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ヨルから生まれた物語【第二部連載中】  作者: 灯ノ森みつき
【第二部】第三章《芽吹き》

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2-27話 二人の名前

第二部 撰択編


夏至祭を目前に控えたある日。


宵の国王家から、

Lunariaの元へ正式な文書が届いた。


「宵の国王家より、正式書簡です。」


侍従から差し出された封蝋を確認し、

Lunariaは頷く。


王弟家からの婚約の返答ではない。


宵の国国王からの、正式文書だ。


封を切り、Lunariaは静かに内容へ目を通した。


Lunariaの戴冠後、宵の国から派遣されていた

政務支援のための臨時政務室の解散。


そして、

目前に迫った夏至祭に備える準備室の設置。


それに伴う人員移動。


文書には、その詳細が記されていた。


思わず、少しだけ表情が緩む。


ありがたい。


戴冠からまだ日も浅い。


初めての夏至祭だった。


王家にとっても神殿にとっても、

重要な祭祀。


しかも今回は、

神殿側もことさら警戒している。


人員はいくらあっても足りない。


帰国者一覧。

入国者一覧。


宵の国側の実務官達の名前が並ぶ。


そのまま視線を流し――


「……?」


Lunariaは目を瞬いた。


もう一度確認する。


「…………。」


見間違いではない。


「何かございましたか。」


側に控えていた官僚が尋ねる。


Lunariaは何も言わず、官僚に書簡を差し出した。


官僚は受け取り、内容へ目を通した。


そして。


「これは……。」


小さく呟く。


Lunariaは肩を竦めた。


「認可しておきます。」


机の上へ文書を置く。


承認印を取り、迷いなく押した。


赤い印が紙へ刻まれる。


「夏至祭まで、もう時間もないもの。人員が増えるのは助かるわ。」


書簡を返しながら言う。


官僚は頷いた。


だが、彼の視線はまだ、

入国者一覧に記された二人の名前に留まっていた。


夏至祭まで、あと僅かだった。


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