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2-39話 夢みたい
第二部 撰択編
薄い明かりが透けて見える。
カーテンの隙間から、朝の光が溢れていた。
「おはようございます、姫様」
侍女の柔らかな声。
「……おはよ。」
Lunariaはゆっくり目を開けた。
身体が重い。
まだ眠気が抜けきらない。
窓辺では、
侍女が静かにカーテンを開いていた。
朝の風が部屋へ流れ込む。
「本日も良いお天気ですよ。」
「……そう。」
ぼんやりと返事をする。
見慣れた部屋の、見慣れた天井。
いつも通りの、Lunariaの朝。
「…………。」
なんだか、変な夢を見ていた気がする。
誰かに見られていたような。
いや……。
見ていたのかもしれない。
なんだったのかしら、あれ。
掴もうとする端から消えていく、
淡い夢の残像。
Lunariaはしばらくそのまま、
ぼんやりと天井を眺めていた。
そして。
不意に。
昨日のことを思い出した。
『……Elliottです』
「――っ。」
恥ずかしい。
胸の奥が少し、くすぐったい。
「姫様?」
「なんでもないわ。」
Lunariaは短く答え、
枕に顔を深く埋めた。
なんだかふわふわする。
思い出すと、頬が緩む。
このくすぐったさの正体を、
Lunariaはまだ知らなかった。




