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ヨルから生まれた物語  作者: 灯ノ森みつき
第二章《波紋》

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噂の行先

昼下がり。


短い休息をとるため、

Lunariaは小休憩室へ入った。


侍女が、

軽食と淡い湯気の立つ茶器を

そっと小机に置いた。


甘い香り。


「ありがとう。」


礼を言い、

Lunariaは椅子へ腰掛けた。


蜂蜜茶を一口飲む。


優しい甘さが、

ゆっくり喉へ落ちていく。


ああ、落ち着く……。


ふと顔を挙げると、

閉ざされた扉の向こうから、

微かに人の声が聞こえていた。


大量の書類を置く気配。

足音。

低く交わされる会話。


いつもより落ち着きがない。


昼の休憩時間なら、

もう少し静かなはずなのに。


「…………?」


Lunariaは、

茶器を持ったまま小さく首を傾げた。


「みんな、休まないの?」


傍に控えていた侍女へ、

何気なく問いかける。


侍女は、

一瞬だけ言葉に詰まった。


「い、いえ……

皆、少々立て込んでおりますようで。」


どこか曖昧な返答だった。


扉の向こうで、

また紙を捲る音がする。


誰かが、

慌てたように声を潜めた。


「……みんな、仕事熱心ね。」


小さくそう零すと、

侍女は、何とも言えない顔で頭を下げた。


その意味へ気づかないまま、

Lunariaはもう一度、蜂蜜茶へ口をつけた。

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