタール家 一階 地下倉庫入口 (1902年 3月)
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一階裏手にある、地下室への入口。
アレクシス、ヨハン、
そしてグレゴールが扉の前に立っている。
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1階の裏手、キッチンから、地下倉庫に降りることができる。地下倉庫にはワインや保存食、掃除用具。そして古い在庫品が眠っている。この地下倉庫はメイド長ズッカも、見習いメイドのチェリカも使っている。ごく普通の、生活の一部のはずだった。
(けれどその《奥》……?)
確かに、地下倉庫の奥まで入る事は少ない。良く使うものはたいてい、倉庫の出入り口付近に詰むからだ。
アレクシス自身も、ワインを取りに少し奥のほうまで入ったことはあるが、あれが倉庫の最奥だったか?と聞かれると自信はない。
父に従い、ランプを片手に地下倉庫への階段を降りる。ひんやりとした空気。軋むドアを開けると、アーチ型の天井が現れる。床には穀物、じゃがいも、いくつかの酒。砂糖。コーヒーの袋。
「ついてこい」
父に促され、奥へと足をすすめる。ワインが並んでいる棚まで来ると、行き止まりになった。
眼の前には、石の壁。その下には古びた金属の棒が転がっている。
「行き止まり、ですね。」
「いいや、よく見なさい、アレクシス。この石を。」
示された部分を見ると、その部分だけ積み石がきれいな円形をしている。そこには、縦に長い穴が空いている。
「そこにその棒を差し、少し回して、引き抜くのだ」
ヨハンに渡された金属棒を差し込む。すると、円形の石と棒が噛み合い、くるりと回った。
少し引っ張ると、円盤型の石が少しだけ浮いた。
「引き抜きなさい」
父に言われるがままに円盤型の石を引き出すと、壁にぽっかり穴があいた。
「その穴に腕を入れ、ゆっくりと石を引くのだ」
言われるがままに石を引くと、石板がいくつかのパーツに分かれて外れてゆく。
すると、一つの扉が現れた。
父が鍵を取り出し、アレクシスに渡す。
「お前が開けると良い。アレクシス。これからはお前が彼らの主人になるのだから」
(彼らのドミヌス、って何だ……?)
わからないながらも父に促され、鍵を回す。すると、扉があいた。
『ディスポーザブル・キャスト-夢を見せる宝石少年-』
原案:神田明子
作:西瓜すいか・差異等たかひ子
企画・制作:Hisshigumi Project
※本作は複数の小説投稿サイト・媒体にて同時掲載しています。
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